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Posted by ミリタリーブログ  at 

2019年11月23日

オートマチックvsリボルバー

皆さんご無沙汰しています。

大分寒くなってきましたね。
ここ東北の地では紅葉の時期が過ぎ去り、いよいよ本格的な冬支度に入っております。
つい先日も八戸市の郊外では雪が路面を覆い、まだ夏のタイヤで走っている自分も、冬に向けての覚悟が必要となってまいりました。
大嫌いな冬が訪れる最初のオープニングセレモニーは、車のタイヤ交換から始まります。
ごつくてメチャメチャ重たいタイヤを、スペアも含めて5本も交換するのはおもいっきり腰にきますね。
またタイヤを交換することによって、趣味の山ツーリングもシーズン終了を迎えるわけです。
本格的に雪が積もらないうちはちょっとした林道程度なら入れない事も無いのですが、スタッドレスタイヤは泥道や荒れた山道を走れるようには出来ていないので、スタックしたり最悪タイヤが裂けてしまう可能性もあります。
いかに高性能な車でもタイヤの性能以上には走ることは出来ないので、ちょっと興味を惹かれるような山道を見かけてもジリジリした思いをかみ締めながら虚しく通り過ぎなければなれません。
雪が積もったとしても現在のスタッドレスタイヤはアイスバーン性能に重点をおいた設計になっているようなので、意外と積雪には弱いですね。
むしろ普段履いているダンロップのマッドタイヤの方が雪に食いつきます。
20~30センチ程度の積雪等ものともせずにガンガン走ってくれます。
もちろんアイスバーンでは滑りまくりでしょうから、雪より凍結路面のほうがずっと多い八戸ではスタッドレスタイヤは必須という事になります。
同時にサバゲシーズンも終了です。
今年も無事にシーズンが終わり一息ついたところです。
今年は回数はそう多くないものの、青森やら岩手やらと遠征し、楽しい一年でありました。
また、これといった事故などなくシーズンを終えることができました。
来年度まで、しばしの間充電期間ですね。


六発しか撃てないリボルバーなんて、使っている人がいるの?
ちょっとネットで暇つぶしにあちこち検索していたらこのような書き込みがありましたので、この機会にオートマチックとリボルバーのどちらが優れているか、考えてみましょう。
今回のテーマは、

オートマチックvsリボルバーです。

いきなり本題の答えを言ってしまいますが、実は世界中で沢山のユーザーが愛用しております。
確かにオート全盛の現代では、リボルバーなど古臭い前世紀のガンのように見受けられるかも知れませんね。
但しそれはミリタリーやローエンフォースメント等、対人戦闘を目的とした、ごく一部に限っての話となります。
ちょっと長くなりますが詳しく説明します。
まず、サバゲユーザーが爆発的に増えている現状では、日本で読まれる記事は当然の通りミリタリー関係であり、ガン専門誌やネット動画などの情報も9割がその情報です。
それ以外の情報はここ日本では殆ど紹介されていので、リボルバーの記事に触れる機会などまずありません。
人気の有る分野だけの、片寄った情報を与えられているわけです。
逆にガン大国アメリカでは、ミリタリー関係の情報などは人気の有る分野ではありますが、マーケットの一部でしかありません。
ガンマーケットを占める割合のほとんどが、ハンティング、スポーツ射撃、収集趣味、護身用です。
つまりガンというモノが生活に密着している社界なので、生活や趣味のために当たり前のように存在している道具であるからです。

道具と言うモノは、ある用途または必要であるという要求が高まって造られるわけです。
そして様々な研究開発が繰り返され、用途別に枝分かれ、そして進化していきます。
結果、多弾数、発射サイクルの早いオートマチックハンドガンは、銃撃戦で相手を圧倒する最適のハンドガンとして進化し続け、現在に至っています。
ではリボルバーはどのように進化しているのか?
オートマチックハンドガンの陰に隠れて目立たないだけで、着実に進化の道をたどっています。
ただ、おかしな言い方かも知れませんが、オートマチックとは全く逆のコンセプトでの進化を続けているように自分には見受けられます。
リボルバーがオートマチックより劣っている最大の問題は装弾数の少なさが挙げられます。
現在の主流である9ミリオートは15発以上の装弾数が当たり前で、馴れた人間なら数秒でリロードが可能です。
対してリボルバーでは多くても8発前後であり、それ以上の装弾数を求めれば必然的に口径が小さくなってしまいます。
リロードするにも手間がかかり、クリップやスピードローダーを使ったとしても結局オートの装弾数には到底及ばず、火力では勝負になりません。
但し、リボルバーがオートに劣っている最大の問題はこれだけであり、逆に勝っている点が沢山あります。

まずはこの装弾の問題ですが、見方を変えればオートのように複雑な操作は一切必要ありません。
シリンダーに弾をつめれば後はトリガーをひくだけで確実に発射され、オートのようにスライドを引けとかセフティを外せなどというややこしい操作など無用です。
つまり護身用として利用するなら、訓練時間はオートより遥かに短くて済む上に、ダブルアクションのリボルバーは暴発事故の危険性も少なくなります。
この点はセルフデフェンスという問題で考えれば、大変なアドバンテージであると考えます。
ある日突然に、ベッドルームで深夜強盗に襲われる。あるいはパーティの帰りなど、アルコールの入った状態で暴漢に襲われるような不利な状況であっても、犯人にガンを向けトリガーを引くだけで発砲可能であり、不意を衝かれるような攻撃に対して有効な機構を持っています。
この場合装弾数など問題にはならず、いかに早く犯人に有効弾を撃ちこめるかが生死を分ける事になります。
実際に6メーター以内ならハンドガンよりナイフの方が早い事を証明している実験等を、動画サイトで多数見受けることが出来ます。
また銃撃戦のほとんどが1~15メーター以内で行われ、最も多いのが6メーター以内であるという統計が何十年も前から出ています。
なんの予備動作も必要とせず、ホルスターからのクイックドローを考えるなら、リボルバーの方が圧倒的に有効なのです。
いくら犯罪の多いアメリカとはいえ、私生活に十分な注意を払っていれば、ガン犯罪に巻き込まれる事等そうそうあることではありません。
一生のうち一度あるかないかの状況の為に、チャンバーに装弾したオートを日常生活の中で携行し続けるのは精神的なストレスが大きく、何かの拍子にセーフティが外れてしまう危険性も否定できません。
またメンテナンスという面からみても、オートマチックはそれなりに気を使わなくてはなりません。
長時間の装弾状態によるマガジンスプリングのヘタリや、汗、湿気によるマガジンやスライド、バレルなどの内部パーツ類の錆びなどが当然出てきますので、定期的なメンテは当然必要となります。
特にマガジンスプリングのヘタリやマガジン本体の錆び付きは装弾不良を引き起こしますので、特に気を使わなくてはなりません。
アフガニスタンに駐留している米軍兵士は任務から帰還した時点で、直ぐにマガジンから弾を抜き、マガジン内に入り込んだ細かい砂を払い落とし、常にマガジンスプリングのテンションに気をくばっている。という記事を読んだことがあります。
マガジンのメンテナンスはオートマチック生命線とも言える訳です。
当然リボルバーもメンテナンスは必要なのですが、多数のステンレスモデルが市場に出回っていますので、オートほど気を使う必要はありません。
たまにハンマーやトリガー周りのパーツにガンオイルをスプレーしてやる程度で、十分に性能を維持できるわけです。

  
次に有効と言えるのは、マグナム弾のように強力な弾を撃てるリボルバーが数多く存在し、また複数の種類の弾を撃てるという点ですね。
定められた弾しか使えないオートマチック、とは対照的に、リボルバーは色々な弾を選ぶ事も出来ます。
例えば最もポピュラーな357マグナムリボルバーを例に取ってみましょう。
マグナム弾以外にも38スペシャル、38スペシャルプラスP、クリップを使えばオート用の9ミリパラ、380ACP等ジャミングに無縁なリボルバーはシリンダーに納められるサイズの弾であれば殆どの種類を撃つことが可能です。
また、ちょっと変わったリボルバーには41口径の弾と共に410ゲージの散弾を撃つ事も可能なガンも存在します。
この事は、ハンター達がサイドアームとして、また渓流釣りをやアウトドアを趣味とする人たちがトレイルガンとして愛用している事実からも伺ます。
オートと違って日常生活に携行するには、リボルバーは非常に使い勝手がいいのです。
例えば射撃の練習やプリンキングで遊ぶなら、反動の少ない38スペシャルの軽量弾を。
毒蛇の多い土地なら、最初の2発はスネイクショッと呼ばれるハンドガン用の散弾を装弾しておく。
普段は対人用に38スペシャルプラスPを装弾しているのだが、明日は鹿狩りに山に入るので357マグナムの重量弾を持っていこう。など、ガンが日常生活に密着しているアメリカ人にとって、一丁で何役もこなせるリボルバーは便利な道具であるわけです。
逆にオートマチックは弾を選ぶガンであり、9ミリパラなら9パラのみ、45ACPなら45APC以外の弾を装弾することは出来ません。
自分で弾をリロードするならパウダーの量を多少調整してパワーを上げたりすることは可能ですが、ガンのフレームに負担がかかる事となり、また無闇にパワーを上げると精度にも影響が出ます。
逆にパワーを落とすとジャムを乱発することとなり、使い物にならなくなります。
普通に市販しているアモですらガンの破損事故を嫌い、パウダーを減らしているためにジャムを起しやすいメーカーの弾もあるくらいです。
オートは弾に対しては神経質なガンであるとも言えます。

その点、構造上シンプルなリボルバーは弾を選びません。
マグナムリボルバーであれば、人間が射撃できる限界まで弾のパワーを上げる事も可能であり、現在はオートで追従不可能な領域にまで踏み込んでいます。
9ミリや45ACPの連射がオートの御家芸ならば、357Mag、44Mag、そして使いこなせる人間が限られてくる460ルガー、454カスール、500ラインバー、そして最強のコマーシャルアモ、500スミス&ウェッソンなど、マグナム弾の多彩さはリボルバーの独壇場と言えますね。
その破壊力と共に強烈な反動が伴うわけですが、アラスカのように熊を始め大型の肉食獣の天国のような国では、ハンターやガイド達がセルフデフェンスの為に当たり前に所持しております。
昔、自分の友人がトーラス社製のライジンングブルという大型のハンドガンを撃った時の感想を聞いたことがありますが、「とんでもない反動だ、手がバラバラになりそうだった」と言うような話をしておりました。
その彼は、観光のついでにちょっと撃ってみる。というレベルではなく、アメリカ中西部などのガンフェスティバルに足を運び、キャリバー50から各種ライトマシンガン、果てはミニガンから大戦中の対戦車砲まで、撃てる物なら何でも撃ってくるといったツワモノです。
熟練の経験者がそんなことを言い出すようなガンですから、とうてい素人には扱いきれるような代物ではない事は確かでしょう。


使用している弾は454カスール弾、近距離であればヒグマですら致命傷を与えることができる、最強の口径の一つです。
ただし、その手がバラバラになりそうな反動を押さえ込んで連射し、動き回る肉食獣のバイタルパートを正確に破壊しなくてはならないのです。
更に四足動物は、内臓が見かけ上人間とは全く違う位置にあり、またヒグマの巨大な前足が邪魔をして、心臓や肺、横隔膜などの中枢部に銃弾を直撃させるのは至難の業となります。
熊が気が付かない遠距離からライフル弾を当てるのとは、全く違った技術が必要となるのです。


ちなみに熊の王国である、アラスカでのヒグマの平均体重は400キロにも及び、コディアックヒグマと呼ばれる大型種となると800キロ以上にも達するようです。
後ろ足で立ち上がれば体長は3メートルに届く、まさにモンスターです。
何かの拍子に熊の怒りが爆発し、体中にアドレナリンがみなぎった状態では44マグナム弾ですら殆ど無意味です。
ましてや9ミリや45ACPなど怒りの炎に油を注ぐだけのことであり、最後の一発は自分に向ける事になります。

何か虫の居所が悪く、機嫌が悪いコディアックヒグマとブッシュの中でバッタリと遭遇してしまった場合、至近ではライフルのボルトを操作して構える余裕などありません。
おそらく自分だけではなく、熊も目の前にいきなり現れた人間に驚くことでしょう。
こちらにピタリと視線を向け、怒りの咆哮を上げる圧倒的な巨体を前に、全身の毛が逆立ち、絶叫を上げながら回れ右をして逃げ出したくなるはずです。
しかし、この一瞬を無駄には出来ません。
文字通り、己の生死を分ける一瞬なのです。
一挙動で2キロにも及ぶ巨大なハンドガンを抜き放ち、巨体の中枢部に向けてトリガーを引き絞るだけです。
もしかしたら両手でガンをハンドルする余裕すらないかもしれません。
こんな絶望的な状況下ではスライドを操作するとか、セーフティレバーに指を伸ばすとか考えている余裕など微塵も無いのです。
シリンダー内の全弾を撃ちつくし、熊が倒れるか逃げ去ってくれればこちらの勝ち、ひるんだ様子も無く飛びかかってこられたら、間違いなくあなたの人生はそこで終わりです。
有る意味究極のCQBと言えるでしょう。
大型肉食獣相手のCQBなど、どこのコンバットスクールでも教えてはいないでしょうし、人間相手の生温いコンバットとは比べ物にならないと自分は考えます。
相手が人間なら、相手の説得を試みるとか、何かのアクション映画のように一瞬の隙を付いてハンドガンを弾き飛ばすとか、素晴らしい反射神経で銃弾をかいくぐって敵を倒すとか・・・それなりに考えも及ぶのでしょうが、熊に限らず、怒り狂った大型の肉食獣相手では何一つ通用しません。
内臓を引きずり出されて、生きたままむさぼり食われる前に、最後の一発を自分の頭に撃ちこむ余裕があれば、大変な幸運であると言えるでしょう。

このような状況を想定した場合、皆さんはオートマチックとリボルバーのどちらを手に取りますか?


トレイルガン

トレイル(Trail)とは山中の小道といった意味があります。
つまり自然の中に分け入って行く時に携行するガンを指してこのように呼びます。
特にこれがトレイルガンだ。と言うような規定はありません。
自分が携行できる重量と自然環境を想定してガンをセレクトすることになります。
危険な肉食獣と遭遇する可能性の高い環境では当然大口径のガンを携行する事となり、逆に設備の整ったキャンプ場に遊びに行く程度なら22口径のガンでも事足りるでしょう。
車両での移動がメインであるなら、ショットガンやライフルも携行可能となるわけです。

とは言ってもこれはアメリカや海外でのお話です。
ここ日本では、このような理由でガンを携行することは法律上一切許されてはいません。
自分のように山中や人気の無い森林などにポツリと1人でいるような人間には、ちょっと勘弁して欲しい法律でもあります。

例えば、八甲田山の山中などで何か問題がおきて110番に連絡できたとして、携帯のGPS機能が使えれば位置を知らせることは何とかはなりますが、到着までに数時間を要するようでは、あまり意味がありません。
日本では人間に危害を及ぼす大型の獣は熊とイノシシくらいしか生存していませんが、毎年のように山菜取りや山登りの人間が獣害に遭遇する事件が報道されています。
つい最近、平成28年には青森県と秋田県の県境で山菜取りに入った男女4人が死亡、3人が重症と言う、複数のツキノワグマによる凄惨な獣害事件が起きております。
そのうち1頭は射殺されましたが、襲撃に加わった熊たちは生存していると現在も想定されているのに、いまだ山菜取り、たけのこ取りという理由で当たり前のように多数の人間が山に入っています。
先週自分はその近辺、秋田と青森の堺を移動していましたが、未だ規制線が張られ、熊の注意を喚起する看板等が多数見受けられました。
冬に向けて道路を整備しているの工事業者の現場事務所なども幾つか見かけました。
こんな所で作業をする業者の方々のご家族などは、心中穏やかではないでしょう。

ちょっと変わった事件では、八幡平にあった熊牧場と呼ばれる施設から6頭ものヒグマが脱走し、餌やリに訪れた飼育員の女性二人が亡くなるという悲惨な事件がありました。
熊や施設の管理がずさんであった為に起こった事件で、飼育場の塀付近にたまった雪山を熊が乗り越えて脱走してしまった事が原因で起こった事件であり、この事件をテレビで見たときには、なんとも言えない複雑な心境であった事を覚えています。
結局は脱走した6頭が射殺され、熊牧場は閉鎖されて残った熊たちは他の施設への移送が決まったと聞いています。
どちらの現場も自分が良く行く付近であり、熊牧場などは真ん前を何度も通ったことがあります。
この事件は平成24年と比較的最近のことです。
このような獣害事件に興味があるならちょっと調べてみてください。
大の大人ですら身震いするような、凄惨な事件が複数出てきます。
自然の驚異に対して、人間の力など全く無力であることがお分かりいただけるかと思います。
この事件が示唆するものは、危険な野生動物が存在しない都市圏でも獣害事件が発生しうる事を示しています。
今年連続で上陸している、大型の台風や集中的な大雨などで動物園等の施設が損傷を受けるようなことがあれば、同様の事件が発生する可能性は十分に考えられます。
大災害の真っ只中で、逃げ出した大型肉食獣を追跡捕獲するなど到底不可能です。
このような特異な例に限らず、山からあふれ出した野生動物が人間を恐れる事無く街中のゴミを漁ったり、畑を荒らす被害が続出していることは皆様も耳にした事があるはずです。
いつか・・・いつかは街のど真中で人間が熊に襲われるような獣害事件が発生するのでは・・・というのは考えすぎでしょうか?
それと、残念な事ではありますが、自然の中ですら、最大の脅威は人間そのものなのです。
ありえないような場所での人間との遭遇。
それは最大限に警戒すべき状況だと自分は考えます。
登山や山菜取りには到底見えないような格好で深い山中に1人でいる人間。
自分も幾度か見かけたことがありますが、こちらをじーっと見つめる者、あるいは全く目を合わせようとせず、無表情のまま地面を見つめている者。
いずれにせよ、到底友好的な雰囲気ではありませんでした。
山の中では遭遇したくないモノのトップが、得体の知れない「人間」です。



実は今日(11月初冬)、ほんの数時間前に十和田湖周辺の山奥に入り込んでいました。
16時過ぎの夕方でしたが、たまたま以前目をつけていた林道の入り口がある事に気が付き、よせばいいのに、そちらに向けてハンドルを切ってしまいました。
林道ですから通常のマップには道は表示されません。
どのくらい深いのか、どこに抜けるのか全く不明です。
グーグルマップでちょっと検索しましたが、情報は出てきません。
まいったなぁ・・・・
なんて考えつつも戻ろうとはしないのだから困ったモノです。





途中に閉鎖の看板もなく、道も比較的整備されていたので渓流沿いの未舗装路を進みましたが、途中でロープが張られ進入禁止の看板がぶら下がっていたので、しかたなく来た道を引き返し、途中の分岐路を行くかちょっと悩みました。
渓流のうえに、ようやく車一台分の細い橋が架かっており、その橋がジープの1.5t強の車重に耐えられるのか不明なのです。

確かに車が走った形跡はありますが、タイヤ痕から推測するに軽トラの可能性が高く、また橋の手前がどろどろのヌタ場でオマケに30センチくらい冠水しているので、進路をずらされると橋から落ちます。
スタックする可能性に目をつぶり、冠水路のど真中でジープを止めてから、慎重にタイヤ位置を合わせ、橋にいらぬ衝撃を与えないようにゆっくりと走り抜けます。
そろそろ暗くなってきた森を抜け急な登りを慎重に進めます、右手は50メーターほど切り立った断崖で落っこちたら粉々になります。
ガードレールなんて物は無く、路肩の強度もまったく保証できません。
ここしばらく大雨が降り続いていたので、もろくなっている事は確かでしょう。
左側も岩山の急な斜面で、何かが落ちてくるには絶好の地形となっています。
じんわりと嫌な汗が背中ににじんできます。
早く、早く!とせかす心臓をなだめ、トランスファーをスーパーローに切り替え、2速アイドリングでジリジリと前に進みます。
体感的には人が歩く速度と変わりません。
それでもようやく道が下り始め、数分走るとちょっとした空き地で道は途切れて、その先には人口の滝が出来ていました。






小さなテント一つくらいは張れる程度の中洲と、周辺には殆ど人の手が入っていない自然のままのロケーションにしばらく見入った後、滝の音に耳を傾けつつ、コーヒーを飲みながら一息ついていました。
長距離の運転に疲れた身体には、冷たい外気が気持ちいいのです。
ガサッ
左手の斜面から聞こえた、何かが動いたような音に思わず我に返ります。
「そう言えば、この辺りはマズイ所だな・・・」
とある可能性に考えが行き着き、疲労で半分霧がかかっていたような思考が一瞬でクリアになりました。
夕方というのは動物たちが水を飲みに沢に下りてくる時間帯なのです。
一挙動で車に引き揚げ、ヤブこぎ用のナタを手元に引き寄せ、双眼鏡で付近の様子を慎重に探ります。
サバゲで鍛えられたブッシュの中の敵を見通す目と、ハンターだった父に連れ添った経験だけが頼りです。
5分ほども周囲を探った後、表に放り出してあった椅子とコーヒーを車に放り込み、最後に周辺を見渡します。






