2019年11月23日

オートマチックvsリボルバー

皆さんご無沙