フラッシュの反射で腕時計の時間は確認できませんが、すっかり薄暗くなっていることはお分かりいただけるかと思います。
あと30分しないうちに、ここは人口の明かりなど一つとして存在しない真の闇に包まれます。
おそらく、周囲7~8キロ四方には人家など存在しないでしょう。
何か命に係るような問題がおきても、誰かに助けを求める事は一切出来ないのです。
たとえ熊に襲われようが、橋から車が転落し、移動手段の無いまま山に取り残されようが、全て自分の責任において対処しなくてはなりません。
こんな状況に追い込まれたとき、自分の身を守る手段が「無い」というのは心細いというだけではなく、生存方法の選択に大きな制限がかかる事になります。
もちろん、殆ど1人で行動している自分は、考えられるだけの装備を車に積んで移動しています。
ジープは元々軍用のトラックなので、いかに荒野の中を走り回ってもなんという事もない車です。
更には20リッターの予備燃料と2日分程度の食料と水、季節に合わせた車中泊セット、ロードマップにレンザテックコンパス、複数のワイヤーとロープ、ハンドウインチ等、何があっても困らないだけの装備だと考えています・・・
しかし、ここには「ガン」だけは無いのです。
もしここに一丁の12ゲージショットガンがあったなら、あるいはマグナムリボルバーがあったなら、自分の考える選択肢は大きく変わってくるでしょう。
たとえ途中の川が増水して橋を通れないとしても、何一つ問題ありません。
先程の場所に戻り、さっさと野営の準備をするだけです。
ロープと空き缶を使った警戒線を周囲に張って、不意の侵入者を防ぎます。
後は小さな焚き火を造り、その明かりの中でウインナーと卵を焼いて晩飯を腹いっぱい食べ、軽く炙ったサラミソーセージ片手に星空を眺めながらバーボンを美味しくいただきます。
そんな時、自分の脇に立てかけてあるレミントンのショットガンと腰のスミス&ウェッソンのリボルバーがどれだけ頼もしく感じるか、皆さんにも想像が出来るのではないでしょうか。
辺りを見回しても何一つ見えない真っ暗闇の中でも、この2丁のガンが持っている圧倒的な制圧力は、何者をも恐れることの無い安心感をもたらしてくれるはずです。
大あくびが出てきたら軽く周囲を片付け、身を軽くしてからジープの荷台に敷いた柔らかなエアマットに身を横たえるだけです。
357マグナムリボルバーを枕の下に突っ込んでからランタンの灯りを落とし、意識を緊張から切り離します。





上の画像は、スミス&ウェッソンのM327PCと言う357マグナムリボルバーです。
携行性に優れた2インチバレル、M29用のNフレームに8発の357マグナム弾を装填できる大型のシリンダーを組み合わせたモデルです。
まるでブルドックの顔のような寸詰まりの、愛嬌のあるガンですが、強力なマグナム弾を8発も装弾できるわけですから、158グレイン以上の重量弾と組み合わせれば、中型の野生動物相手にも十分なストッピングパワーを発揮できるでしょう。
ただし、グリップが小さくてマグナム弾の反動に耐えられそうにないのでアメリカのボーグ社製ラバーグリップに交換してあります。
実に良く手に馴染むので、ドロースピードも上がり、命中率の向上も期待できます。






次の画像は皆さんもフィールドで見たことがあるかもしれません。
最もトラディッショナルな、レミントンM870スライドアクションの12ゲージショットガンです。
マガジンチューブを延長して6+1=7発の装弾数とストックに5発のレディシェルをキープできるような仕様にチューンしてあります。
有事のさい、とっさにガンだけを握って飛び出したような状況でも12発以上の弾を携行できるので、大体の事には対処可能でしょう。
更には増えた装弾数でフロントヘビーに崩れるバランスを緩和する効果もあります。
また、シングルポイントのスリングが使えるように、ストックにスリングアダプターを取り付けてあるので、対人戦闘にも対応可能です。

自分的にはこの組み合わせがトレイルガンとして理想的な形態ではないかと考えます。
肉食獣を寄せ付けず、狩猟から不審者の襲撃にまで幅広く対応できるうえ、弾もパーツもどこででも手に入ります。

また、このようなトレイルガンには、長物のガンもオートよりもポンプやレバーアクションのような一世代前のガンのほうをお勧めします。
例えばM4やAKのような連射性に優れたアサルトライフルでも、チャンバーが空の状態では、装弾するためにはどうしても射撃姿勢を崩さなくてはなりません。
その点ポンプやレバーの場合、作業中に異変を感じた時など、ガンを手に取り、照準した状態から一挙動でローディングが可能です。
これは、常にチャンバーを空の状態で携行できるという安全上の大きな利点の一つです。

自分もこの2丁を手に、自由に気の向くまま野山をトレッキングしてみたいものです。
まぁ、夢で終わるのでしょうね。


今年も早いもので、あとひと月ほどで令和という新年号1年目が終わります。
今年は台風や大雨など気象災害の多い年でありました。
秋や春といった季節が短くなり、暑いか寒いかといった季節の極端化が進んでいるようです。
様々な地球環境の異変が確実に進んでいる証拠なのでしょう。
このような異変を引き起こしている張本人である人類が根本的に考え方を改めない限り、いずれ地球人類に致命的な変動が訪れるのでしょうね。
皆様も災害に対する備えだけは怠らないでください。

では、また。

































  
  
  
  
  
  

  





  


Posted by TALON  at 00:44Comments(0)

2019年02月17日

スポーツとしてのサバイバルゲーム

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年も、チームブラックタロン並びに当ブログをよろしくお願いいたします。

寒いですね。
今年の冬は暖冬だ。などというニュースを去年の秋の終わり辺りに耳にしたような気もしますが、自分的には暖冬とは感じていません。
確かに暖かい地方もあるようですが、北海道などは厳しい寒波が訪れていますし、この北東北の地でも寒風に身を竦めております。
12月から雪解けの4月中ごろまでは屋外でのチーム活動は休止中、屋内のみの活動となってしまいますが、ミーティングや戦術講義、またシーズン中に身についてしまってたおかしなクセを矯正してみたりと、ある意味重要な時期でもあります。
短い東北のシーズンに、足踏みしている余裕などありません。
今期も思いっきり戦って、満足のいく結果を残しましょう。
そのためにも、知識、技術、体力を常に向上させることです。
コタツの中でみかんを齧りながら、寒い・・・などと言って縮こまっている余裕などありませんよ。
来たるシーズンに向けて準備万端整えましょう。


今回はスポーツとして見るサバゲの側面を考えてみましょう。

自分の考えではモニターを見ながら指先で遊ぶモノをゲーム。リアルに肉体を使って遊ぶモノをスポーツであると認識しています。
どちらも楽しいモノではありますが、ゲームは精神的な娯楽、スポーツは肉体と精神双方の娯楽であり、楽しむためには自分の身体を使わなければならないスポーツと、指先だけを使えばいいゲームとの大きな違いはそこにあるわけです。
戦闘装備を身につけて野山を駆け回り、銃撃戦を展開するサバゲは、当然スポーツの範疇となるわけですね。
勝敗など全く気にしないと言うなら話しが別ですが、団体戦というスポーツであるサバゲに参加する以上、肉体を鍛え、技術を向上させる努力は当たり前に必要であるという認識が必要です。


ではサバイバルゲーマーとしての有効な肉体機能とはどのような物でしょうか?
まずは自分の体の能力がどの程度の物であるか、正確に認識する事から始まります。
何か他のスポーツを楽しんでいる方々はある程度自分の体力を自覚している事でしょう。
逆に何の運動もしていない人間には、自分の能力など全く分からないはずです。
この状態でいきなりハードなゲーム展開に突入してしまった場合、興奮によって自分の身体の限界を超えてしまっている事に気が付かず、体に故障を起したり、転倒による怪我、熱中症や急激な疲労による昏倒など非常に危険な状況に陥りかねません。
特に両足の関節の故障や筋肉、靭帯、腱の故障は治療が長引く事が多く、骨折やアキレス腱の断裂などとなると、入院生活を強いられる事になってしまいます。
このような事にならないよう、ゲーマーとしてしっかりした肉体作りを視野に入れた運動を心がけましょう。

自分の経験から言わせていただければ、サバゲーマーに必要な肉体機能は、
1.持久力
2.回復力
3.適応能力の高い肉体機能
4.関節の柔軟さ
5.バランス感覚
6.視力、聴力、嗅覚などの感覚能力の高さ
この6つが重要であると考えます。

順を追って説明していきますが、自分はスポーツ生理学などの専門分野を学んだわけではありませんので、あくまで参考程度と考えて頂いて結構です

1.持久力
簡単に説明すると、身体が要求される能力をどの程度維持できるかという目安です。
持久走という概念で考えていただければ分かりやすいでしょう。
どのくらいの距離、時間を走り続けていられるかという事ですが、当然サバゲにもこの能力が必要で、持久力の高い人間ほど安定して一日のゲームを続けられるという事になります。

2.回復力
ボクシングなどの格闘技はラウンドごとにインターバルタイムが入ります。
サバゲも15分のゲーム後には10分の休憩といった具合にインターバルが入ります。
最もゆっくりと休んではいられず、弾やガスの補充に水分の補給、新たな作戦の指示など忙しい10分間となります。
これらをこなしながら自分の体力を回復させなくてはなりません。
これもただ休んでいれば良いという物でもなく、その方法や回復力には個人の能力が大きく係ってきます。

3.適応能力の高い肉体機能
筋力、心肺機能、持久力のバランスが取れた肉体機能はあらゆるスポーツに有効なことは言うまでも無い話ですが、自分の場合はこのような機能とプラスしての適応能力という認識です。
恥ずかしながら自分の身体を例に取って簡単に説明します。
常に心がけているのは、右手で出来る事は左手でもできるように訓練している事です。
利き腕ほど器用ではありませんが、左手で刃物も扱えるし、箸を使ってご飯も食べる事ができます。
左右の握力は等しく40キロ、左腕は持久力に優れ、右腕は瞬発力の高い筋肉のセッティングとなっているようです。
左右の腕で均等に物を扱えるという事は、当然ガンの取り扱いにも大きく影響してきます。
そういう意味合いにおいて両腕両足、更には両目を等しく扱えるようにしましょう。

4.関節の柔軟さ
どのようなスポーツにおいても柔軟な身体は必須です。
関節が柔らかくなる事で関節の稼動域が広がるので、身体を動かす動作が楽になり疲れにくくなります。
また怪我や故障を起しにくくなり、基礎代謝も上がるため痩せ型の体質に変わっていきます。
血行も改善されるため、疲労回復が早くなるといった副次効果もあるようです。

5.バランス感覚
バランス、平衡感覚が優れている人ほど身体を無駄なく素早く動かす事ができます。
バランス感覚の優れた人間は、自分の体重の重心位置を無意識に操る事が可能であり、何かにつまづいた時でも簡単に体勢を整える事ができます。
昔最初に武道を教わった時、師範に言われた事は「手足を操るのではない、自分の体重を自在に操る事を覚えなさい」と言われた事があります。
まさにその通りでした。

6.視力、聴力、嗅覚などの感覚能力の高さ
この3つの感覚器官は索敵能力に直結します。
特に目と耳は最も重要なのは言うまでもありませんね。
但し、サバゲにおいての目と耳の重要さは少しばかり意味合いが違います。
確かに視力聴力が優れ、遠くの物が良く見え、小さな物音が良く聞こえることは有利な事となりえますが、これだけでは宝の持ち腐れです。
BDUに身を包んだ敵影をブッシュの中で索敵するには、ほんの僅かでも自然の中の違和感を見逃さない注意力が必須です。
この注意力+感覚器官が連動する事が優れた索敵能力に繋がっていきます。
また、意外と感じるかも知れませんが、嗅覚も欠かせないセンサーの一つです。
皆さんも風向きが変わったりフラッグ周辺で一瞬タバコやコロン、制汗スプレーの香りを感じたことはありませんか?

この6つを心がけて過不足のない身体造りを心がけてください。
但し、最初から身体に強度な負荷をかけるようなマネは謹んでください。
いきなりきつい運動を始めても身体が故障するばかりでなく、精神的にも無理がかかるので、長く続ける事が困難になってしまいます。
例えば走るにしても、事前に必ず準備体操で身体をほぐし軽く身体が温まってから、ゆったりと走り出し、心肺の調子が整ってからペースを上げていきます。
息が続かなくなったらペースを落とし、また走るという運動を繰り返します。
あせることはありません、身体が走るという運動に慣れていけば、そのうちに幾らでも走り続ける事が可能となります。
モチベーションを下げないために、走るコースや時間を変えてみたり、スポーツシューズを新調してみたりすると、走るという単調な行為にも弾みがつきます。
どの程度の頻度で運動するかで違ってはきますが、早ければ2ヶ月、遅くとも3ヶ月程度も走り続けられれば、驚くほど身体が軽く感じられるはずです。
当然その恩恵はサバゲフィールドで大きく現れてきます。
まず、装備の重量を余り感じなくなるでしょう。
スタートと同時に最前線に走り出したとき、他のメンバーたちに比べて簡単に先んずることが出来ます。つまり好きなバリケードやポジションを取り放題という事です。
敵側から見れば敵の前進速度の速さと言うのは大変な脅威となります。
予想外に早くポジションを取った敵に銃撃されれば、味方の足が止まってしまいます。
思うように展開できない状況での交戦を強いられ、機動力を活かせなくなります。
後は簡単です。
自分が指揮官ならチームの打撃力を左右どちらかに移動させ、密集状態の敵を十字砲火の中心に追い込んでいきます。
後は侵攻の邪魔となる敵を排除して、フラッグまでの通路を空けるだけです。
別に全滅させることはありません。
必要な敵とだけ交戦し、ごく少ない戦闘でフラッグまで侵攻できるコントロールエリアを一時的に確保できればいいのです。
但し、迂回挟撃とは諸刃の剣であり、そのリスクを十分に理解しての指揮を忘れない事です。

また話しが逸れてしまいました。
戻しましょう。
たまに勘違いしている人がいますが、一昔前のアクション映画のヒーローのような身体は、けして兵士の身体ではありません。
必要以上に多すぎる筋肉は逆に敏捷性を損ねます。
また筋肉が消費するカロリーや酸素量も多くなっていくので持久力に難が出てきます。大きく張り出した大胸筋に邪魔されて、両腕の稼動範囲に制限がかかり、更にチェストリグなど着けようものなら、足下がまったく見えなくなってしまいます。
大きな身体は必然的に被弾面積が大きくなり、身に着ける装備で更に膨れ上がるのです。
自分の体格に見合った必要な筋肉だけを鍛えれば、それでいいのです。
各国の特殊部隊系の兵士は、皆細鞭のように締まった身体をしている事からもお分かりいただけるかと思います。

仕事や私生活が忙しく、時間など取れないという方達も沢山いらっしゃるかと思います。
しかし、たった15分あれば近所を一周走ってくる事は可能なのです。
例えば、自分は会社の駐車場から入り口までの100メーターほどを出勤時に走ることにしています。
慣れてしまえば息一つきれることも無く、普通に会社の中に入っていけます。
休日の朝はいつもの時間に起きて、トイレで身を軽くした後、軽く腹筋運動と柔軟体操、身体が発汗し始めたら近所の公園に走りに行きます。
高台にある公園で木々に囲まれ、新鮮な酸素を補給しながら5週ほど走り、冷たい水を飲んで熱くなった身体をクーリングしながら歩いて自宅に帰ります。
そのままシャワーを浴び、腹ペコになったお腹に朝食を詰め込んで、部屋でくつろぎます。
疲れていればそのまま一眠り、ゲームや何かの予定があれば、装備を車に積み込んで出発です。
また、何か問題があり中々解決できない時等、考えを整理したい時も走りに出たりします。
部屋でひたすら考え込んでいるよりは、全く関係ない事をしている時のほうが、考えが上手くまとまったり良いアイデアが浮かんだりするものです。
また新鮮な酸素が体中を駆け巡るため頭のキレも良くなるようです。
どうです。
走るという、ただそれだけの退屈な行為が、何か魅力的に見えてきませんか?
部屋の中でろくに瞬きもせずにひたすらゲーム画面とにらめっこしていても、血行不良と酸素不足によるぐったりした疲労感と眼球の奥に鉛でも突っ込まれたような重い鈍痛が残るだけで何一ついい事はありません。
更に喫煙の習慣のある人は興奮による喫煙量の増加で、一酸化炭素とニコチンタール等の有害物質で一生懸命内臓器官を痛めつける一日となるだけです。
まずは会社と自宅を往復するだけという退屈極まりない生活習慣から抜け出す事で、次に繋がる一歩を踏み出しましょう。
サバイバルゲームの最大の魅力は、仮想とは言え最前線での戦闘空間に身をおくことです。
一発の被弾で即ゲームからの脱落というシビアな環境下での交戦は肉体の能力と判断力、そして精神の集中という要素を全て組み合わせなくては生き残れません。
このようなスポーツを趣味とするなら、平凡で退屈な日常から一瞬で抜け出せるよう常に準備しておく事が精神の弛緩を防ぐ、一つの手段であるとも自分は考えます。

そして、最も重要と考えるのは精神力です。
あらゆるスポーツにおいて、最後にモノを言うのはこの精神力であります。
いかなる競技であれ、トップに上り詰めていく人間は強固な精神力を持っています。
またこれなくしてはプロの選手としても、続けていくことは不可能でしょう。
あらゆる事に挑戦し、少しでも己の能力にプラスとなる事であればそれを貧欲に吸収していく姿勢は、プロ選手などのインタビューでもよく伺えます。
好きだ。楽しい。カッコイイ・・・だけでは到達できない世界です。
今のところサバゲのプロという話は日本では聞いた事がありませんが、もしゾンビ問題を完全に解消できるような技術が開発され、将来的にプロリーグ発足などという事になれば、現状のサバゲ業界に一大革命が起きる事でしょう。
有料フィールドの経営方針、サバゲチームの在り様など、大きな変化に見舞われることは間違いないはずです。
プロを目指していく集団と、それ以外の集団という二極分化が始まり、フィールドやチームもどちらかを選択しなければならないような状況と変わっていくはずです。
もし、もしもです。
そのような未来が起こりえないとは、誰も言い切れないのではないでしょうか?
その時あなたはどちらを選びますか。

何がどうであれ絶対に勝ちに行く。という強い意思と、それを現実とするための知識、技術、そしてチームの仲間達を信じる事が、勝利を得るためには何よりも必要であると自分は認識しています。
そのためにもチームのメンバーに見放されないよう、なんとか体力と技術は維持して行きたいものです。
そうすれば、このポンコツ気味の身体も、あと数年はサバゲを楽しむことが出来るでしょう。

最後に、これは蛇足なのかも知れませんが、すべてのスポーツに大きくかかわってくるのが個人の資質であります。
適性という言葉に置き換えると分かりやすいのではないでしょうか?
つまりはその人間の肉体的な能力、考え方、判断力などが現状にマッチしているかということです。
皆様も自動車免許を所得する時に教習所で、運転適性なるペーパーテストを受けた記憶がありませんか。
一トン以上もある車を安全に運行するには、適切にハンドル、ブレーキ、アクセルを操り、30キロ~60キロのスピードで移動させるため、周囲の状況を常時正確に判断し、数秒から数十秒先を予測していくという能力が必須です。
そのためには、自分の操る車の能力やクセ等を熟知している事。前方だけではなく、ミラーや直接の目視によって周囲の状況を正確に理解する能力。道交法を正確に把握し、標識や信号の指示するとおりに車を操作し、何よりも交通の流れに沿った運転を心がける事が大事です。
これらのどれかがかけると、円滑な運行を妨げるばかりか事故を誘発しかねません。
ある意味サバゲも全く同じであると言えます。
敵フラッグを落とすという目標に向かって各自が与えられた役割をこなす事、お互いの死角をカバーし合い、最小のリスクで障害となる敵を排除していかなくてはなりません。
ろくに作戦内容も聞かず、自分だけが楽しめれば後はどうでも良い。というような考え方ではチームに迷惑をかけるばかりで、数メーター進むことすら困難になっていきます。
車の運転もサバイバルゲームも多数の人間との係りの上に成り立っているものです。
自己完結的な考えでは、けして通用しないのが、団体競技の基本であるとも言えます。


去年の暮れに、初めてお会いしたチームと交流戦を楽しむ機会がありました。
前日から雪が降り積もり、当日は寒風吹きすさぶ中、遮蔽物の殆ど無い林の中の戦いとなりました。
積雪に足を取られて、いつもの機動力を活かせず、また遮蔽物がないのでブッシュ戦のスキルも通用しない状況で、人数的にも先方が有利という状況下での交戦など、チームとしても初めての戦いでありました。
当然、全く駆け引きの無い正面きってのガチンコの撃ち合いとなる訳ですが、なんとか恥かしくない程度の戦績を残すことができました。
これもまた、勉強といい経験となりました。
定まったルールの無いサバゲでは、必ずしもイコールコンディションでのスタートとなるわけではないのです。
このような状況こそチームの戦力を証明する良い機会てした。
いかに有効に火力を振り分けるかが、今後の課題ですね。





以前自分はショットガンマニアである事を少しばかりブログに書いた事があります。
子供の頃に父に連れられ、初めてのクレー射撃場の体験や、様々な獲物を追った冬山での出来事が、鮮明に脳裏に焼きついているためでしょう。
実際50メーター以内であればショットガンの対応力は圧倒的です。
狩猟に使えば、様々な散弾をセレクトできるこのガンは一切獲物を選びません。スラッグ弾を使えば、巨大なヒグマですら狩る事が可能です。
また戦闘においても比類なき面制圧力は、脅威以外の何物でもありません。
そんなショットガン贔屓も手伝ってサバゲでも使いたいのですが、我々ゲーマーが手にするショットガンは1ショット3発~6発が撃てる程度。
飛距離も30メーター程でそれ以上になると散らばりすぎた弾が敵をすり抜けてしまいます。
木の隙間やバリケードから身体の一部が見えていても狙い撃つ事すら出来ないという、御粗末な性能でしかありません。
そこまで分かっていながら、あえてフィールドに持ち込みたくなるのはやはり男のロマンでしょうか。
まぁ愚痴ばかりこぼしていても始まりません。
有るモノをあるように使うだけです。
但しそれなりの戦果は上げなくてはならないので、少しでも性能の向上を図りたいというのも人情です。
と、言うわけで、フロントサイトを取り付けてみました。




御存知の通りブリーチャーにはサイトという物が存在しません。
代わりにレールが付いてはいますがこんなものでは役にはたちません。
ブリーチャーという性格上サイトが省略されていても文句は言えませんが、サイトの無いガンなどガンとは言えません。
安定した射撃を敵に加えるにはどうしても狙いやすいサイトが必要です。
せっかくストックを組み込んだわけであり、そんな理由から良さげなサイトを探しておりましたところ、某大手通販会社でこれを見つけました。
取り付けが簡単で手ごろな値段だったので、物は試しとブリーチャーに載せてみましたが、悪くは無い出来栄えです。
後は実戦で結果を出すだけです。
今年はブリーチャーにキルマークを刻みたいものですね。

では、また。























  


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2018年09月23日

大規模戦にいこう !

こんにちは、MBホーネットです。

いつの間にか暑かった夏も過ぎ去り、徐々に秋が深まってきました。
いまがサバゲに一番良い季節ですね。
食べ物も美味しくてカロリー計算に少々頭を悩ませています。


さて今回のテーマ、大規模戦についてお話してみます。
自分はサバイバルゲームという趣味はスポーツの一種であり、銃撃戦を模した戦闘競技であると認識しています。

近年になり、サバイバルゲームが一気にブームとなり、性別すら問わずに様々な年代層がこの遊びに参入してきました。
参加人数が爆発的に増え、それに釣られるように有料フィールドも増加の一途をたどり、ゲームの内容も色々と変化しているようです。
また、参加者達の目的意識も多様化し、ミリタリーやアニメキャラのコスプレを楽しみたい者や同じ趣味を持つ者同士の交流の場と考える者、
日頃のストレス発散の場と考える者、FPS系のゲームをリアルで楽しみたいと考える者など有料フィールドに集まるゲーマー達の答えは様々なのではないでしょうか。

自分がサバイバルゲームなる物に初めて参加してから、すでに4分の1世紀以上経過しました。
自分が体験した当初のサバゲなど現在のゲームと比べると全く地味なもので、せいぜいが10人から15人程度が参加して、誰も来ないような山奥でひっそりとおこなうようなものです。
当然、電動ガンなんてモノはありません。
ガスやエアーの圧力を利用したユニットで、ホップシステムなんてものも存在しないのです。
射程は現在の電動ガンの半分程度、マガジンは今で言うスプリング式でせいぜい40発程度の装弾数。
背中や腰にデカいタンクを背負い、ガンにはエアーホースが繋がった状態でブッシュに潜り込んで戦うのです。
装備も殆どがナム戦時代の米軍のものであり、他には選びようがありません。
このように、現在とは比べようも無い貧弱な装備で戦っていたものです。
当時の自分が現在の自分を見る事ができれば、その余りの違いにきっと唖然とした事でしょう。
装備も違いますが、一番違うのは当時のゲーム内容でしょう。
まぁ、フラック戦が主流なのは今と変わり在りませんが、当時のフラッグ戦というのは、敵フラッグを奪取して自軍フラッグまで持ち帰らないと勝敗が成立しないという、非常にシビアなモノでした。
ゲームタイムも通常30分が当たり前で、それ以下だと奪取したフラッグを持ち帰ることが難しかったからです。
どのように戦っていたかは皆様の想像にお任せいたしますが、現在の有料フィールドのゲームなどまるで比較にならないほどハードである事は自分が保証します。
当時のチームリーダーが某国軍の出身者で在ったため、少々特殊なチームだったのかも知れませんが、全く無知だった自分に戦い方を手取り足とり仕込んでいただいた事が現在の自分の基礎となっています。
ゲーム内容がハードであったこと、そして今以上にサバイバルゲームという物が楽しかった時代でもあったと、現在の自分は記憶してあります。
現在のサバゲを非難するつもりはありませんが、サバゲを始めた当時、そして20年ほど前に大きなチームに所属していた時、そして発足から10年以上存続しているブラックタロンに至るまで、自分が見続けたサバゲはより手軽で簡単な方向に変化し続けています。
現在のサバゲと何がそう違うのか?
簡単に説明します。
まず、スタート前から戦いは始まっています。
作戦タイムをミーティング形式で取ります。決定次第、その内容に沿ったメンバーの編成でスタートし、移動開始です。
移動といっても現在の有料フィールドのようにいきなり走りだしたりはしません。
ダッシュでの移動が作戦に織り込まれていない限り、基本的には無音行動が基本です。
全周囲警戒態勢での隠密行動でフラッグをめざす、あるいは敵部隊の発見となるわけです。
ポイントマンを勤める二名が侵攻ルートを切り開きます。
前方に異変を感知すれば、すかさずハンドシグナルが送られチョークリーダーが全員に指示を出します。
警戒が解除されれば、ブッシュに沈んでいたメンバー達が幽霊のように現れ、再び静かに移動を再開します。
ポイントマンが何かを発見したようです。先行していた1名が前方のブッシュに沈みました。
前方の警戒に入ったのです。
援護役のポイントマンが地面を指差しています。
何か痕跡を発見したようです。
分隊に警戒態勢を取らせ、彼の元に歩み寄ると、踏み折られた草と数名の足跡を発見しました。
痕跡から移動方向と人数、そしてその目的を考えます。
この敵集団は3名程度の別働隊である可能性が高いと判断しました。
フィールドの端を時計方向に回りこみ、こちらの側面及び後方に回り込んでくる迂回部隊と考えます。
敵主力と交戦状態に入った時にタイミングを合わせて挟撃を仕掛けてくる作戦のようです。
ここで指揮官は判断を下さなくてはなりません。
この状況下で敵主力と交戦状態にはいるのは不利です。たとえ少人数であっても、敵に挟み込まれるのはかなり不利な条件での戦闘を強いられるでしょう。
ヘタすれば全滅ともなりかねません。
しかし逆に考えれば、敵迂回部隊の行動から在る程度は本隊の行動も予測可能です。
敵主力の位置をフィールド中央から左側と予想し、部隊の行動を決定します。
まず、迂回部隊の入り込んできた方向には敵はいないものと予測し、進入してきたルートを今度はこちらが侵攻します。
逆にこちらが反時計回りに移動して、敵主力の後方側面に食らい付く作戦を決定します。
そのまま足跡を追って部隊を素早く移動、タイミングを見計らって部隊を左側に転進させます。
先行するポイントマンに前方と左側面を警戒させて、敵の発見に全力を尽くします。
移動の痕跡を発見しました。
予想よりも近距離に多数の敵影を確認できました。
直ちにブッシュに潜り込んで匍匐移動します。
出来るだけ接近し、諸撃で敵に与える損害と衝撃効果をより確実なものとするためです。
敵部隊の移動が停まりました。
こちらの気配を感じたようです。
そのままピクリとも動かず、敵が警戒を解くまで、地面に顔をくっつけるようにしてジリジリとした時間を耐え続けます。
ようやく警戒を解いてくれました。静かにブッシュの影から敵の動きを観察します。
そして部隊に前方を警戒させ移動を始めた瞬間に全力で攻撃を加えます。
当時のガスガンというのは、今のハイサイクル電動ガンのような高レートの発射サイクルでした。
まるでミニガンのような火力と銃声が敵に向けて一斉に火を吹くわけですから、物凄い事になります。
マガジン3本分の火線をブッシュに撃ちこみ、敵の組織的な反撃を完全に押さえ込んだら、アサルトマン達を更に移動させて敵の側面後方に移動させて十字砲火の中心に敵を追い込んでいきます。
その間我々ライフルマンは銃火を絶やさぬまま横に展開して、銃声がする方向や残敵が潜んでいる辺りを掃討していくわけです。

敵の主力を粉砕してしまえば後は楽なもの。
残った迂回部隊などきつね狩りも同然。

皆さんはこのように考えるのではありませんか?
しかし、この瞬間も迂回部隊が自軍のフラッグに向けて全速力で向かっているのかも知れません。
もしかしたら帰還ルートを予測してアンブッシュを張り、タイムアウトを狙ってくるかも知れないのです。


もちろん平凡な銃撃戦に終始したり、膠着したまま終了を迎えることも沢山ありますが、どのような状況でも必ず打開策を考え実行しようとしてくるので、双方とも気が抜けません。
判断を誤ったり行動をためらって敵側の作戦が完全に決まってしまえば、上に書いたとおり、一撃で不利な状況に追い込まれます。

現在のサバゲとの違いがどこにあるかご理解できましたでしょうか?

自分が最初にやっていた、このようなサバイバルゲームを面白そうと考えるか面倒だと考えるかは個人それぞれでしょうが、皆様が有料フィールドで週末に楽しんでいるサバゲとは、似て異なる物であることはお分かりいただけると思います。
突撃と戦闘のみに主眼をおいた現在のサバゲとは大きく異なり、敵の動きを読んでいかに有利な条件下での戦闘状況を作り出すかが当時のサバゲであった訳です。
したがって、個人に要求されるスキルは現在とは桁違いでした。
まずは基礎体力が全然違います。
リスポーンありのゲームなどになると、ゲームタイムが1時間以上になることも珍しくはなく、ガスやエアーが尽きて戦闘の続行が無理となってようやく終了なんてことも良くありました。
これを1日に2~4回ほどもゲームするわけです。
フィールドに入れば、作戦内容における自分の役割を割り振られるため、ただ単にフィールドを移動するのではなく、移動する時には、音を立てない。草木を揺らさない。意思の伝達はハンドシグナルで。ブッシュの中での索敵能力などは当たり前に要求されます。
更に分隊の尖峰を勤めるポイントマンともなると、移動方向の地形を読む能力と足跡等の痕跡を読む能力まで要求されます。
例えば湿った地面に複数の足跡を発見したとします。
足跡のつま先部分が崩れていれば、ここを走って通過したと判断し、踵からつま先までしっかりと足跡が残っていれば、慎重に移動した痕跡と判断するわけです。
複数の足跡はフルサイズのM16A1を基準として判断します。
20インチバレルのM16は全長が990ミリなので、約1メーターと考え、その範囲内に存在する足跡を数えて2で割ります。
大体15から18名以内であればかなり正確に人数を割り出せます。
また、踏み潰されたり折れている草木、不自然に重なった草や枝などから移動方向を見分ける事も可能です。
敵と交戦状態に入るときも、突然の遭遇戦以外は全てシナリオに沿って進められます。
全員が自分に与えられた役割をこなさなければ、勝てないからです。
アサルトマンは敵の前進を食い止め、ライフルマンは全力で火力を展開してしてアサルトマンの侵攻を援護します。
スナイパーは側面から部隊を援護して敵の回りこみを阻止します。
つまり、チームがチームとして機能することを主眼としてゲームを楽しんでいた訳です。
逆に現代のサバゲでは、このようなスキルは一切必要としません。
スタートしてから一分程度で接敵、即時戦闘になだれ込み、開始から10分ほどでゲーム終了というのが有料フィールドでのゲーム運びとなっていますね。
自分のような大昔のサバゲを知る者にとっては、いささか物足りないわけです。
子供の頃に近所の友人と楽しんだ銀玉鉄砲の撃ちあいと大して変わるところがないわけで、走ってバリケードに駆け込み、敵が見えたら撃ちまくり、敵影が消えてきたら誰かがフラッグを落とすというゲーム展開というのに飽きてしまっている。というのが正直な心情であります。
このように感じているゲーマーは自分だけではないかと思います。
「もう飽きた・・・」というような書き込みをネット上での書きこみでも良く見かけます。
どんなに楽しく感じた事でも、同じことを繰り返すのでは、誰でも飽きてしまうわけですね。

「最近サバゲがマンネリ化して面白く感じない」「もう少し変化のあるゲーム展開にならないものか・・・」
このようにお考えで在るならば、大規模戦への参加をお勧めします。
それも、なるべくハードな展開が予想される大会への参加を考えてみましょう。
有料フィールドで、何かのイベントで参加人数を増やして、というような大規模戦などではなく、何の整備もされていないような未知のフィールドで、近県から様々なチーム、ゲーマーたちを集めて行うような大規模戦があれば、迷わず参加してみるべきでしょう。
最近耳にするようになった、8時間耐久ゲームや離島を貸しきっての24時間サバゲなど、参加するようなチャンスがあれば最高の体験ができると思います。

このようなゲームに参加してその最前線に身を置いてこそ、本当のサバイバルゲームの面白さと辛さを同時に味わう事になります。
まぁゲーム内容でいささか違いであるのかも知れませんが、今までのゲームとは比較にならないほどの緊張感と興奮、自分ひとりでは何も出来ない非力さと援護してくれる仲間の大切さ、そのほかにも今まで意識した事の無い様々に状況にあなたを追い込んでくれることは間違いないでしょう。。
ここでは今まで遊んでいた有料フィールドでのスキルなど何の役にもたちません。
逆に有料フィールドというのはそのような面倒なスキルが必要な状況を可能な限り省き、手軽に遊べるようにしている所が殆どなのでこのような大規模戦では、ちょっとガンの扱いに馴れた素人と大して変わらないということになります。
たった十分間の撃ち合いがサバイバルゲームだ。などどカン違いしているゲーマー達には、全くの未知の世界となる事は間違いないでしょう。

始めての大規模戦参加となれば、まずは装備の面から全面的な見直しが必要となるかと思います。
作戦タイムが長時間に及ぶために、水筒や防虫スプレーやカットバン程度は装備に含めるべきでしょう。
更に足元はスニーカーなどではなく、頑丈なコンバットブーツかトレッキングシューズ、BDUは袖まくりなどせず、グローブでキッチリ指先まで保護し、首から上以外の肌の露出は避けるようにしてください。
当然エルボーやニーパット等のプロテクターは必須です。
また、余りにもフィールドが広大だったりブッシュが深かったりすると、自分たちの進行方向すら怪しくなってくるので、コンパスを装備に含める事も考えるべきでしょう。
意外かも知れませんが、ヒットされてリスポーンポイントに戻ろうとしても、どうやって帰ればいいのか?移動ルートがまったく分からないなんて事も珍しくは無いのです。

以前花巻で行われた大規模戦では、身長よりも高いブッシュが延々と続くというとんでもない場所で、獣道程度の小道が多少在るだけという迷路のようなフィールドでした。
腕時計のベルトにつけてある小型のコンパスが頼りで、装備してあったレンザテックコンパスも、視界がほとんど利かない状況では出番がありません。
数回ヒットされて往復する時のルートの記憶とコンパスだけが頼りという状況下の戦闘では、交戦そのものよりも、最前線に到達するほうが大変なのです。
更に前線を突き抜けて浸透してきた敵スナイパーのアンブッシュが、移動を困難な物にしてくれます。
敵の発見も非常に困難を伴ううえ、発見してもブッシュが濃すぎて弾が通らないのですから、つくづく苦労させられたゲームであった記憶が、今も鮮明に残っています。

このようなフィールドで戦うとなると、戦闘装備も有料フィールドの物とは少しばかり違った物になってきます。
自分の経験上、大規模戦では大体がゼンマイ式の多弾マグは禁止、携行弾数に規定あり、軽機関銃のみ数千発の携行を認める。
初速の規定とBB弾の重量は0.25gまで、シューティングレンズの仕様不可、ゴーグルのみOKでフルフェイスを強く推奨する。
というレギュが一般的なものです。
良く整備され自由に走り回れるようなフィールドで見かけるような軽量装備では、このようなハードなフィールドでは全くの役不足と感じるはずです。
タロンではあちこちに遠征してのサバゲは当たり前なので、かなりヘビーな装備で戦っています。
初めてのフィールドに遠征となると、どのような現場なのか見当もつかない事は良くあることで、それぞれのメンバーが独自の考えで装備を選択しているわけですが、増えることはあっても減らしていく話など耳にした事はありません。
アサルトライフル+ハンドガンは当たり前としても、ライフルのマガジンが6~7本、多い者で10本前後+ハンドガンマグが2本から5本前後、無線装備一式に小物を入れるポーチ類、暑いときはこれに水筒や蚊取り線香などが、夜戦となると更にフラッシュライトが加わります。
プロテクターで身を固めたBDUの上にこの装備を装着するわけですから、全装備重量が何キロになるかざっと計算してみてください。
またマグポーチなどは、値段の安い貧弱なつくりの物では到底持ちません。
ブッシュの中を移動しているだけで、マガジンなどが落下して装備品を失います。
花巻の時も物凄い数の落し物が大会本部に届けられたようですが、実際にはこの倍以上の数の装備品が、あのフィールドのブッシュに眠っているはずです。
当然の事ながら、タロンメンバーで装備を失った者は1人もおりませんでした。
皆さんもポーチ類だけは値段ではなく品質で選んでください。
千円程度を惜しんで4千円近くするPマグを無くしたのでは泣くに泣けません。
また1からポーチの買いなおし、なんて事にもなりかねないのです。
経験の浅いゲーマーほど装備品にかける予算を惜しむ傾向があります。
いかに高性能なガンを手に入れても、ハンドガンが落ちるようなホルスター、弾詰まりが頻発するようなマグを使っているようでは、ろくな戦果を残せません。
ガンの性能などを重視するより、装備品の質を充実させたほうが遥かに効果的である事は、ベテランゲーマーなら皆知っている事です。
ただその事を実際に自分の装備品に繫栄できるかは、また別な話なのです。

次に一番目が行くのは当然プライマリーとなる電動ガンですが、これは個人の考えや戦闘スタイルの違い等から一概に良い悪いとは言えないものが在りますが、基本的に考えるなら、まずストックを省略したようなガンは使い物にはなりません。
確かにストックをカットしてしまえば全長も短くなり、軽くなった分取り回しが有利になり、移動やバリケードの影からの射撃は楽になります。
しかし取り回しが楽になった分、射撃の安定性に大きな問題が出てきます。
本来、両腕、肩、頬と四点で固定して射撃するモノを、両手のみで固定するというのは無理があり、精度に大きく影響します。
ダットサイトやスコープを乗せているから問題ない。
このように御考えの方々もいらっしゃるかとは思いますが、このようなサイト類は射撃精度を手助けするものであって、フラフラと揺れ動くガンの固定には何の役にもたたないという事です。
実験してみてください。
部屋の隅にある何かを、人差し指をガンに見立てて狙ってみてください。
微妙に揺れ動くはずです。
自分の指先すらコントロールできない人間が、両手で持っているガンの銃口をコントロールできるはずも無いのです。
このようなガンではブッシュの隙間に見え隠れしている敵影を狙い撃つことなど至難の技となります。
更にはブッシュの奥の人影が敵か味方か、あるいは草木の絡みついた倒木なのか?、まばたきすら我慢して判別できるまでターゲットをポイントし続ける。などという状況もけして珍しい事ではなく、ストックレスのガンではこのような戦闘状況に対処するには限界があります。
また有料フィールドで必ず見かけるハイサイクルガンは、ブッシュの中の接近戦に突入した場合、不利な条件を作り出しかねません。
確かにブッシュの貫通力に関してはハイサイクルガンは優れてはいますが、その反面けたたましい銃声のため確実に位置バレしてしまうので
周囲の敵に警戒され、最悪は集中砲火を浴びる事になります。
更には弾を必要以上に消費するために、戦闘の継続時間にブレーキがかかってしまうことになります。
逆にブッシュの中をすり抜けてくるセミオート射撃の一発は大変な脅威です。
体験した事がある方々には頷ける話ではないでしょうか。

つい最近、ちょっとした遠征にマルイ製レミントン870ブリーチャーを持ち込んでゲームに望んだのですが、恥ずかしい事にまったく物の役にはたちませんでした。
敵を先に発見し近距離で攻撃したのですが、弾は左上に大はずれ、すかさず反撃を食らってあえなくゲームアウト。また追撃してくる敵の背後に回りこんで1発食らわしたのですが、結果はご想像の通りです。
フルサイズの870よりブリーチャーの方が質感も精度も良いのですが、ストックの無いガンなど、使い物にはならない事を改めて実感しました。
自分などより腕の良いゲーマーが使えば別の結果となったかも知れませんが、そんな凄腕でもフルサイズの870のほうが、遥かに安定した射撃が可能であろう事は否定できないかと思います。

流石に懲りて現在はこのような形になりました。



比較にマルイ製ベネリのショットガンを並べてみました。
全長1020ミリのベネリに比べ770ミリと250ミリも短く、重量は約2.3キロと扱いやすい全長と重さに収まりました。
銃口部とストックパット付近が重く中央部が軽いという変わった重量バランスになってはいますが、扱いやすいバランスといえます。
ただストックがプラなので、接合部にかかる負担に耐え切れるのかちょっと心配ですね。

話を戻します。
最後に必要となるのが、自分の両脇を固めてくれる仲間の存在です。
いつも同じ様な事を書いているのですが、サバゲとは団体競技であると自分は認識しています。
統制の取れた敵集団に個人が散発的な戦いを挑んで、勝てる。などと考えているようでは、いつまでたっても初心者の域を出ることは出来ないでしょう。
自分の役割を割り振られたメンバー達が、どれだけ自分の仕事をこなせるか?
野球やサッカーなどと同じです。
お互いの技術と連携強度の向上を追及する事が、チームの強さとなり、勝利を手にするための欠かせない条件の一つであり、チームとしての能力の向上がリーダーとしての最大の役目であると自分は考えます。



また長くなってしまいました。
しばらくブログの更新をお休みしていたのですが、別にサボっていた訳ではなく、中々良いテーマが決まらず苦戦していたのです。
実は書きかけで止めてしまったブログが二つばかりありまして、投稿寸前に読み返して気に入らなくなって消してしまった物もあります。
次回はもう少し早く投稿できれば、と考えていますが・・・


長らくお待たせいたしましたが、前回のブログで書き込みましたクイズのお答えをしたいと思います。

さて、この問題ですが、単純に考えて前衛と後衛のどちらから攻撃すれば自分の生存率が高くなるのか?。と言う条件を優先に考えてくだされば、皆さんほぼ同じ様な回答に行き着くかと思います。
まず2人を短時間で確実に倒す事が、生存のための必須条件です。
どちらかでも逃してしまえば、敵はブッシュに沈んでしまい、今度は潜伏のバレたこちらが狩られる番になってしまいます。
したがって確実を求めるなら、敵後衛をまず確実に始末しましょう。
言うまでも無く遠い的の方が、物理的に命中率が落ちるわけであり、この敵の胸と頭に確実にダブルタップを撃ちこみます。
そのままガンを振って前衛にも2発撃ちこむ事です。
いちいち敵のヒットコールの確認などせずに、一呼吸で敵を倒す事が前提条件です。
福島の鈴木様の書き込みにありました、近距離での発砲に前衛の敵がどの程度素早く反応するか?という御指摘ですが、仰るとおり驚いた人間の反応速度は遅くなり、また熟練ゲーマーほど銃弾が至近を掠めれば反撃より回避を考えます。
また、掠めた火線の反対側に反射的に回避行動を取る事になるので、撃つ側としては敵の回避方向を限定でき、撃ちやすい的という事になります。
「そんな面倒な事考えてないで、フルオートで2人とも撃ちまくった方が早いのでは?」
このような考えの方も沢山居られるかと思います。
しかし、良く考えてください。
明らかに熟練者と思われる古参ゲーマーが、2人だけで一体ここに何をしに来たのでしょうか?
単なる迂回部隊なのでしょうか?
それにしては数が少ないですね。
自分ならポイントマンである可能性を考えます。
彼ら2人の後方、視界の範囲外に、迂回部隊の本隊が存在していたとしたらどうでしょう。
次の瞬間、敵部隊があなたを一斉に狩り出しにかかるかもしれないのです。
たった一人で潜伏しているあなたの有利な条件は、自分の位置を敵に知られない事に尽きるわけで、決してこの状況を手放さない事です。

このように、成功させる鍵は射撃を加えるタイミングと自分の腕にかかってきますが、毎回条件が異なる状況にいかに対処できるかは、経験と己の考え方ひとつにかかってきます。
なんのスポーツでも同じですが、自分の判断能力と決断力が勝敗には重要となってきます。
ただの一兵士のうちはそれでもいいのでしょうが、見えている敵だけと戦っていてはチョークリーダーなど務まらず、部隊を有効に動かす事など出来ません。
常に己の能力を向上する努力は惜しまない事ですね。

夏の猛暑、連続する台風に局所的な集中豪雨、そして北海道を襲った大地震・・・
日本ほど自然災害の集中する国も珍しいのではないでしょうか?
この災害で被害を受けられた方々の一日も早い復興と、不幸にも命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

では、また。



























  


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2018年03月11日

コンバットシューティング

ご無沙汰しております。
MBホーネットです。

たいへん遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年の冬は雪が多いですね。
積雪で動けなくなった車両から死者が発見される等、殆ど災害レベルの積雪です。
皆様も冬の移動には十分注意してください。

ここ八戸は青森県の中では驚くほど積雪の少ない地域です。
したがって、まぁサバゲもやろうと思えば何とかできないわけではありません。
ただし、雪の少ないぶん、非常に冷たい風がふくので、体の芯まで冷え切る事を覚悟しなければなりません。
年寄りの自分には非常にきつく、またそこまで無理してやる事でもないので、冬季の活動はどうしてもインドア主体となってしまいます。
インドアのシューティングでは腕を鈍らせないためのトレーニングがメインなのですが、それだけだと飽きてしまうこともあり、ちょっと捻ったシューティングを取り入れる事にしています。
そこで、今回はコンバットシューティングについてお話してみたいと思います。

一口にシューティングといっても非常に多岐にわたり、また時代と共にその理論から方法論に至るまで、常に変化しているというのが実情のようです。
ひたすら一点への精度を追求するブルズアイ競技から、ターゲットにいかに早く撃ち込めるかを追求するプレート競技、西部劇時代の銃撃戦を模したウェスタンマッチ、射出されたターゲットを撃ち落す精度を競うクレー射撃など、ガンという鉛玉を撃ちだすだけの単純なハードを使った競技は、驚くほど多彩なものとなっています。
その中で我々が訓練として取り入れているのが、コンバットシューティングと呼ばれる戦闘射撃の訓練です。
コンバットシューティングという言葉で、ガンやシューティングに詳しい方なら、ハンドガンの神様と呼ばれたジェフ・クーパー氏を思い浮かべるかと思います。
護身用、防衛的なガンと考えられていたハンドガンを、攻撃のためのガンとして、知識技術を体系的に纏め上げたのがクーパー氏だと言われています。
我々タロンチームでは、ハンドガンからアサルトライフル、ショットガンに至るまでガンに制限をかける事無く、すべてのガンをトレーニングに取り入れることにしています。
コンバットシューティングと言っても、これといって決まったルールややり方があるわけではないので、考えられるあらゆる状況に対応できるような技術や思考力を磨くためのトレーニングという形でおこなっています。
トレーニングの内容は、大体が自分が考えた物をおこなっていますが、主に重点を置いているのは攻撃するターゲットの優先順位や状況の判断をシューティングに取り入れるようにしています。
その状況はメンバーたちの心身に負荷をかけることとなり、単純に的を撃てばいいというトレーニングとは、まったく違った物になっていきます。
この辺りの設定は、スピードや精度を競うだけの競技射撃と異なり、常に何かを念頭においての射撃訓練となるため、いざフィールドに立った時に直面する様々な問題に対する判断力を養う訓練ともなっていくわけです。
したがって、射撃競技によくある、ハンズアップからのブザーによるスタートとなるような訓練はタロンでは殆ど行いません。
ハンズアップ姿勢というのは射的競技の姿勢であって、戦闘射撃にはまったく関係ないからです。

ではその違いとはどのようなモノなのか簡単に説明します。

あなたの目の前5メーター先に二枚のプレートがあります。
指示は簡単です。
あなたを取り巻く環境を説明し、あとはハンドガンによるクイックドロー。ダブルタップを刻め。
たったコレだけです。
技術の差によるタイムの違いはあれど、さして難しい事ではありませんね。
皆様なら難なくこなせるかと思います。
何秒でタップを刻む事ができますか?
3秒以内なら結構な腕前と言えます。ちょっとは自慢してもいいかもしれませんね。
ただし、それはスピードのみを競う競技射撃の場合です。
得意そうな、そしてほっとしたような表情なあなたに、自分は質問を投げかけます。
「なぜターゲットを攻撃したのですか?」とか「最初に攻撃したターゲットを選んだ理由はなんですか?」
なんて、かなり意地悪な質問です。
最初にこの訓練をうけたメンバーの殆どが、答えに窮してしまいます。
なぜ答えられないのでしょう?
簡単なことです。
それはターゲットプレートに出来るだけ速く撃ち込む事にのみ、専念しているからなのです。
戸惑っているメンバーに「これはコンバットシューティングだ。と、最初に言わなかったかな・・・」
つまりこれは対人戦闘の訓練であって、射的の練習ではないという事です。

もう少し噛み砕いて説明します。
ガンという道具は、個人が運用できる最強の武器と言えるでしょう。
日本人のような小柄でスレンダーな女性でも、体重120キロを超えるような巨漢ですら簡単に倒す事が可能です。
護身術などで女性が暴漢を撃退する動画などを見かける事もありますが、それは相手の意表をついて最初の一撃が見事に急所に決まった場合が殆どです。
正面から対峙した場合、格闘においては体重の重いほうが有利であり、20キロ以上の体重差があれば、圧倒的な違いとなって現れるのです。
ボクシングや柔道などの格闘競技において厳密な体重制限があるのはこのためで、女性が自分より重い男性を相手とするなら、その格闘能力にかなりの差が無い限り無謀な行為と言えます。
また単純に考えるならば、酔っ払いの喧嘩から戦闘訓練を受けているテロリストまで、「戦闘」という行為には一切のルールという物などありません。
複数の敵対者に囲まれる。ナイフやバットを持っていた。
なんてことはこの安全な日本ですら耳にする話です。
つまり、戦闘とは「何でもアリ」という事です。
このような対応がシビアな状況下で頼りになるツールは、間違いなくガンであるはずです。
体格、性別、そして年齢差など、すべての有利不利という条件を均等に均してしまうのがガンという道具なのです。

但し、この便利な道具にも、どれだけ扱いが優れているか。
という厳密な条件が課せられます。
ガンは個人の能力の均等にしてしまう道具という書き方をしましたが、こういう事です。

二十歳になったばかりの小柄な女性と身長190センチ体重100キロの男性、どちらもガンの取り扱いは素人です。
お互いが手にしているのは、スミス&ウエッソン社のM66という4インチリボルバーとします。
弾は158グレインの357マグナム、弾頭はウインチェスター製のホローポイントです。
357マグナム、ホローポイント弾は強力な弾で、人体に着弾すれば、9ミリの弾頭は倍近い大きさに広がり、瞬間的に握りこぶし以上の大きさの穴を穿ちます。
その衝撃力は絶大で、水面に石を投げ込んだときのように広がった穴は、内臓、神経、筋肉、血管に至るまですべての組織を破壊し、背骨すら吹き飛ばして紙のように人体を貫通していきます。
貫通すれば人体の穴は収縮して小さくなりますが、破壊された内臓器官の機能不全や外傷性のショック症状そして大量の出血により死に至るわけです。
こんな弾を中枢部に2発も受ければ、どんな巨漢だろうと間違いなく戦闘不能となります。
また、スミス&ウエッソンのリボルバーのトリガータッチは滑らかで扱い易く、4インチのバレルは最もポプュラーな長さであって、大きさ的にも357マグナム弾を撃つには問題ない性能です。
戦闘距離は7メーター、ホルスターからのクイックドロー。
2人の間には何の遮蔽物もない、日中の駐車場と考えてください。
この状況で戦闘に突入した場合、2人にはどのような条件のもとに戦う事になるか、考えてみましょう。
まず問題となるのは、お互いの筋力差によるものとなります。
非力な女性にとって1キロもの重量のあるガンを素早く抜き放ち、ターゲットにポイントするには、体力的な困難さが生じます。
逆に男性にとってガンの重量など何の問題とはならないでしょう。
しかし全力で抜き放ったガンと自分の腕の重量に振り回される事になり、こちらも正確なポイントには困難が伴う事になるでしょう。
続いて双方がガンをむけ合った状態になったとします。
この状況では、女性の視線では見上げる位置にある壁のように巨大なターゲットにガンを向ける事になるわけで、ポイントするのは比較的に楽であると言えます。
但し、リボルバー特有の長いトリガーストロークと4キロ以上となるトリガープルは女性の握力には負担となるために正確な照準の妨げとなります。
男性の場合はこのような筋力的な問題はありませんが、彼の視線位置からは女性を見下ろす形となり小柄な体躯が更に小さく見えます。
またガン本体が視界を遮る事となり、バレルから下は全く見えなくなります。
そして発砲に至った状況では、女性の場合筋力的な問題と体重の軽さによって手の中のガンは蹴られたように跳ね上がり、小柄な身体はよろめくほど揺らぎます。
ダブルタップどころか、初弾すらどこに行くか分からないという状況となるでしょう。
男性の目からすれば、全長25センチにもなる重いガンを扱いかねて揺らぎよろめく小さな身体に正確に撃ち込まなくてはならないわけで、マグナム弾の反動で跳ね上がるガンと腕が更にターゲットを覆い隠す事になります。
双方が被弾しなければ、シリンダーの弾を使い切るまで無闇矢鱈と発砲することとなり、周囲の人々の大変な迷惑となります。

どうでしょう。
どちらにとっても有利不利があるわけで、お互いの条件はほぼ同じとなってまいます。
当然すべてがこの設定に収まるわけではありませんが、ガンの素人の撃ち合いなどこのような物です。
youtube等の動画サイトでよく見かける、とんでもなく撃ち合ったあげくにどちらも倒れなかった。という状況がコレに当たるわけです。

ガンは道具に過ぎません。
いかに高性能なガンを手にしても、それを使いこなすための知識と訓練を怠るようではその性能を発揮できる事ができず、逆に暴発事故によって自分を含む全く関係ない人々に脅威を与える事にもなりかねないのです。
正確な知識と取り扱いの技術を磨いていくために必要な事が射的のトレーニングとなるわけです。
トレーニングを積み重ねる事によって技術と知識が向上すればするほど、より精度の高い射的が可能となり自然とスピードも早くなっていきます。
ガンの取り扱いの習熟と射的精度、そして限界を求めるスピードへの追求が、射的競技のすべてであると言えます。
ちなみにリボルバー射撃で最速を誇るのが、アメリカシューティング界の伝説とも言えるJerry Miculek氏が有名です。
リボルバーでの記録ではリロードを含めた12発を2.99秒で撃ちつくしています。
氏に関しては動画サイトに沢山投稿されているので、興味がある方は調べてみてください。
途轍もない記録が山ほど出てきます。

話を戻しましょう。
さて、ここからが今回のお話の本筋となっていくわけですが、先に書いたとおりガンの腕を磨くには様々なシューティング競技やトレーニングに参加する事は大変有効です。
皆さんもその機会あれば積極的に参加してみてください。
ガンの世界は、日本人にとっては間口の狭いものと感じるかもしれませんが、その奥行きは驚くほど深く、決して底は見えません。
自分は40年近くガンを趣味としてきましたが、この世界のトップの方々から見れば小僧のようなものです。
一生付き合っていける趣味といっても過言ではありません。

しかし、コレがただのシューティングではなく、コンバットシューティングとなれば話はまったく変わってきます。
まさに字の如く、競技射的とは違う次元の話であり、純粋に戦って生き残るための技術となっていくからです。
では何がそんなに違うのだ?当然皆さんはそのような疑問を持つかと思います。
戦いに勝ち抜く。または生き残る。ための技術ですから、決まった形なんてものは存在しません。
たまに元特殊部隊のメンバーだった軍人がレクチャーしているDVDや動画等を話題にして「SELSのチームがこのように戦っていたから」という話で戦術論を持ち出す人がいますが、常にその方法が有効であるとは限りません。
自分も幾つか目にした事はありますが、参考程度に記憶にとどめておくことにしております。
サバゲと実際の戦闘の違いが大きい事も理由の一つですが、動画で公開されている技術など履きつぶした革靴のような物で、そのようなカビの生えた戦術など、誰も使ってはいないからです。
近年日本を訪れて大きな話題になりました、かのクリス・コスタ氏の御高名は、皆さんも何度か耳にした事があるかと思います。
せっかく来日いただいた氏のレクチャーを是非受けてみたいと考えた方は、物凄い数に登るのではないでしょうか?
当然自分もその1人となるのですが、民間人から軍人を含め、アメリカ政府の許可がない限り、インストラクターを務めることは一切出来ないという立場にあります。
その理由は氏の指導する戦闘技術は機密事項であり、万が一テロリストの手にでも渡れば、世界全体の大変な脅威となるからです。
このような事例からも分かるように、戦闘のための技術というのは常に進化しており、その深層を我々のような一般人が目にするようなことは決してないという事です。
またそのような方法論が確立するまでに数々の貴重な命が危険に晒され、また失ってしまった代償として存在する物であり、ちょっとばかり目にした動画や、真偽も定かではないようなネット情報を頼りに実戦の世界に飛び込んでいくような愚かな人間は、帰ってくる事は無い。というのが現実の戦闘であります。

ではただのサバゲーマーである我々は、どうのように実戦という状況を想定したらいいとお考えになりますか。
これは人それぞれでしょうが、自分は日常生活の中で・・・という設定で考えます。
日本人の自分が海外に出かけた。という前提で状況を作る事が一番多いですね。
アメリカの空港で到着した友人を出迎える時とか、中東の海外支社のオフィスで仕事中など出来るだけ具体的に状況を説明し、攻撃された場合、又は異常を感じた時の対処方法を訓練するわけです。
ジョンウェインのように物凄い早撃ちなら、そんなのは考える必要はないのでは?
そう考える方もいるかもしれません。
しかし現在の戦闘はそのような技術だけで生き残れるような、単純なものではありません。

確かに速くガンを撃てるというのは有利なのでしょうが、その程度の事は簡単に対処可能です。
例えば、複数の人間に前後を挟まれたら?
     混雑した駅の構内で背中を取られてしまったら?
満車状態の駐車場で敵の位置、数すら良く分からない時は?
まだたまだ幾らでも思いつくことが可能ですね。
ガンを速く撃てるというのはその取り扱いが人より上手いというだけの話なのであって、その能力を実戦レベルで使いこなす。という技術がコンバットシューティングであると、自分は認識しております。
タロンチームのメンバーがひたすら練習するガンのスイッチングやトランジッション、マグチェンからクイックドロー、ハンドガンとアサルトライフルの連携等、これらは次の段階となるコンバットシューティングに至るまでの基礎訓練に過ぎません。
この基礎訓練の段階で、自分がアサルトマンに向いているかライフルマンを目指すのかを、はっきりと選択させます。
そしてそれらに見合った装備も徐々に充実させます。
例えば、汎用品であったホルスターが専用のブラックホーク等のインジェクションホルスターに替わっていったり、ゼンマイ式の多弾マグがスプリング式のマガジンに変わり、またマグポーチも各自で様々な種類の物が各自の体型や運用にそった場所に装着されるようになって行きます。
特にプライマリーであるアサルトライフルに強いこだわりが現れ始め、続いてハンドガンにもそれは移っていきます。
この辺りまでくると自分などが一々助言するような事もなくなります。
自分の戦闘スタイルの追求が装備にも反映され、本当に必要な物、同じ様な製品を見比べた時に徐々に良し悪しがわかるようになります。
装備の充実は当然のようにタイムに現れ、扱いやすい装備というのは戦闘に余裕をもたらします。
特にハンドガンの種類とホルスター、そして装着位置には各自にこだわりがでるようです。
アサルトライフルからハンドガンのトランジッションが必要な時は殆どが近接戦闘であるため、一挙動で抜き、そしてホルスターに戻すという動作が不可欠なためにこのようなこだわりが現れるのです。

さて、各自が在る程度の技術と知識を習得し、戦闘に過不足のない装備を揃え、取り扱いにも習熟したとします。
ここからが、戦闘にむけての基本技術を学んでいく時です。
戦闘のためのトレーニング、そのひとつがコンバットシューティングです。
しっかりした基礎技術を習得しない限り、いきなりこのようなコンバットシューテイングの訓練はおこなうべきではありません。
ガンのスイッチングやリロード、そして複数のメンバーとの連携まで要求される複雑な状況には初心者は対応しきれません。
必然的にマズルやトリガーのコントロールがおろそかになり、暴発事故を起こす可能性が非常に高くなります。
何事もトレーニングというのは段階を踏んで能力を向上させて行くものなので、その手順を省略することはできません。
技術や経験が伴わない者をトレーニングするときは、自分または熟練者が必ず横に立ち細かく指導する事にしています。
最低一年はこのような指導が必要となるでしょう。






トレーニングの様子を何枚か載せてみました。
皆様も色々な設定を考えて楽しんでみてください。


せっかくコンバットシューティングのお話をしたので、最後に簡単なクイズを一つ。

ブッシュを縦断する小道の出口であなた1人がアンブッシュを張っていたとします。
小道の両側は深いブッシュで、出口付近は逆Tの字が形となっており、そこでブッシュに沈んでいるあなたに向かって二名の敵が侵攻して来たとします。
2人とも中々の熟練者のようで、小道の左右に展開して前方左右だけでなく、時折後方にもM4の銃口を向けて警戒し、隙の無い連携を見せています。
ポイントマンを勤めていた前衛が進行方向の地形の変化に警戒して、あなたに20メーターほど接近した時にブッシュの中を探り始めました。
後衛は前衛から6~7メーターほど後方で周囲の警戒に入りました。
これ以上の接近を許してしまえば敵に発見されそうです。
あなたは攻撃を決断し、右手のAK74を慎重に構えました。

ここで質問です。
最初に攻撃すべきは前衛と後衛どちらと考えますか?
前衛から撃つ、または後衛から先に撃つ。そしてその理由を理論的に説明してみてください。
実際によくある状況ですから、皆さんなら簡単にそのシーンを思い浮かべる事ができると思います。
正統派なお答えからユニークな回答まで楽しみにお待ちしております。

今年になって当チームのHPも刷新いたしました。
レイアウトも大分変えてありますので、お目汚しながら、あちこちと見ていただければ幸いです。
新年度も始まり、今期も新メンバーを募集いたします。
サバゲやシューティングの楽しさを追求してみたい方々。
社会的常識をそなえている方々であれば、老若男女初心者熟練個人グループ一切問いません。
移動手段と装備一式を用意できる方、心身ともに健康な方の問い合わせをお待ちしております。


あの3.11からもう7年もたつのですね。
時の流れは速いものです。
あの大災害で亡くなられた方々に、改めて御冥福をお祈りいたします。

ではまた。







































  


Posted by TALON  at 23:06Comments(4)

2017年02月26日

なぜスナイパー?改

こんにちはMBホーネットです。


長々と引っ張ってしまいまして大変申し訳ありません。
誤投稿から多少周囲が騒がしくなったり、書きかけのブログがどっかに消えてしまったり、表現に悩んで書き直してみたり、また大好きな初夏が訪れましたので、数々の誘惑に引っ張られたりと色々とありまして、このような状況になってしまいました。
次回はもう少し速く書き上げたいものです。

では続けます。

今回はスナイパーという役職、存在について考えてみましょう。
などと、偉そうに書き込んでみましたが、自分はスナイパーなとど言う大役を任された事は一度もありません。
また自発的にやってみようと考えた事もありません。まぁ遊び程度なら何とかなるかも知れませんが・・・
以前もちらっと書き込みましたが、自分にはスナイパーたる資質が欠けているからです。
これは自分の師匠にも言われました。
当時スナイパー関連の勉強をしてみると、師匠に言われた「お前などには到底無理」という言葉の意味が良く分かったので、それから現在に至るまで、スコープを載せたガンで敵を倒した事は一度もありません。
最近になって目の衰えが顕著になって来たので、新調したスコープを一度だけマサダに載せたことがありましたが、やはりモノの役には立たず、結局のところお蔵入りです。

と、まぁこのような自分が書き込むブログですから、もし間違いがありましたら、どうかご容赦を。

近年、実在した兵士の記録を名優クリントイーストウッド氏が監督した、「アメリカンスナイパー」が映画化されて話題となりました。
それ以降フィールドにボルトアクションライフルを手にしたゲーマーが一気に増えました。
しかし、素人の自分から見ても及第点を出せるようなゲーマーは殆ど見た事がありません。
ボルトアクションにスコープを載せてフィールドに立てば、はい今日からあなたもスナイパー。などという簡単な世界ではないからです。
流行っているからとか、かっこいいから程度の認識でフィールドに入っても、キルの連続記録を作りだすだけです。
素人が単発のガン片手に敵と対峙しても、なんの戦果も上げることなど出来ないのです。
むしろ、古参のライフルマンなどに目をつけられようものなら、集中砲火を浴びてたちまち脱落を余儀なくされる事でしょう。

自分も始めてのフィールドなどでボルトアクションを手にしているゲーマーがいれば、良く観察する事にしています。
装備や物腰からどの程度の経験をもつゲーマーなのか判断するためです。
後は一度対峙してみれば、実力の程が知れます。
経験の乏しいゲーマーの場合、大体のところ先に潜伏場所を特定してしまえば、後は簡単にけりがついてしまうというのが現状ですね。
逆に腕のいいスナイパーは相手に回すと非常に厄介な代物となります。
自分もフィールドで何度も痛い目を見ました。

現実の戦場でも、戦史に残るようなスナイパーの記録は凄まじいものです。
第二次世界大戦当時、ロシア軍は約2千名の女性狙撃手を戦場に送り込んだそうです。
その中で終戦まで生き延びたリュドミラ・ミハイロヴナ・パヴリチェンコ少佐が有名です。
最終的な戦果は、309名にものぼり、30名以上の敵スナイパーの狙撃にも成功しています。
カウンタースナイプの名手とも言えますね。
スナイパーとしての史上最高の戦果記録を持っているのが、フィンランド軍のシモ・ヘイヘ兵長です。
フィンランドに侵攻してきたソ連との間で起きた冬戦争で戦い抜き、公式に確認された戦果は542人という世界最高記録を持っています。
更に彼はザブマシンガンの使い手でもあり、サブマシンガンでの記録は非公式なスコアを含めると500人以上とも言われています。
しかもこれらの戦果はたった100日間の間に打ち立てたものであり、ソビエトの兵士たちに、白い死神と呼ばれ、恐れられたと言われています。
しかも驚くべき事に、彼が手にしていたモシン・ナガンには、レンズの反射を嫌ってスコープを使用していないという記録が残っています。
ノーマルのアイアンサイトのみを使っての狙撃だったようですが、300メーター以内なら殆どがヘッドショットでの戦果だったようです。
まさに死神の技ですね。

そろそろ話をサバゲに戻しましょう。
初心者にはスナイパーの真似事は無理という事を冒頭に書いたわけですが、ではなぜ無理なのか?、その原因を考えてみましょう。
まず、実際のスナイパーと呼ばれる役職を考えてみましょう。これは通常二種類存在します。
一つは軍隊に所属する、ミリタリースナイパー。もう一つが、警察、公安組織に所属するポリススナイパーです。
軍所属のスナイパーは狙撃だけではなく、敵地への進入偵察また攻撃時には目標の選定や兵器の誘導、砲爆撃の要請と効果の判定まで幅の広い任務を求められています。
したがって完璧な隠密性とサバイバル能力、そして専門性の高い高度な兵器の知識が求められる事になります。
彼らは通常300メートル以上での戦闘を主体として行動し、そのストーキング能力は驚異的で、目の前まで接近されても気がつかないほどです。
ミリタリースナイパーと全く対照的なのがポリススナイパーの存在です。
彼らは出来るだけターゲットに接近した状態での狙撃を主体として行動します。
通常100メーター以内での射撃がメインで、一つの事件に複数のチームが投入される事も珍しくありません。
また、潜伏する必要もないためにギリースーツのような装備もサバイバル技術も必要とされません。
犯人が人質を取っているよな事件に投入される事が多く、犯人や人質の観察も彼らの任務です。
犯人、又は犯人グループとのネゴシエーションが決裂した状況がスナイパーとしての真価を発揮する瞬間です。
犯人という脅威を速やかに無力化し、最小限の流血で終息させることが、スナイパーの一弾に要求されます。
更にはその状況はマスコミによって放送され、衆人環視の元、違法性のない完璧なオペレーションを求められるのです。
どちらも我々一般人には想像もつかないような過酷な任務を課せられるわけです。
当然その技術水準を維持していくための訓練も恐ろしい物となります。
昔耳にした事がありますが、アメリカ海軍海兵隊スナイパーの訓練のごく初歩的なものに「コーヒーカップ」と呼ばれる訓練があります。
訓練内容はいたって簡単です。
テーブルの上に置いたマグカップのコーヒーを美味しくいただくという訓練です。
笑い出す人もいるかもしれません。
それのどこが訓練になるのよ?
別に休憩時間の話をしているわけではありませんよ。
できるという自信のある方は挑戦してみてください。
では、カップをテーブルに置きましたか?
中身はお好みの飲み物で結構です。できるだけリラックスして椅子に腰掛けてください。
訓練内容を説明します。
テーブルの上のカップから飲み物を一口飲み、またテーブルに戻す事。但し現在の状態からスタートし、またカップをテーブルに戻すまでの所要時間を一時間とする。
その間にカップを動かす以外の動作は一切認めない。
どうです、簡単な事でしょう?

ここまでやれとは言いません。しかし、自分には無理と考えたり全く興味を感じなかったとしたら、今一度考えてみる事をお勧めします。
なぜ、このような訓練が必要なのか?という考えに至らないのであれば、自分のスナイパーとしての資質に疑問符をつけるべきかもしれません。
上記の事を織り交ぜながら、サバゲにおいてのスナイパーと呼ばれる存在について考えてみましょう。
まずはスコープを乗せたボルトアクションライフルの能力を通常使用される電動ガンと比較してみました。
東京マルイさんのM40A5とスタンダードのM4A1の基本スペックを比べてみましょう。
M40A5
全長1200mm
インナーバレル長280mm
重量3400g
装弾数35発

M4A1
全長777 mm / 861 mm(ストック伸長時)
インナーバレル長250mm
重量2,970 g(空マガジン、バッテリー含む)
装弾数82 発

皆さんはこのデータから何を感じ取れますか。
まず目に付くのは全長と重量の違いでしょうか。
339mmM4より長く430g重い事が分かります。
この長さと重量を、スナイパーが最も能力を発揮できると考えられるブッシュの中で運用するには、それなりの体力と忍耐力、そしてブッシュの移動空間と射撃空間を見切る能力が必須となります。
続いてインナーバレルの長さですがM4が30mmほど短いですね。
確かにM40のインナーバレル280mmはボルトアクションとしてしては短いのかも知れませんが、トイガンも実銃も銃身の長さと命中率の因果関係は証明されていないので、気にするほどではありません。
たまに使うAK47βスペッツナズはインナーバレルが230mmしかありませんが、伸びのある非常に安定した弾道を見せます。
また命中率はバレルの精度だけで語る物ではないので、この場合比較対象からは除外します。
装弾数もボルトアクションライフルとアサルトライフルを同列に考えるモノではないので除外します。
となるとガンの持つ能力の比較において、M4に比べM40は取り回しにおいて非常に不利なガンであると言えますね。
それならボルトアクションライフルの御家芸である命中率と射程距離は?
という事になるのですが、パワーに上限がある以上射程はさして変わらず、命中率においてもはっきりした違いがでるものでもありません。
また、スコープを乗せたからといってガンの命中率自体が変化するわけではないので除外します。
火力においてはM4と全く比較にはなりません。
どうでしょう、ガンと言う戦闘の道具を比較すれば全く良いとこ無しという事になります。
実際に実銃でもサバゲにおける交戦距離である40メーター前後で正面から撃ちあえば、アサルトライフルどころかサブマシンガン相手ですら勝ち目はなく、オートマチックのハンドガン相手でも危ないという事になります。

では視点を変えて逆にボルトアクションライフルが有利な条件に持ち込めるフィールドという物を考えてみましょう。
・・・???情けない話しかも知れませんが、自分程度には全く思いつきません。
ブッシュの中ではガンに草木が絡み付き、素早い移動にブレーキがかかります。また射界も草木に遮られ、一発必中は困難な状況となりますね。
人工的なバリケード主体のフィールドでは、遮蔽物から長時間身を晒しての照準姿勢が多くなりますので、逆に撃たれかねない状況となります。
開けた野原のようなフィールドではガンの能力を十全に発揮できるでしょうが、電動ガンも同じ条件となるので、火力にモノを言わせたアサルトライフルに押しまくられる事になります。
インドアフィールドのようなCQBが主体となる戦場では、長物のコッキングガンなど問題外です。
いかがなものでしょう。
このように使い勝手の悪い単発式のライフルを、わざわざサバゲに持ち込まなければならないような理由があるのでしょうか?
自分個人の意見としては、全く無いと考えます。
唯一電動のアサルトライフルに勝っていると思われるのは、コッキングガン特有の静音性と、スコープを乗せることによる射撃精度の拡大でしょうか?
しかしこの程度の事など電動ガンでも十分に実現できます。
静音性に特化した電動ガンなどチューナーに依頼すればどのようにでも対応してくれますし、ハイダーを外してサプレッサーを装着する程度の事なら誰でもやっているわけです。
スコープなど、レールの付いている近代のアサルトライフルには当たり前の装備となっていますね。

この程度の事など自分が今更指摘するまでもなく、賢明な皆様にはお分かりの事と思います。
ではなぜサバゲスナイパーにはボルトアクションライフルが必要なのでしょうか?
切って捨てるような言い方になってしまいますが、「男のロマン」以外の何物でもないかと思います。
日本人はスナイパーという存在に多大な憧れを抱いている方々が沢山いらっしゃいます。
それを題材とした漫画が多数の読者に支えられ、何十年も連載されていることもその証明と言えるでしょう。
実際に、ハイサイクルの弾幕を張り巡らすアタッカーたちを、遠距離から一発で倒すという状況は何物にも代えがたい興奮を覚えるのではないでしょうか。
自分もその心情は十分に理解できますし、子供時代は良くマッチ棒を狙って撃ったものです。
日本ではガンもスコープも良い物が沢山出回っているので、幾らでもフィールドで楽しむ事ができます。
但し、それは個人でサバゲに参加している時に限ります。
チームでの交流戦などに男のロマンを持ち込もうものなら、ちょっと待て・・・という事になります。

ではボルトアクションライフル一丁で電動ガンと対等以上に戦うにはどうしたらいいのでしょう。
逆説的な考えとなりますが、行動の基本を引き算的に考え直していく必要が出てきます。
そのためにはルトアクションライフルの不利な点を補ってやるように考え、行動しなくてはならなくなります。
ブッシュの中で素早い動きができないなら、反対に動かない事です。
敵の視界の中では決して動かず、有利な攻撃ポイントまで匍匐で移動するくらいの覚悟が必要となります。
敵を撃てるという状況下では逆に敵に撃たれるという事です。
その中で単発のボルトアクションライフルを活かすという事は徹底的に敵の弱点を突き、有利な条件を何一つ手放さないという状況判断が必要となってきます。
また、ガンからすべての装備に至るまで、効果的な儀装を考えなくてはなりません。
そしてそれらを身に着けてフィールドの中を匍匐移動できる体力と精神力が必須となるでしょう。
腕立て伏せ、腹筋運動を100回程度、ジョギングを2キロ程度は走り続けられる体力が最低限必要です。
そうでなければ長さ1.2メーター、スコープを乗せて4キロ程度のガンと装備をつけて一日フィールドの中で戦う事はできません。
体力の無い者が同じ事をしようとしても、直ぐに息が上がり、多量の発汗でゴーグルは曇り、激しい息遣いはスコープの安定に支障を及ぼします。
汗と泥で文字通りどろどろになり、発汗と荒い呼吸のためにやぶ蚊にたかられ、曇ったレンズでは敵どころか前すらろくに見えず、ガンを握る両腕は匍匐のダメージで動かなくなります。
これではスナイパーどころの話しではなくなります。
体力はすべてのスポーツの基本です。

そして最も重要となるのは、アサルトマン、ライフルマンとして標準以上の知識と経験を積む事です。
これを無視してはボルトアクションライフルを使ったスナイプなど、夢のような話という事になります。
順を追って説明します。

スナイパーの訓練と言うと、ライフルで盛んに的撃ちの練習をやりだす者がいますが、このような事をしても殆ど意味はありません。
むしろ全くの、的外れと考えてください。
まず、しっかりとスナイパーとしての役職を見据えて、ライフルマンなどの練習と知識を学ぶ事です。
これによりサバイバルゲームという戦場での戦い方を身に着けます。
同時にガンの取り扱いと、動かない的ではなく対人を目的とした戦闘射撃を覚えるわけです。
対人射撃の精度と射程距離の正確な算出能力は的撃ちでは決して身につきません。
スコープの中の敵がどちらに動くのか?、複数の敵が侵攻してきた時は、どのタイミングで撃つのか、または撃たないのか?、対象の優先順位は?。敵に側面に回りこまれそうな状況では、どのようにすればいいのか?
これ以上の様々な状況判断を一瞬ではじき出すには、アサルトマンやライフルマンの行動原理を理解している事が必須なのです。
このアサルトマンそしてライフルマンの動きを予測し、彼らの立場から移動ルートの予測、戦術上重要と思われる拠点、更にはこちら側が有利となるようなアンブッシュポイント、有利な状況を作りだせるようなメンバーとの連携を考えられないようでは、スナイパーなどと幾ら本人が言い張っても、チームには何の貢献もできないという結果になりかねないという事です。

どうしてもスナイパーという専門職でチームに貢献したいと考えるなら、アサルトマンからライフルマン、ここで経験を積みたいと考えるなら、分隊程度を指揮できる能力を身につければ、いかなる状況においても問題なく対応できるスナイパーとなり得るでしょう。
あせることはありません。
高い能力が要求されるポジションですから、じっくりとスキルアップを計る事です。

では、この前段階で優先的に修得すべきことを説明します。
スナイパーたる者に、当たり前に要求される仕事は、何よりも敵の足を止める事です。
したがって、フィールドの地形から敵攻撃部隊の侵攻ルートを予測する能力を身に着ける事は、前提条件となるわけです。
次に重要となるのは、地形効果を読む能力です。
スナイパーは、その戦闘スタイルからどうしても攻撃がアンブッシュ主体となります。
敵側よりも少しでも有利な迎撃ポイントを見つけ出す。または味方の援護を有効に受ける事が可能なポイントを数ヶ所見つけ出し、作戦の進行に反映させなくてはなりません。
最後に高度な偽装能力を身に着ける事です。
複数のBDUやギリースーツを準備して、できるだけフィールドの植生にマッチした偽装を作り出しましょう。
実銃とは違い、交戦距離のアドバンテージを取れないサバゲスナイパー唯一の武器となりうるのは、敵に発見されない能力のみである。と自分は考えます。
実際に幾度も体験していますが、全く敵影を視認できない状況からの一弾は大変な脅威であり、有効な狙撃ポイントを抑えられれば、後退以外に手がなくなるほどです。

以上の3つを十分に訓練し、戦闘において有機的に組み合わせる事が可能となって、初めてスナイパーを名乗れるわけです。

最後に一つ、射撃練習が抜けているんじゃあないのか?
なんてお叱りを受けそうですが、敵をヒットする事は当たり前の事であります。
そもそも当てる事ができぬような状況でトリガーを引いているようでは、スナイパーの資質に疑問を抱かざる得ません。
サバゲスナイパーに要求される射撃は遠くの者をヒットする事ではなく、射程に入った敵を確実に倒す事にあるのです。
また、スコープ付きのボルトアクションライフルにこだわる必要は全くありません。
ハンドガンからアサルトライフルまで、いかなるガンにおいてもスナイプは可能であり、状況に応じて使い分ける事が、攻撃の選択肢をより幅の広いものとしてくれるはずです。
そのような意味での射撃練習ならば、言うまでもなく当たり前にこなしていかなくてはなりません。


これは自分の持論でありますが、スナイプに限らずすべての射撃の難しさは、敵に弾を当てる事ではなく、敵を攻撃できる状況を作り出す事。またはこちらの攻撃ポジションに敵を誘い入れる事。
これに尽きると考えています。
この状況にはまり込んだ敵を撃つというのは簡単な事で、最後の締めのようなものです。
攻撃する状況を作り出すことは何倍も大変な事であり、作り上げた瞬間に勝負は決しているという事です。



誤投稿から大変間が空いてしまいました。
周囲からも、早く書け。とつつかれていましたが、今回のブログは少しばかり悩みました。
言葉で状況を伝えると言うのは難しいものですね。
それと、ある小説にしばらくハマッていたのでサッパリ進まなくなってしまいました。
ちょっと前にアニメが終了してしまいましたが「幼女戦記」という小説です。
題名から想像するに今風のアニメのような可愛い女の子が・・・・というようなモノとは違い、本格的な戦争記です。
著者のカルロ・ゼン氏はかなりの博識家のようで、「戦争」という人類最大の愚かな行為を、戦略、戦術のみならず、経済、心理学、流通、歴史、民衆・・・果ては兵站と戦術の戦場をみる方向性の違いや政治的な側面からの考察など、戦争を取り巻く環境から広い視野での戦況観察が事細かく表現されていて、非常に考えさせられる作品であります。
読んだからといってサバゲに貢献する物はなにもないかも知れませんが、とにかく「面白い」です。
戦争映画や小説を、アクションシーン以外の部分も楽しめる方ならハマッてしまうことでしょう。
今も時間が有れば、コーヒー片手に時間を忘れて夢中になっております。
興味がある方は是非一読する事をお勧めします。


暑いですね。
皆さんも日射病や熱中症、冷たい物の飲みすぎ、食品の衛生管理には十分に注意してください。
良く食べ、良く眠り、適度な運動が間違いなく健康の特効薬です。

では、また。

  


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2017年02月24日

「敗北」とは・・・

こんにちは、MBホーネットです。


立春を向かえ暦の上では春という事ですが、ここ八戸では未だ冬真っ盛りといったところです。
ほとんど雪の降らない八戸なのですが、今年は積もっては融けまた積もっては融けを繰り返しています。
おかげで早朝のロードコンディションは最悪です。
3月からはいつもお世話になっている有料フィールドがひとつ営業再開となります。
今年もそろそろシーズン開幕といったところでしょうか。
皆さんも交通事故や転倒事故には十分注意してください。


前回のお話は勝利についてでしたが、今回はその対極にある、敗北について考えてみましょう。
勝敗は兵家の常。という言葉がありますが、当然サバゲにもこの言葉は当てはまるわけで、勝敗を意識せずにフィールドに立つゲーマーというのは存在しないかと思います。
ゲーム自体を楽しむ事が我々ゲーマーの目的となるのでしょうが、その先にある勝利を掴み取りたいという欲求も当然存在するわけです。
激しい戦闘を勝ち抜いて一本の矢のようにフラッグに突き進む時、あるいはチームの包囲網に捕らわれた敵兵達を、握りつぶすように粉砕してフラッグへの道を切り開く時の瞬間は、何物にも代えがたい独特の興奮を感じるのではないでしょうか。
自分も、このアドレナリンが沸騰する瞬間が大好きです。
反対に奮戦空しくフラッグを落とされてしまった時の無念さも人一倍感じる性格です。
この負けず嫌いの性格が今のチームを造ったと言っても、過言ではないかと思います。
ここ一番の危機に敵を抑えきってくれた時や、大規模戦でも臆する事無く、果敢に攻めにいくチームメンバーの背中を見ていると、時折誇らしいモノを感じる時がありますね。
さて、自画自賛はここまでとしましょう。
皆さんもいいチームを造ってください。

実際の戦場とは違ってほぼ同じ条件で対戦する事になるサバイバルゲームですが、なぜか勝敗が偏るときがありますよね。
確かにメンバーの経験や技術的な差という事はあるでしょうが、ランダムにチームをレッドとイエローに分けてしまうわけですから、有料フィールドでは極端な戦力差というのも考えがたいと言えるでしょう。
逆にチームの交流戦で負け続けとなるといささか話が変わってきます。
実力差がありすぎるチームとの交流戦というのならまだ分かりますが、ほぼ同じ実力のチームどうしの交流戦で負け続けというのはちょっと問題ですね。
勝ち負けが拮抗するなら話も分かりますが、負け続けるという状況が続くようでは、根本的に何かを見直さなくてはなりません。
他のスポーツでは一日に一度対戦して勝敗を決めるというのが通常ですが、サバゲの場合は一日に数回から多い時には十回以上対戦する事になります。
仮に一日に八回ほど対戦したとしましょう。
優勢なチームは勝ち続けるための作戦を考え続ける必要がありますが、同じ対戦相手に一日八回もバリエーションの異なる作戦を組み立てるのはかなり難しいのではないでしょうか?
少なくとも自分のような凡才には無理な話です。
負けているチームのリーダーやメンバーはこの辺りの事を良く考えてみる事です。

フィールドでやっている事は双方同じようなモノで、何か特別な事を実行しているわけではありません。
それなのに勝てないという事は、なにか致命的な見落としがあるのではないか?
自分はそのように考えます。

まず、自分たちは本当に勝ちたいのか?
と言う、根本的な問題に戻って考えてみましょう。
リーダーやサブリーダー達が真剣に勝つための方策を練っていても、他のメンバーが談笑しているようでは到底勝つことなどできません。
メンバー達の頭の中には雑談の話題しかなく、サバゲのことなど、もうどうでもよくなっているからです。
チーム全体がこのような雰囲気になっていたとしたなら、自分であれば突然重要な用事を思い出し、荷物をまとめてさっさと帰ります。
これ以上ここにいても疲労感が増すばかりで、何も得る事がないからです。

別に御通夜のような雰囲気になれというわけではありませんが、勝利に対する欲求と適度な緊張感はつねに必要です。
有料フィールドに遊びに行っている時でも、自分は勝つための方策をいつでも考えて行動しています。
休憩時間はチームメンバーに冗談を飛ばして、できるだけリラックスした雰囲気を作ります。
戦闘に問題があった場合は即座に対策を立ててメンバー達に伝達し、次のゲームで対処させます。
フィールドに入ったら気持ちを完全に切り替えて作戦のみに考えを集中し、メンバーとミーティングを取り、全員の行動を一元化します。
緊張とリラックスした状況を交互に作り、メンバーの精神的疲労を和らげる工夫をします。
優勢なときはメンバーの行動に油断をつくらないように、逆に押されている時は最後の瞬間まで絶対に気を抜かせないように十分に言い聞かせ、全員の表情を確認します。
求める物は勝利のみです。

まずメンバー全員に勝ちたいという意欲を持って行動してもらわない事には話は進みません。
またフィールドに足を運んでいただいた対戦チームの方々にも失礼な行為に当たります。
せっかくの交流戦です、真剣に楽しみましょう。

負け続けている状況では、まずメンバー全員の士気がどの程度の物であるか見極める必要があります。
どのようなスポーツ、戦いでも、メンタルにおける問題を外して考えることは絶対にできません。
勝とうとする意欲の無い者に、勝利の女神が微笑んでくれる事は絶対にありえないのです。
何度負けようが、メンバー達の表情が戦う意欲に満ちているのであれば、いずれ道が見えてくるモノです。
どんなに細く遠い道でも、見えているのなら勝利という目的地にたどり着くことは可能なのです。
自分たちの目の前を通り過ぎようとする女神の両足にしがみついてでも、勝ちをもぎ取るくらいの気迫が必要です。
逆にそのような道が一切見えてこない時、それこそ、手も足も出ない。という状況をサバゲでの「敗北」であると自分は考えます。

敵と戦った結果、完全に撃破され、敵に背を向けて部隊が逃げ散っていく状況を指して敗北と表現するようですが、サバゲにおいての敗北とは、どうやっても絶対に勝ち目がない。あるいは次回に対戦したとしても勝機が全くつかめない。というような状況に追い込まれてしまった時が、敗北なのです。
幸運なことに、ここまで追い込まれた経験は自分にはありませんが、サバゲチームとして非常に惨めな状況であろう事は考えるまでもありませんね。
勝利を得るために勝ち方というものがあるように、同じ負けるにしても負け方というものがあります。
もし自分がどうしても勝てない状況に落ちいったとしたら、戦い方をを180度切り替えます。
勝ち負けを競う戦い方ではなく、威力偵察主体の戦闘として編成や作戦を組み替えていきます。
つまり敵側の弱点や攻撃能力を探る戦いにシフトするわけです。
当然全メンバーに状況を説明し、出来るだけ情報を収集します。
そして一日のイベントが終わり、笑顔で友好チームを送り出した後に本当の戦いが始まるのです。
できれば全員で、少なくとも主要メンバー全員で、今日の戦いの問題点を徹底的に洗い出します。
相手チームと自分たちの違いは何か?、負け続けた最大の要因は?、どこに弱点があるのか?、自分たちに足りない物は何なのか?・・・
話し合うことは幾らでも出てくるはずです。
この事実を自分たちの改善につなげ、次の戦いのためにチームの能力向上につなげていきます。
そして敵の弱点となるべき所を探り出す事ができたら、それを織り込んだ作戦を組上げて全員で検討してみます。
最初のうちは中々難しいかも知れません。
しかし何回か繰り返すことで、いずれは何らかの対処方法が出てくるはずです。
次の交流戦の機会にその作戦を敵チームにぶつけてみるのです。
上手く通用するのか?全員の気持ちは不安でいっぱいでしょう。
その反面、全力で戦い、敵から勝ちをもぎ取った時の喜びと興奮はひとしおでしょう。
この瞬間チームとしての強さも一段ステップアップしたと言えます。
この状態が自分なりの負け方と考えます。
自分たちより強いチームなど、この国には幾らでも存在するでしょう。
もしその強いチームと戦って負けることがあっても、決して敗北とはしたくありません。
次の戦いでは絶対に勝ちに行く。
その意志力がチームとしての強さに繋がっていくのです。

サバゲはリアルな戦闘ゲームです。
ネットゲームのように続けていけば、経験値が上がり、強くなっていくなどという事はありません。
また、チューンしたガンを装備したからといって、ネットゲームのように劇的に何かが変わるというような事もありません。
強くなる、強くなりたいと言うなら、装備などではなく、自分自身とチームを鍛え上げていくしかないのです。

次に、士気というものについて考えてみましょう。
戦いにおいてこの「士気」という要素は絶対に外す事ができない、最重要なファクターとして自分は位置づけています。
実際の戦場においても、味方の士気を上げるために様々な方策を尽くした将軍たちの記録を歴史の中に垣間見る事ができます。
正確なお話しは忘れてしまいましたが、紀元前中東のとある戦いで、兵力1万2千の味方が2万近いの敵と対峙した時のことです。
今にも戦いが始まろうかという時に、突如砂煙とともに5千の援軍が訪れ、しおれていた味方の士気が一気に上がり、歓声に包まれたという
史事を読んだことがあります。
実はこの援軍は勝ち目の無い状況に追い込まれた指揮官の謀略でした。
腹心の部下に命じて夜間に密かに部隊から2千の兵を引き抜き、早朝に援軍に見せかけて駆けつけさせたのです。
しかも馬にロープを括りつけて物を引きずり、大きな砂煙を上げて駆けつけてきたものですから、2千が5千の援軍に見えたわけです。
対する敵側としては、今にも戦おうとする出鼻をくじかれ、砂煙とともに現れた大群が敵に回ったわけですから、一気に士気が落ちてしまいます。
数の優劣だけではありません。
指揮官としても、予想外の援軍の到着に対処する時間も作戦も取れず、圧倒的に不利な状況のまま戦いに望まなくてはならなくなるわけです。
敵陣から聞こえてくる歓声に、さぞや恐怖心を煽られたのではないでしょうか?

このような事例だけではなく、ハリウッドの戦争映画などでも、主人公が戦いの前に語る演説に、兵たちが興奮して右手を突き上げるシーンを良く見かけますね。
このように士気を高めるのは指揮官の最も重要な仕事の一つであります。

ではチームの士気をあげるにはどのような方法があるのでしょうか?

最も重要なのは、メンバー全員が自信を持つ事です。
まずはメンバーが自分たちを、そしてチームを信用できなくては全く話しになりません。
困難な状況にぶつかった時こそチームの真価を問われる瞬間です。
自分の能力と仲間たちに不安と不信を抱えていたのでは、戦う以前の問題です。
どのようにしたら自信を持てるようになるかは、賢明な皆さんはもうお分かりですよね。

次に重要と考えているのは初戦の戦果です。
どんな事でも最初が肝心です。
最初の戦いでこちらの攻撃力を印象付けるような戦闘を展開して緒戦の勝利をもぎ取ります。
もしかしたら、敵チームは強力なのではないか?
このような意識を感じると、メンバー間に嫌な雰囲気が漂いだします。
否が応でも作戦指揮に目に見えぬ圧力がかかり、 同時にメンバー達の精神的疲労も誘う事になり、二戦目の対戦に不安を覚えるようになるでしょう。
この状況だけは実際の戦闘もサバゲも全く同じである。と言えます。
つまりは、戦っているのは同じ人間である。という事を決して忘れない事です。

古今東西、そして未来においても、戦っているのが人間である以上、人間と言う生き物の心理的な側面を無視しては戦闘は語れない物です。



寒い寒いと言いながら徐々にですが、春の香りが鼻先を掠めるようになりました。
夜が明ける時間がだいぶ早くなりましたね。
もう少しの辛抱です。

では、また。


           
                                              































  


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2017年02月05日

「勝利」のために・・・

皆さんこんにちは、MBホーネットです。

今年は極端な寒さが続いたあげく、雨が降ってみたり、例年にない大雪になってみたりと、なんとも極端な天候の変化に身体がついていかないようです。
このところ体調が思わしくありません。
動悸が治まらなかったり、朝から血圧が不安定だったりともうウンザリしてます。
気候と体調とはつくづく切っても切り離せないモノであると実感しています。
何はともあれ、このスクラップ寸前の身体がもう少し持ってくれることを祈るだけです。


タロンのトレーニングディは基本的に月二回、それ以外は各自有料フィールドに遊びに行ったりしているわけです。
自分もメンバーからお誘いが掛かってフィールドに出かけたり、お忍びで遊びに出かけたりしています。
そのうちに各有料フィールドにも顔見知りやちょっとした友人ができたりと、趣味で繋がっていく友人知人の輪が広がっていきます。
ゲームの合間などに彼らと話をしていると、「ブラックタロンは強いですねっ」とか「あなたたちはザバゲが上手いな」などと、とんでもない高評価をたまにいただいたりする事があります。
過分な評価に嬉しい反面かなり気恥ずかしいモノを感じたりします。
頭を掻いていると、良く言われるのは「どうしたらそんなに強くなれるのですか?」
そのような疑問を自分に投げかけてくる方達の目には、ちょっとした好奇心と、自分も上手くなりたい!、という熱意のような物が見える時があります。
彼らの真剣さに答えてやりたいのですが、とても一口では説明できるような話しではないので「チームで練習しているから」としか答えようがないのです。
とまぁ、こんな話の流れですが、強さ。という掴みどころの無い漠然とした話に焦点を当ててお話してみましょう。

まずは、基本的に「戦闘」とはどんなモノであるか?
少なくとも指揮官にあたる立場の者は、それを多少は理解している必要があります。
とは言っても簡単な話しではありません。
そのあたりの話を説明しているサバゲ専門誌など見た事がありませんし、実際の戦闘教本を読んでもリアルな戦場とサバゲの戦闘とは余りにも現状がかけ離れすぎていて、殆ど役にはたちません。

だって、同じ撃ち合いでしょっ?

そう疑問に思っても不思議ではありません。
簡単に説明します。
まず、実際の戦場とはサバゲと似ても似つかない処にある。と考えてください。
一切の支援のない状況での歩兵部隊をいきなり敵部隊にぶつけるような作戦は通常ありえません。
もしサバゲのような撃ち合いを、何の理由無く隊に強要するような指揮官は、間違いなく解任されます。
サバゲの戦闘は小火器のみに頼った、50メーター以内のCQCとなる訳ですが、実際の戦闘のたびにそんな事を繰り返していては、いかに訓練を重ねた精強な部隊でも大きな損害を受けてしまいます。
貴重な予算と物資、訓練時間をつぎ込んだ高価な兵士を、このような原始的な戦闘ですり潰すようでは、とてもではありませんが21世紀の戦場を戦い抜く事はできません。
そうです。サバゲの戦闘とは近代戦の理論とはほど遠く、非常に原始的な戦いなのです。

実際の戦闘での作戦を立案する時は、まず作戦の目的を明確に提示すること。次にその作戦の遂行に必要な人員、物資と支援状況を整える事にあります。
つまり、敵戦力を十分に分析し、それらを圧倒する艦隊戦力や航空兵力、砲撃部隊、機械化部隊と必要に応じて投入していき、最後に歩兵部隊が交戦地区の掃討に入り、分断され消耗しつくした敵部隊の処理に当たるという訳です。
政治的又は地形的な問題など、何かの制限が掛からない限り、実際の戦場とはこのような流れで戦闘を進めていくのがごく普通です。
そして軍事大国ほどこの傾向が強く、また強力になっていきます。
自分のような素人が説明するより、湾岸戦争などの記録を調べていただければ、より具体的に御理解いただけるかと思います。

つまり、勝ち負けの話しではなく、勝って当たり前でなくてはならない。という前提で戦闘を計画します。
サバゲのように、戦ってみないと勝敗は分からない。などという事はありえないのです。

という訳で、サバゲでの戦闘の天秤を勝利という方向に傾けるには、どのように戦闘を考えればいいのでしょう。
以前も何度かブログに書き込みましたが、まずはチームをチームとして鍛える事です。
近距離の小火器戦闘のみに特化した戦闘集団を作り上げる事から話は始まります。
指揮官を頂点とした指揮系統の確立と前線指揮官の臨機応変な対応能力、そして各メンバーの役割分担と、目標達成への能力と意欲の向上などを常に意識したチームを作り上げましょう。

フィールドに入ったらスタートまでの短い時間のうちに、最も効率的にフラッグにたどり着く計画を作り上げます。
これが「作戦」と呼ばれる物で、スタートした時点で移行すべてこのシナリオに沿ってチームメンバーは行動する事になります。
事が予定通りに進めば、シナリオ通りにフラッグは落ちる訳ですが、敵もこちらのチームを打ち破ろうと様々な策を練ってくるわけで、すんなりと作戦通りに状況が進む事はまず考えられません。
このような敵側の抵抗をどのように排除していき、シナリオ通りに戦闘を進めていく事ができるかかが、チームの能力の高さ=強さである。と自分は考えます。
撃ち合いに強い。だけでは戦いに勝ち抜くという厳しい条件には到底追いつきません。
いくら敵を倒しても、敵フラッグを落とさない限り最終的な勝利にはたどり着かないという条件を忘れない事です。
次に大事なのは指揮官そして前線指揮官の「戦況を読み取る」という能力です。
なんの戦いにおいても必ず必要なのが、駆け引きです。
敵側の動きに合わせた対応をしていかなくては、ただいたずらに戦力を消耗するだけで、決して効果的な打撃を敵前線に与える事ができません。
スタートと同時にアタッカーたちを予定地域まで前進させます。続いてライフルマン達に前衛の援護体制を取らせ、できるだけ強固な最前線を作り上げます。
この状況を効果的に作り上げる事ができれば、作戦の三分の一は成功したと言えるでしょう。
展開したメンバーの火力と連携で敵前線の戦力を削り取ります。
このタイミングがお互いの戦力が拮抗している瞬間なので、最も激烈な戦闘が展開されます。
抵抗がそれほどでもない場合は、敵戦力の不足、あるいは敵部隊の展開の遅れという状況が考えられます。
敵の作戦という事も考えられますので、前線の観察あるいは他のメンバーや前線指揮官と連絡を密にして、部隊展開の判断材料とします。
問題なしと判断した場合は、容赦なく前線を突破して敵支配地域を切り取り、フラッグに圧力をかけて行きます。
逆に強力な抵抗にぶつかった時は、決して突破を許してはなりません。
部隊を全滅させる覚悟で、徹底的に敵を押さえ込みにかかります。
展開地域の後退縮小でできるだけ兵員密度を上げ、手すきのメンバーを集めて敵側面にぶつける等、敵部隊の移動と展開に圧力をかけ、出血を強いるような防衛戦に移行します。
上手く敵を押さえ込める事ができれば、反対側に展開している部隊が敵フラッグを落とす事も可能であるわけです。
このように状況を読み取り、戦況判断の材料とすることが重要です。
戦闘とは、簡単に言えば、攻撃、防御、反撃の組み合わせであり、これらを効果的に敵側の状況に当てはめていく事で有利な状況を作り出していく事に尽きるのです。

最後に、そして最も重要となるのがフラッグを確実に落とせるか?という課題でしょう。
フラッグ直前で攻め倦んでいる様子を自分も良く目にします。
せっかくフラッグ直前にまでたどり着いたのですから、ここで落とせなければ徒労感だけが残る、不完全燃焼的な終わり方になってしまいます。
まず、事前にフラッグ攻略のシュミレーションを考えて見る事です。
事前に視察した情報を元に、フラッグ周辺のバリケードや地形状況と、残存する敵戦力を重ね合わせてみます。
敵兵力の数は分かっているわけですから、味方が撃破した人数を累計するだけで残存する敵戦力は簡単に割り出せます。
後はゲームの残り時間と自軍の攻撃能力から最も成功率の高い方法を選択する事にとなります。
タロンでよく取る方法は一度フラッグを包囲した後、袋の口を絞るように包囲網を閉じていきます。
抵抗する敵は複数の火線を浴びる事になるので、全く身動きが取れなくなります。
後衛のライフルマンの何名かは、包囲網から外れた敵の接近を阻止します。
つまり進行方向とは逆の真後ろを警戒するのです。
敵は当たり前ですが、勢力不明な者も全て敵性と判断して撃破、または接近を阻止します。
この状況での判断はフレンドリーファイヤーにもつながる事なので、同意できない方々も沢山いらっしゃるかと思いますが、フラッグを包囲攻撃している我々を攻撃してくる味方に包囲を崩されそうになった事が何度かあり、どうしても解消できない問題なので、勢力不明な者の接近は阻むしかない。という不本意な現状に至っているわけです。

戦況から考えても負ける寸前の敵兵が、自軍のフラッグに銃口を向けて集結している状況など到底ありえないのです。
少なくともガンを向ける相手のマーカーのカラーに注意を払ってくれていれば、本来はこのような問題は起きないはずなのですが・・・

話しがまた飛びました、戻しましょう。
但し、常にこのような理想的な状況でフラッグを包囲できるとは限りません。
残存している思われる敵戦力と自軍の攻撃力を計りにかけ、もし突破できる可能性が低いと考えるなら、包囲したままタイムアウトを狙うなど、勝てないまでも負けない方策を探るような臨機応変な対応も当然必要になってきます。

定まったルールのないサバイバルゲームは、色々な内容のゲームを作り出すことが可能な非常に多様性に富んだゲームですが、どのようなゲームであれ、これ全て、
接触、撃破、浸透、接触、撃破、移動索敵、接敵、撃破・・・そしてフラッグへ。
という基本に集約されます。
これらを主導権と共にコントロールする事が、サバゲにおける勝利の最短距離であると自分は考えています。
タロンのメンバーが、せっかくの休日を一日使ってまでトレーニングする目的は、これらの目的を達成するための手段の一つでしかないのです。


機会あれば皆様もチームのメンバーと、この辺りの問題を色々と話し合ってみてはいかがでしょう。
各メンバーの意見をまとめてみれば、面白い攻撃方法が出てくるかもしれませんよ。


では、また。






















  


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2017年01月15日

入隊者の指導

こんにちは、MBホーネットです。

おくればせながら、皆様明けましておめでとうございます。
ここ東北の地では今年は穏やかな年明けでした。
年末の慌しさも通り過ぎ、ゆったりした年初めを過ごしております。

つい先日、とある有料フィールドに遊びに行きました。
気温は低めでしたが、風も無く穏やかな今年最初のゲーム初めでした。
当日に女性二人を含む初心者メンバー五人が訪れており、管理人さんの依頼でタロンメンバー四人で初心者達の面倒を見る事になりました。
対して敵チームは10名です。
さて、普通であれば全くの勝ち目の無い状況です。
初心者達の教育を管理人さんに依頼された時「うちは厳しいけど、自分のやり方でかまわないですか?」という言葉に「タロンのやり方でかまわない。厳しくサバゲを教えてやってください」とのお答えでした。
いさぎよい御返事に二つ返事で了承した以上、彼ら彼女の安全を管理し、ガンの取り扱いを最小の時間で教育しなければなりません。
同時に、初めてガンを握り、初めてフィールドに入り、初めて敵と戦う五人に、サバイバルゲームの厳しさと楽しさを体験してもらうことも自分の仕事の一つです。
更には打撃力の主軸となるタロンメンバー3人を率いて、フィールドを知り尽くした常連組を含めた敵10人と戦わなくてはならないのです・・・。
御名前すら知らぬ、本日初めて戦闘に参加する初心者をどれだけ短時間で「兵士」という存在に変化させる事ができるか。そして戦力の半分が全くの初心者を組み入れた作戦が実際にどれだけ通用する物なのか?自分も始めての事なので、実験的な意味合いも含めてとりあえずやってみる事にしました。
まずはメンバーに自分の事は当てにするな。自分が五名の初心者を連れて行くから、君たちは攻撃だけを考えてくれ。
こんな具合に指示を出し、チョークリーダーと簡単な打ち合わせをしてゲーム開始です。
基本的なガンの取り扱いと安全管理を説明して、スタート!ゲーム開始です。
全員を所定の位置まで走らせ、敵と接触したらかまわずに前進して早々とヒットされます。
ここからが勝負です。
ヒットコールを宣言した後に、後ろで固まっている皆さんに移動の仕方を教え、敵の方向を指示し、バリケードの有効な使い方を目の前で見せます。
たった15分のゲーム時間でレクチャーできる事はごくわずかです。
しかし教える事無くゲームに参加させても、何の経験値も得る事はできず、何がなんだか分からないうちにヒットされてしまう事でしょう。
そんな事を何度繰り返してもなんの意味もなく、また逆にあれこれと沢山の事を教えようとするのも無駄な事になります。
要点を絞り、基礎的な事のみを理解してもらえればそれでいいのです。

これを午前中のゲームで二回実施して一回は何とか攻撃を押さえきって勝利、二回目は突破されてしまい、負けとなりましたが、まぁ上等と言えます。
午後にはもう1人のチョークリーダーが到着し、チームの右手と左手がそろい、総勢五人。ここからが勝負です。
いつものように、2人のリーダーに部下をつけ担当区域に配置します。
自分は役目は五人の皆さんと守備位置を守り抜き、状況によっては不利な戦闘区域を援護する事です。
自分が彼らに期待する事はとにかく撃ってくれる事だけです。

そしてゲームスタートです。
午後いっぱいをあえぎながら戦い抜き、最後の瞬間まで気を抜くことができない苦しい戦いが続きました。
何度も人数の差に押しつぶされそうになりながらも、与えられた指示を最後までまっとうし続けてくれたメンバーの意地と実力が結果となり、負けは午前中の一度だけ、引き分けが2回、後はすべて勝利という満足すべき結果となりました。
いつもの3倍は走り、いつもの3倍は撃ったと思います。
最後のゲームではマサダがバッテリー切れを起してしまったくらいですから。

また自分のアバウトすぎる指示に素直に従ってくれた五人の皆さんも、大いに勝利に貢献してくださいました。
この場を借りてお礼申し上げます。
懲りずにまたフィールドに遊びに来ていただければ幸いです。


今回はチームに入隊してきた初心者の教育について幾つか簡単にお話しましょう。

自分の経験から言って一番難しいのは入隊者の教育です。
経験も年齢も装備も知識も体力も、果ては性別まで見事にバラバラな入隊者を、チームという集団に組み込んでいく訳ですから、そう簡単な事ではありません。
相手によって微妙にやり方は違いますが、基本的に最初は全員均等な教育を施します。しかし、いずれ時間が経つにつれ、徐々に個別な指導が必要となってきます。
その状況に行き着くまでに教育内容の一貫性を保つため、最初からチームのカラーをしっかりと理解してもらう必要があります。
例えば、みんなでサバイバルゲームを楽しみましょう。というチームカラーならばさほどの苦労は必要ないかと思います。
基本的なガンの取り扱いとサバゲのマナーさえしっかりと理解させれば大丈夫でしょう。
あとは怪我人を出さないように気をくばり、チーム内に不和を生じさせないようにしていれば、楽しいサバゲライフを過ごせるのではないでしょうか。
問題となってくるのはそれ以上を求めようとするチームの場合です。
以前のブログでも書きましたが、勝敗はあらゆるゲームの源であり、サバイバルゲームも最終的には勝敗を競うゲームです。
ただし、その勝敗に望むスタイルも個人からチームに至るまで様々であり、求める楽しさもまた様々です。
チーム自体の力量を考えて無理の無いチームカラーを目標とするべきでしょう。

何はともあれ、これから初心者の面倒を見ていく指導者となる者には、正しい知識と豊富な経験が必要なのは言うまでもありません。
必然的にしっかりとサバゲを楽しんでいる歴史あるチームのインストラクターは初心者の育成に実績があり、結成間もないチームはこれから試行錯誤を繰り返して実績を作っていかなくてはならないという理屈になってきます。
また古くからあるチームとは言え、勝敗を念頭において運営しているチームでないと、指導者も育たず、メンバーの戦闘スキルも向上していくことは難しくなっていきます。
強いチームを造りたいと考えるなら、しっかりとした未来像を常に意識し、チームメンバーとの相互理解も必要です。
この辺りの事は経験豊富な古参が後輩たちにしっかりと教え伝えていくべき事であり、ネット情報やサバゲ関連の書籍からは決して得る事ができない貴重な知識が山のようにあるはずです。
初心者の教育とは、すなわちこの知識経験の伝授と自分は考えています。

前置きが長くなりました、話を進めましょう。
タロンでは初めてガンに触る初心者も、サバゲ経験のある者も最初は全く同じ扱いをします。
まず、手にするガンは玩具なのだ。という考えを根底から覆す事から始めるからです。
甘い認識で起こる暴発事故から引き起こされる一連の刑事民事の責任問題、最悪傷害事件として扱われ、それに伴う多額の賠償問題。
加害者となる自分と、被害者の人生と生活に取り返しのつかないダメージを与えてしまう恐ろしい一面を、しっかりと認識させます。
この問題を理解できない者をブラックタロンは必要としません。
そしてチームに籍をおいて活動する以上、ガンの安全管理は常に意識してもらうこととなるのです。

続いて教えていく事は、正しいガンの選択方法と装備の必要性となります。
各自好みや趣味に合ったガンは色々とあるわけで、特に強制はしません。
タロンではM4派とAK派に大別されますが、その隙間に自分のようにマグプルがあったりクレイタックがあったりします。
ただし、全てに共通している事は、遜色なくサバゲやシューティングに使う事ができるガンである事でしょうか。
先進国で最もガンに無知な民族はおそらく日本人でしょう。
そのためか、同じ日本人が造ったアニメやコミックの内容を鵜呑みにしてしまったような、おかしな知識でガンを見ている者が非常に多く、これは初心者に限りません。
特殊部隊とか、スナイパーとか、プロといった言葉を日本人は大好きなようです。
それは何もしらない素人が自分のイメージだけで想像してあこがれているものであり、その方面の趣味性の強いサバゲには当然のように出てきます。
SALsやデルタ、デブグル、レンジャーなどの言葉が各専門誌の紙面を飾り、詳細な装備内容や様々にデコレートされたガンが紹介されています。
どのような装備を目指しても結構ですが、余り特殊性に走ったガンなどはその操作も独特である事が多く、自分の目から見れば弊害の方が多いように思えます。
よく初心者の購入希望に上がってくるガンの一つにFN社のP90があります。
これはマルイも出しているモデルなので性能的には問題ないのですが、それは実射性能だけの話であり、サバゲという戦場で実際に運用していくにはそれなりの割り切りとスキルが必要です。
まずガン単体で評価してみると、優秀なガンの一つと言えるでしょう。
非常に軽く腕力の無い者や女性でも取り回しやすいガンです。反面軽すぎて精密な射撃には安定性を欠きます。
またマガジンがガンの上面にはめ込む構造なので、素早いマグチェンはかなり難しくなります。
ブルパッブ構造なので非常にコンパクトで最前列に参加するアタッカー向けですが、コンパクト過ぎて射撃姿勢の自由度が無く、自分が構えると姿勢が窮屈で首や肩に無理が掛かります。
ガンの形状も独特なため、左右のスイッチが難しくグリップも滑りやすいため、それなりの練習が必要です。
マガジンが他のモデルと全く互換性が無いために、戦闘中に弾切れを起してしまった際にメンバーからマグを借りる事もできません。
装備という面から考えると、独特のマガジン形状のため一部のガンのマガジン意外はポーチに入らないので、プレキャリを一つP90専用の装備とするしかなくなります。
マグポーチ自体の種類も少なく選べないうえ、細長いマグはプレキャリ、チェストリグに装着する場合に自由度にかなりの制限が掛かってしまいます。
またガンの形状や操作性も特殊なので、他のガンに変えた時にかなりの違和感と操作の戸惑いを感じるでしょう。
とまあ、こんな具合ですが、何も使うなと言っている訳ではありません。
初心者向きではないガンなので、ある程度経験を積んでから考えればいいという事なのです。
このあたりの事情などをよく説明し、なるべく汎用性の高いガンで初めてもらうように理解を求めます。
予備ガンも含め、例えば2丁ともM4であれば装備からマグ、パーツに至るまで全てに互換性があり、どちらのガンを手にしても違和感無く使えるために、装備面の経済性やガンのスキル向上の面から考えても問題なく運用していけるわけです。

次にBDUやプレキャリといった戦闘装備ですが、初心者はガンにばかり目が行って装備面がおろそかになりがちです。
いくら高価なガンを手に入れても、予備マグやマグポーチも無い様では満足な戦果など到底出せません。
この問題は口で説明しても中々実感として分かりづらい事なので、トレーニングの時などに実際に様々な使い方を見せたりして説明し、予算と相談した上で操作性に問題ない装備を購入してもらう事になります。
たまに体験入隊時の申し込み時に、ガンも装備もすぐに買う予定です。という内容を書き込んでくる方もいらっしゃいますが、初心者が考えるサバゲと実際のサバゲとは現状がかけ離れている事も多く、雑誌等に掲載されている物をそのまま購入してしまうと色々と問題があったりして、後から買い直してしまうことも珍しくありません。
あせることなど何も無いのです。
入隊していただいた時点で同時に様々なアドバイスも受けられるからです。
但し、それなりの予算が必要である事は、十分に事前説明をしましょう。
もう一つ重要なのがBDUです。
これは戦闘において欠かせぬ装備であり、チームが使用しているフィールドや、よく利用する有料フィールド等の植生にマッチしたBDUを選ぶように助言してください。
様々なBDUが市販されていますので、それほど悩む事もありませんが、確実な戦果を求めるならブラック系統のBDUだけは除外させるべきです。
スワット装備などをアウトフィールドで身につけているゲーマーを見かけますが、あのような色彩は自然界には存在しないので、ブッシュの中に身を隠していても簡単に発見されてしまいます。
このようなBDUは建物等のインドアフィールドや市街戦フィールドで装備してください。
これは蛇足ですが、たまに見かけるゾンビゲーマーになぜなのか黒系統の装備を身に着けている者が多く、また黒い装備に白いBB弾が当たるわけですから、着弾をはっきりと視認できるわけです。
まぁ、この事は老眼気味の自分の見間違いであって欲しいものです。
さて、話を戻しましょう。
以上の事を理解していただき、これから始めていくトレーニングやフィールドでの行動に差し支えない装備を整えさせます。

次の段階から実際のサバゲや射撃に対しての教育となっていくわけですが、自分はまず入隊者たちに「いままで覚えた知識や技術はすべて忘れてください」という事をお話します。
多かれ少なかれ皆驚くかと思いますが、先に述べたとおり間違いであったり無意味な知識をすべて削除してもらわなくては、今後の教育に差し支えるからです。
その代わり常に正確な情報知識を入隊者に提供しなければなりません。
当たり前の事ですが、初心者というものは常に色々な事を知りたがります。またそうでなければチームとしても困りますよね。
「ネットの動画で見たのですけど・・・」「サバゲの専門誌の記事なんですけど・・・」「海外のサバゲ情報なんですけど・・・」
このような質問は当たり前のようにされますので、過不足無く正確に答える必要があります。
ただ注意すべきは過不足無く答えるという事です。
知識という物は技術と同じ様に、必要なものを必要なだけ与えるべき。と自分は考えます。
例えば、初心者ほどガンにスコープを乗せたがる傾向が強くなりますが、初心者に「ガンにスコープを乗せると何か変わるのですか?」というような意地悪な質問をたまにする事があります。
大概は、ちょっと考えてから「弾が当たるようになる」という答えが返ってきます。
その答えを耳にした自分は、ちょっと微笑みながら「逆です、当たらなくなってしまいます。意味が無いので外してください」
そう言われ、せっかく買ったばかりのスコープを渋々外してトレーニングに望むわけですが、この時点でくどくどとガンとスコープの理屈を説明するような必要性は全くありません。
それ以前にノーマルサイトの照準調整のやり方、ホップ調整の理屈、射撃姿勢の造り方、素早いマガジンチェンジなど、覚えてもらうべき事は沢山ある訳で、一丁のガンを問題なく運用できるようになるにはそれなりの時間と知識技術が必要であり、スコープがどうしたなどという話は遥か先のことなのです。
更に面倒な事ですが、教える側の人間にも同じ事が言えます。
自分の使っているガンを完全に運用できる事が前提条件であり、それに対するあらゆる質問に答え、また自分が教えている事を初心者たちの目の前で実践できなくてはインストラクターは務まりません。
当然ですが、質問の答えがあやふやな者や、口にした事を実際にできない者の話など、誰もまともに聞こうとはしなくなります。
インストラクターを務める者は、常に技術と知識を高める努力を惜しまない事です。
次に入隊者たちの性格や練習量に対する習熟度を見極めていく能力も必要となってきます。
何ができて何が苦手なのか。教えられた事を実践しようとしているか。フィールドでの動き方は。アタッカーとライフルマン、どちらに向いているか・・・?
などの事情を各自の性格や状況の判断能力などと合わせて考え。今後の個別指導のプランを練っていく必要もいずれ出てきます。
これらの事はチームリーダー、又はインストラクターだけで判断せず、サブリーダーや他の古参メンバーとも話し合って、慎重にプランを進めていってください。
非常に難しい仕事であることは賢明な皆さんには十分お分かりかと思います。
しかし、無理やあせりは禁物です。
人間という生き物は、その能力にこれすべて個人差があるのは当然であり、高い能力や技術を習得していくには常に努力と向上心を忘れぬ事と、それを手助けしてくれる環境を整える事にあるのです。
せっかくあなたのチームに入隊してきた仲間なのですから、サバゲに対するあらゆる支援を与えるべきでょう。
このように考えていけばメンバー達がお互い気をくばるようになり、同時に連携の強度にも繋がって行きます。
また、それができてこそのチームといえるのであります。

一人前の兵士に育つには通常5年程必要と考えて自分はメンバーを育てるようにしています。
その時間が長いと考えるか短いと考えるか?
それはチーム全体で考えるべき問題であり、指導してきた事が正解か間違いであったかは、いずれチームが残してきた実績が物語ってくれる事となるでしょう。



最近ネットやサバゲ雑誌を見ていると見慣れぬ言葉を見かける事が多くなりました。
ウェブドミネーター・・・?
某アニメの公安組織が使っていたあの強烈なガンの事か?
クイックピーク・・・??
新規参入のアウトドアメーカーか?

なんなのだ、いったい・・・???
そのたびに調べてみるのですが、初めて見る色々と便利な道具がネットショップに並んでいたり、フィールドでのテクニックを動画で紹介してたりしますね。
ちょっと驚いたのはこのクイックピークというテクニックを説明している動画を見たときでした。
簡単に説明すると、進行方向の状況を確認したり、バリケード越しに敵と対峙するときのテクニックの一つで、ヒョイヒョイとバリケードの影から顔を出して撃たれない様に前方を確認したり攻撃に繋げていく方法を指してそう呼ぶようです。
我々古参から言わせれば大昔にすでに目にしていた方法で、もう10年以上見る事も無かったので、すでに滅んでしまったテクニックかと思っていました。
それがなぜか最近になって有料フィールドでチラホラと見かける事が多くなり、「へぇー、懐かしいな」なんて考えながらサバゲしてました。
いったい誰が教えてるのかな?なんて疑問を感じていたのですが、まさかネットで紹介されているとは思いもしませんでした。
こう言っては問題ありなのかも知れませんが、あまり意味のあるテクニックではありません。
当時すでにこのクイックピークと呼ばれるモノに対処する方法を自己流ながら確立していたために、今更フィールドで見せられても、大した苦労も無く排除してしまいます。
この技術が広まらなかった理由はこの辺りにあるように自分は思うのですが、新たな方法論と共に現代によみがえってくるのですから不思議なものです。

東北地方や北海道はここ数日強烈な寒波に居座られて、大変な状況になっております。
早く冬が終わって欲しい。
心よりそう思います。

では、また。







































  


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2016年12月24日

射的そして射撃

こんにちは、MBホーネットです。

寒くなりました。
ここ八戸市でも例年より早い降雪を向かえ、冬の訪れが早かったように思います。
チームとしての活動も11月いっぱいで終了、来期の活動までサバゲは冬眠期間ととなります。
フィールドから雪が消えるまでサバゲはお休みですが、この期間のんびりしているわけではありません。
夏の間にできなかった事、ガンの使い方、技術のブラッシュアップとなります。
人間とは不便な生き物で、ちょっと時間が経つと基本を忘れ、おかしな自己流の撃ち方やクセが身についてきます。
それをほおっておくと身体に染み付いてしまい、矯正するのに苦労する事になります。
冬。寒く暗く辛い季節ですが、来期フィールドでのステップアップのために力を溜めて行きましょう。


サバゲも一段落したこの時期、トレーニング期間と重なってちょうどいいタイミングですので、今回はガンを取り扱う者の最大のテーマである「弾を当てる」という事についてお話したいと思います。

最初に皆様がガンを手にした時に撃ったターゲットは何でしょうか?
ガンの箱に付属されたターゲットペーパーでしょうか。マッチ箱?、ペットボトルの蓋?、カセットコンロのボンベのキャップ?、いきなり人を撃ったという方は余り聞いた事がないので、こんなとこでしょうか?
つまり最初にガンを手にした者が試したくなるのは、そのガンの持つ「精度」という事になります。
照準したターゲットに、ボツンと穴が開き、狙った蓋が弾け飛ぶ快感はガンを撃った者にしか分からない独特のモノです。
次に試したくなるのは、どれだけ遠くのターゲットに当てる事ができるのか?、又はより小さなターゲットに当てる事です。
この段階で「精度の追求」という事になります。
そして、この精度追求というテーマはガンを趣味とする限り永遠に続きます。
狙ったターゲットを正確に撃ちぬく。
これが射的の原点です。
現在は様々に枝分かれし、ひたすら一点の精度を追求するブルズアイ競技から空中に射出されたターゲットを撃ち落すクレー射撃のように、多彩な競技として皆様に親しまれておりますね。
ここ日本でも、トイガンによるAPSカップが有名です。
さて、我々サバゲーマーもガンの能力の追求というテーマから目をそらす事はできません。
まずはサバゲを始める前に、最低限人間の上半身くらいに当てる程度の腕がなければフィールドに入る意味はないのでは?と自分は考えます。
しっかりとした取り扱いとマナーを学び、射的の基礎を身に付けた者と、全くの素人がなんの知識経験もないままフィールドに入るのでは、すでに出発地点から差がついてしまいます。
敵に発見され、派手に銃撃を受けたのにカスリもしないという現象を、皆様もフィールドで幾度か経験した事があるのではないでしょうか?
自分も有料フィールドに遊びに行くたびに良く経験します。
連続する銃声とともにBB弾特有の白い弾道が周辺を飛んでいきます。
ステップバックと共に銃撃してくる敵を確認し、立ち木やバリケードの陰から3発のセミオート射撃を加えます。
ヒットコールが聞こえ、不思議そうな顔でこちらを見ながら退場して行く者、驚いた顔を見せる者、首を傾げる者、どこから銃撃されたのかすら気がつかない者・・・その反応は様々ですが、彼らの心情は一様に「えっ、当たってないの!?」ではないでしょうか。
彼らの殆どは撃ちだされたBB弾を見てから弾道を調整しています。つまり最初の数発は全くの外れ弾という事になる訳です。
撃たれたこちら側としては、ありがたい事に、狙っています。と宣言されてから撃たれるようなものなので、やすやすと回避できるうえにその所在までも教えてもらっているような状況なのです。
最初のうちはそれでも楽しいのでしょうが、ちっともヒットを取れず毎回簡単にキルされるようでは、いずれウンザリしてくるのではないでしょうか。
このような観点から見ても、最低限の練習と知識を身につけるべきだと自分は考えるのです。

では本題に入りましょう。
まずは射的です。
ここで学ぶべき事はガンの取り扱い方、正しい照準の取り方、マナーとしっかりした射撃姿勢です。
つまりは基礎知識も同時に学ぶのです。
ガンの取り扱い、ガンの撃ち方、弾をターゲットに正確に撃ち込む。
この三つは連続した一つの動作として、普段は特別に意識する事無くガンを扱っているかと思います。
しかしこの三つは似て異なる物とお考えください。
安全なガンの取り扱いと様々な体勢からの射撃、そして撃った弾を正確にターゲットに入れるには、それぞれ別々の知識と技術が必要です。
まずガンケースから取り出したガンの現状を確認します。
ボディに傷やヘコミ、クラック等の異常がないか、セーフティは掛かっているか、バッテリーやガンのコード、コネクターに異常はないか、ダットの状態は?、マグウエルを覗いてゴミや泥等の異物はないかなど、ラフチェックは必ずおこなってください。

最初は室内での練習が楽でしょう。
5メーターから7メーターも距離があれば十分です。
ダンボールの板に黒点を描き、それを撃ちます。
出来れはガンの上手い人に横についてもらって、アドバイスを受けながらの練習すれば上達が早いかと思います。
最初は上下左右バラバラに弾痕が散ります。
ダットサイトやスコープなどは練習の障害になるだけです。シンプルなアイアンサイトで、一点を照準する練習を繰り返してみてください。
ここで重要なのは安定した射撃姿勢と呼吸の調整、そして正確なトリガーコントロールです。
以前のブログで説明した通り、ガンを4点でしっかりと支持し、呼吸とともに揺れ続けるフロントサイトを,自分の心のタイミングに合わせてターゲットに入れます。その動作とトリガーのコントロールを同調させるのです。
言葉で表現するのはちょっと難しいのですが、簡単に言うと、全ての動作と心のタイミングを、トリガーを絞り落とすその一瞬に同期させるのです。
どれか一つでもずれると思ったところには決して着弾してはくれません。
初心者の射的を見ていると、まずジーッとターゲットを照準し続けて、サイトが合った瞬間にトリガーを落とします。
つまりサイトが合うタイミングを待ってからトリガーを落とすわけで、これでは全ての動作を同調させるのは至難の業となります。
揺れ動くサイトが合うタイミングを待つのではなく、積極的にサイトをターゲットのセンターに持っていくのです。
ここで重要視すべき事は当たった当たらないではなく、どれだけ小さく集弾をまとめる事ができるか。という事です。
先に書いた要素の同調率が高まれば高まるほどグルーピングは小さくなり、最終的にはワンホールとなります。
射的の最終的な目標は自在にターゲットに弾を撃ちこむ事にあるわけで、ここでのトレーニングはいずれ射撃の基礎としても非常に重要な位置を占める事になります。

続いて射撃のトレーニングと続いていく訳でありますが、傍目には練習の内容に特に大きな違いはないように見えでしょう。
タロンの室内トレーニングの様子を初心者が見ても、ただ黙々と何枚かのターゲットに弾を撃ち込んでいるだけで、その違いは分からないかと思います。
では射的と射撃では一体何が違うのでしょう。
一番の違いは銃口を向けるターゲットの違いです。
射的では一方的に撃つだけの物だったターゲットが、走り、隠れ、撃ち返し、時にはこちらの裏をかこうとし、そして複数に増えたりします。
つまり敵という反撃してくるターゲットに変化すると同時に、敵から見る自分もターゲットであると認識されている事です。
この状況下を射撃戦又は戦闘状態と呼ぶものであり、射的の技術だけでは状況を突破する事は難しくなってきます。
この段階では戦闘状況を読み、それに対応する知識と能力が必要となってるわけです。
それは大きく分けて二つあります。
まずは射的技術の延長となる能力です。
例えば、走っている敵のどのくらい前を撃てば当たるのか?。同時に射撃戦に入った時、敵より早く撃てるのか?。今の位置からバリケードの隙間に見えている敵に当てる事が可能か?・・・など自分の射撃技術を正確に判断し、そして全力を出し切る事ができなければなりません。
ここで新たに修得しなければならない技術「正確な距離の把握」という問題が出てきます。
これは射撃には必要不可欠な要素であり、射撃技術の優れた人間ほど、この空間認識能力が高い事になります。
お互いの相対位置を正確に割り出せなくては動き回るターゲットに当てる事は難しいでしょう。
また、遠距離の敵を撃つ状況は難しいであろう事は、サバゲを数回こなせば直ぐにお分かりになることと思います。
まあフルオートでバラ撒けば何とかなる事もありますが、偶然に頼っているようでは当てたのではなく、たまたま当たっただけの事であり、それが毎回通じるほどサバゲは甘いモノではありません。
自分の能力で正確に撃ち込める距離を理解することが、射撃技術を向上させるための前提条件の一つとなります。

では何が遠距離射撃を難しい物にしているのでしょうか?
まずは最初に述べた距離の正確な判断、そして風読みの技術、次に自分のガンの精度とホップ強度の把握、着弾までのタイムラグの間にターゲットがどのように動くのか。明るさの違いによる距離感の変化、プラス使用しているBB弾の重量による弾道の低伸度の差や精度誤差など、きりがないほどの複雑な要素が絡んでくるため、戦闘と言う状況下で瞬間的な判断をするには射撃管制システム並みの計算能力が必要となるからです。
当てる自信のない遠距離攻撃は敵に警戒されるだけで、余り意味の無いモノと考えるのが無難でしょう。
また、遠いか近いかという判断は個人の射撃技術に大きく左右されるものであり、腕のいいゲーマーは時にとんでもない遠くの敵に正確な一連射を撃ちこんで見せたりもします。
この技術だけは無意識下の弾道予測が必要であり、身につけるにはかなりの練習とセンスが伴います。

サバゲで直面する難しい状況を打開、又は有利に運ぶにはもう一つ「戦況判断」と言う技術が必要になってきます。
これは刻々と変化する状況に対応するための物であり、ただただ目の前の敵と撃ち合うのではなく、次に起こりうる状況を有利に進めるための予測判断と常に周囲の警戒と変化を見逃さず戦況判断の材料とする能力です。
自分が戦う時に心がけている事は、できるだけ戦闘をしない。という戦い方です。
おかしな表現に聞こえるかと思いますが、敵に気づかれること無く一発で倒してしまえば、自分が被弾するリスクは極限まで低くする事が可能という考えに基づいています。
逆にダラダラといつまでも撃ちあっていては、良い事は一つも無いであろうことは賢明な皆様にはお分かりかと思います。
敵を撃つという行為自体は何も難しい事ではありません。
その攻撃態勢に入るための様々な下準備の方が遥かに難しいのです。
素早く走り、バリケードの影に隠れ、匍匐し、敵の裏をかく事を考え、時には他の敵に撃たれるかもしれないプレッシャーに耐えながら、影のように静かに歩を進めることもあります。
そういった苦労が無事実れば、敵に全く気配を悟られず1発喰らわせることができるわけです。
そのためには、次の状況を考えながら戦闘を継続していかなくてはならなくなります。
味方の位置、敵の位置する方向と距離をしっかりと把握しながら戦う事で、ずいぶんと楽に戦いを進める事ができるはずです。
戦いに勝利を収めるために必要な物はハイサイクルガンや長射程のガンなどではなく、しっかりした技術、正確な知識、戦況を判断できる経験です。
例えるとするなら、木刀を持つ剣術の高段者に真剣を手にした素人が挑みかかるようなもので、結果を見るまでもないでしょう。
そして信頼できるチームメンバーがいれば、それは最高の剣と盾となります。
戦闘能力の高いチームと、それを十全に使いこなす指揮能力があれば、どのような敵を前にしても恐れる事などないのだと、自分は確信しています。


とある会場を借りておこなっているトレーニング風景です。














2016年もあと数日で終わります。
皆様、今年も充実したサバゲライフをお楽しみいただけましたでしょうか?
また来年も皆様とフィールドでお会いしたいものです。

師走で慌しい状況ですが、風邪、事故などに気をつけて、良い新年を迎えてください。
では、また。

2016年12月24日  BLACK TALONリーダー MBホーネット











































  


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2016年10月23日

無線機、ハンドシグナル

こんにちは、MBホーネットです。


10月も後半を迎え、我々ゲーマーの主戦場となる野山も秋の気配がいっそう濃くなってきましたね。
朝夕の空気に冷たい物を感じるようになってきました。
果物が美味しい反面、今年も大好きな夏が過ぎ去っていきました。

しばらく更新をサボっていたので、近況など身近なお話を最初にしたいと思います。

まずは2016年三沢基地航空祭のお話です。
青森県最大のミリタリーイベントに今年も行ってまいりました。
今年は最高の天候に恵まれ、ベストな環境の航空祭となりました。
ただ、米軍側からの参加機が目に見えて年々減っていくのは残念でなりません。
今年はこれと言っためぼしい機体も殆どなく、毎年足を運んでいる自分としては幾分物足りなさを感じました。
来年はもう少し展示機が増えて欲しいものです。



この機体はちょっと珍しいです。
アメリカ海軍のCH-53Eですね。
このヘリは初めて実物を間近で目にしました。
飛んでいるのは見た事があるのですが、目の前で見るとその大きさに圧倒されますね。



巨大なローターとエンジン、窓の斜め下に見える穴の開いた箱のような装置は増設されたフレアー射出装置のようです。
余りにも後付け感がありすぎて、ちょっと笑ってしまいました。



ズラリと並んでいるのは乗員が座るトルーパーシートです。自分も腰掛けてみましたが、さすが軍用品、座り心地は余りお勧めできないです。



そして圧巻のコックピットです。
航空機のコックピットを見るたびに感じるのですが、この計器の群れを全て理解するなど自分には到底不可能です。



お隣に展示してあったUH-60 ブラックホークです。最初目にしたときは大きく感じられたものですが、CH-53と比べると2周りほど小さく見えます。
ご家族に自分の愛機を見せているのでしょうか?軍用機に似つかわしくないアットホームな場面に思わずシャッターを切ってしまいました。





毎度おなじみの短SAMとVADSです。
防空圏を敵機に突破された時の最終防空システムです。
意外に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、対空機関砲であるVADSの多銃身の砲口は均一には並んでいません。
これは散弾銃のように目標を弾幕で包み込むようにセッティングしてあるからなのだそうです。
ファントムのバルカン砲も同じように扇状に弾幕を形成するようなセッティングにしているそうです。



いよいよ本命の出番です。



青空を貫く一本の矢です。



自衛隊機最後の展示飛行をおこなった記念カラーのF2です。





今年の航空祭も終わりです。
次々と機体が帰っていきます。
また来年も来ます。
自衛隊そして米軍の方々お疲れ様でした。


雑談

今年は真夏から10月初旬まで暇があればとにかく有料フィールドに通っていました。
風のない時などあまりの暑さに頭蓋骨の中で脳味噌が煮えそうになりました。
今年の夏はここ東北の地でも容赦なく猛暑が襲い、あまりの暑さにタロンのメンバーも「気持ち悪くなってきたので帰ります・・・」
と、一人抜け二人抜けて、とうとう最後は2人だけになってしまった事がありました。
3リッター以上用意した飲料水が午後3時過ぎには底を着きそうになったのですから、異常な暑さであることはお分かりいただけるかと思います。
日ごろから熱中症については注意喚起しているので倒れるような者はいませんが、何はともあれ真夏のスポーツや作業は十分な注意が必要ですね。

ダットサイト



ご覧の通りレンズが破損したダットサイトです。
以前のブログで、ここ10年以上ダットサイトには弾がかすった事もないのです・・・
というような書き込みをした事がありましたが、今年になって前言撤回しなければならなくなりました。
と、言うのも、とある有料フィールドに遊びに行くと高確率でダットサイトが破損するのです。
一つは捨ててしまったので、画像には二つしか乗っていませんが、7月から9月くらいの間に三つ壊れました。
一つはバリケードにぶつけてしまったのですが、後の二つはBB弾の直撃が原因です。
それもどういう因果関係があるのかブラックマサダに限ってダットが壊れるのです。

画像のダットサイトはJH400と呼ばれるモデルでここ数年愛用しています。
四種類のレティクルを選べる上に7段階の光度調整が可能で、真夏の強烈な日光の下でも滲みのないはっきりしたレティクルを投影してくれます。
またしっかりとした諸元表がついてくるのも安心です。
ただし安物のレプリカも多数出ているのでネットでの購入時には間違わないように注意が必要です。
一度同型モデルの廉価版を覗いた事がありますが、コーティングレンズを使っていないためか、にじみが酷く、またパワーも弱いので陽光の下では見えずらいですね。
ガンにばかり気をとらわれずサイト類にもしっかりと予算をかけましょう。
ガンと言う機械は銃弾を射出するため装置にすぎません。
高額な予算をつぎ込み、いかに精度を追求したガンでも、サイトがいい加減な物では何の意味もありません。
最近ゲームのヒット率に不満を感じているようでしたら、ガンを考えるよりもサイトと自分のトリガーコントロールを見直してみてはいかがですか。
何か欠けている物が見つかるかもしれません。

さて話を戻しましょう。
最初に壊れた時には「まぁ、こんな事もあるさ」などと笑っている余裕もあったのですが、次回のゲームで新品のダットに直撃弾を喰らうと流石に面白くないモノを感じ、レンズシールドなる物をアマゾンで見つけました。
値段も手ごろなので、手に入れてとりあえずマサダに乗せてみました。
「う゛っ・・・これは、ちょっと不細工だな」
後づけ感いっぱいで、スマートなマサダには今二つばかりマッチしません。
「いらない、格好悪い・・・」
せっかく手に入れたのに、いつもわがまま虫が出てテーブルの上にポイッです。
またまた新品のJH400だけをブラックマサダに乗せて、サイトのアジャストを済ませて翌日のゲームに望みました。
結果は画像の通りです。
バリケードの影に隠れていた自分に10数発の弾が撃ちこまれ、集中力を欠いていたのでしょう。左にスイッチしていたマサダに被弾してゲームアウトしてしまいました。
チャンバークリアの時に砕けたダットサイトのレンズが目に入り「なんじゃこりゃあっ!!」状態です。
二ヶ月の間にダットサイトを3つも壊したのはちょっと珍しいのではないでしょうか?
しかも特定のフィールドだけで、交互に使っていたのになぜ片方のマサダだけに不幸が押し寄せるのか、なんとも不可解な現象としか言えません。
流石にわがままばかり言ってられず、もう一つ購入して両方のマサダにレンズシールドを載せてみました。



なんとも締まらないですよね。

これ以上ダットを壊されてはたまらないので、しばらくはこのままのスタイルでゲームに望む予定です。
オープンダットにもキルフラッシュのようなタイプのレンズシールドがあればありがたいですね。
とはいえキルフラッシュだと視界が暗くなってしまうのでオープンダットに付属しているレンズキャップのように、上からスポッとかぶせるタイプのレンズガードがあれば一番使いやすいかと自分は愚考します。
どちらかのメーカーで作ってはいただけれは真にありがたい限りであります。


無線機とハンドシグナル

最近のフィールドで無線機を使っているチームの方たちを見かける事が多くなりました。
自分たちもずいぶん昔から無線機を使ってサバゲをしていました。
これがあればフィールドの反対側で交戦しているメンバーからも情報を得る事ができる便利なアイテムです。
ところが最初にチームで装備したときは爆笑と驚きの連続でした。
ろくに無線機など触った事のない者ばかりで、電話感覚で話し出すものですから、もうメチャクチャです。
「敵が見えるか?」「前の木の陰に1人いる」「見えない。どの木だ?」「15メーターくらい前の木だ」「見えない。どの辺りだ?」「15メーター前に木が三本並んでいるだろう。その下だよ」「俺からは見えない。どの辺に潜伏しているんだ?」「・・・」
ざっとこんな具合に、たわけた会話をパースントゥパースンでプレストークボタンを押しっぱなしにされてしまうので、交流戦の時など30名以上いる他のメンバーと交信不能になってみたり、笑い話では「こちら○○、△△君今どこにいる?」「こちら△△、今□□君の後ろにいます」
はっ、何ですかそれ・・・いったいどこにいるのよ???
とまぁこんな具合でした。
タロンでは新人メンバー意外は全員装備していますが、交戦時無線機の取り扱いの基本程度は教えるようにしています。
要は簡潔明瞭である事が重要です。
便利づくしな無線機ではありますが、 特定小電力無線機以外の無線機は殆どが免許が必要です。
また、ネット等で手ごろな値段で販売している無線機には、海外製で日本国内での使用が禁止されている物もありますので注意が必要です。
とはいえチームメンバーでの情報共有が可能になる非常に便利なアイテムですので、予算に余裕があれば迷わずチームでそろえるべきでしょう。
意外かも知れませんが、この時に注意すべきはPTTスイッチとイヤホンマイクなのです。
ネットで調べれば様々な種類が販売されていますが、どのタイプも普通の状況で使うには何の問題もありません。
ただ、サバゲで使うには様々な問題が絡んでくるのです。
無線機本体はタバコの箱程度の大きさでさほど邪魔になる事もなく、メーカー品を適正価格で購入すればこれといった問題はありません。
但しその無線機を戦闘装備に組み込むとなるとちょっと苦労する事となるでしょう。
まずプレストークボタンとなるPTTスイッチを装備のどこに装着するかという問題です。次にどんなイヤホンマイクを選択するかが悩みどころです。
PTTスイッチとイヤホンマイクは当然コードで繋がっているわけで、そのコード周辺にはマガジンやらドローコード、スリングやらの様々な装備が存在しているのです。
変なところにコードを取り回すとマグチェンの時に一緒に無線機のコードまで引っ張ってコードが抜けてしまったり、ガンをスイッチする時にスリングやガンにコードが絡まってイヤホンが耳から抜けてしまったり、ブッシュを走りぬけたときに最悪枝に引っ掛かってコードが断線するような場合もあります。
またイヤホンマイクもヘッドセット型の大型の物から方耳に差し込むモノラルタイプの簡易な物、方耳から口元にマイクが伸びるブームタイプ、ちょっと珍しい物では、声帯の振動を拾うスロートマイクという物まで多数存在してます。
頭骨の振動を拾うマイクレスイヤフォンという新しいシステムも出てきました。
購入する時まず注意すべきは、我々ゲーマーは必ずゴーグルを装着しなければならず、このゴーグルが少なからずヘッドフォンに干渉してくるという事です。
この辺りも十分考慮して自分の装備に当て嵌めてください。
そしてどのタイプもなにかしら一長一短があるという事も注意すべき一つです。
例えばヘッドセットタイプの大型の物は周囲の音を増幅する機能があったりして便利ではありますが、どうしても大きくなってしまうので動き回るスタイルのゲーマーには不向きです。
また耳全体を覆ってしまうので暑い季節には敬遠したくなりますね。
耳朶に引っ掛けるタイプでマイクとイヤホンが組み込まれている物は軽く装着感も少なく、比較的安価で手に入るのですが、反面耳から外れやすく、大きな声で話さないとマイクが音声を上手く拾ってくれません。
小型のヘッドフォンのように両耳を挟むタイプのブームマイクは一番使いやすく感じ、十年以上愛用しましたが、これもゴーグルのバンド部分が干渉するうえ、ガンをスイッチするとストックにマイクが干渉します。
スロートマイクは装置自体が首に装着するのでゴーグル問題は解消されますが、製品によってはストックを頬付けする時に邪魔になったり動き回っているうちに喉のマイクがズレてきたりする事もあるようです。
最近は値段もだいぶこなれてきましたが、それなりの価格の物を選ばないと声を上手く拾ってくれない、音声が低くて良く聞こえない等のトラブルもたまに聞こえてきますね。
簡単ですが、これから無線機の購入を考えていらっしゃる読者の方々に何らかの参考になれば幸いです。
もちろんこれ以外にも色々なイヤホンマイクが出ていますので、装備や使い勝手を考えながら調べてみるのも楽しみの一つですね。

そして無線機が使えない又は使いたくない状況下で役立つのはハンドシグナルです。
ハンドサインとも言われ、戦争映画などでも特殊部隊系の隊員達が戦闘シーンなどで使ったりしていますので、映画好きの方達は良く目にするかと思います。
サバゲで必要なの? とか、無線機があれば必要ないのでは? 
当然そのような疑問を覚えるかと思います。

ちょっと話しが飛びます。
一番最初に入隊したチームではハンドシグナルを結構使わされました。
分からないなどと言おうものなら当時のリーダーに怒鳴りつけられたもので、割と真面目に覚えました。
流石に全てではありませんが、今でも覚えています。
当時はゲームが終わって雑談している時や、チームのキャンプや飲み会の席でリーダーが突然隣のメンバーに何かささやくのです。
するとささやかれたメンバーが隣の者にハンドシグナルを送ります。
それを繰り返して一周すると、最後のメンバーがリーダーに受け取ったシグナルの内容を報告するわけです。
面白い事に一周しただけでリーダーの話と全く違う情報に変わっていたりしたことも何度かあって、リーダーに内容を聞かされると全員が大爆笑したりする事もありました。
もちろんその後は全体責任で、その場の全員が腕立て伏せです。

自分が使っているのは当時の物を多少アレンジしています。
アメリカ軍が使っているシグナルを基本としていますが、サバゲ用に使いやすく特化したものです。
ではどのような状況でシグナルは使われるのでしょうか?
中堅、古参の方々は言うまでもなく御存知かと思いますが、音を出せないような状況下での周囲のメンバーへの指示伝達のための手段です。
簡単に説明すると、無線機では近すぎ、会話音声の伝達では距離がありすぎるような状況下。
又は異常に敵に接近しているCQCのような状況下での、状況、指示の迅速な伝達の手段として有効です。
やり方としては、指示を送るメンバーとしっかり視線を合わせ、通常の会話の順番でシグナルを送っていきます。
多数に指示を出す時は何かの合図を出して全員の注意を集め、全員の顔を一通り見回してから指示を出します。
移動中のシグナルは、先頭を進むポイントマンの左手の動きに注意するように日頃から訓練しておく必要があります。
最も行軍中のシグナルは単純な物が殆どなので、簡単に覚えられると思います。
シグナルの種類はネットで簡単に検索できるかと思いますのでここでの説明は省きますが、そんなに沢山覚える必要はありません。
頻繁に多用するものから15~20種類も覚えれば十分です。
バリケード一枚向こうに敵が潜伏しているような時や、アンブッシュしている状況下で接近中の敵を発見した時に敵に気取られない命令伝達方法は、ハンドシグナルしかありません。

チームメンバー全員が習得する必要性と地味な技術で余り訓練意欲も沸かないかも知れませんが、練習自体がチームメンバーの連携を高める副次効果もあるので、機会があったら是非訓練内容に組み込んでみてください。
最近はタロンチームでも新人メンバーには教えておりませんので、頃合をみて教育の必要がありますね。



最近有料フィールドに遊びに行ってると様々な方々に声をかけられる事が多くなりました。
「ブログ読んでますよ」とか「次の更新楽しみにしてます」とか、声をかけられた本人がびっくりしたりしてます。
面識のない方々から好意の声をかけられたりすると、今更ながらネットの凄さを思い知らされたりもします。
このような小さなブログですが、できる限りこれからも続けていく所存であります。
記事のリクエストがお有りでしたら遠慮なく書き込んでいただければ、出来る範囲ですがリクエストにお答えいたします。


さて、朝晩がだいぶ寒くなってきました。
ひ弱な自分には衣類の調整が大変なのであります。
先日病院で風邪を移されたらしく、えらい難儀な目にあっています。
10日近く寝込んだ挙句、いまだ完治していません。
インフルエンザ並みの猛威であります。
自分には風邪でも重篤な病気に繋がる可能性があるから気をつけてくださいと、看護師さんにまで叱られるオマケまでつきました。
皆様も風邪には御注意ください。
病院にいって病気をもらっていたのでは、冗談にしても笑えません。

では、また。
































  


Posted by TALON  at 02:45Comments(0)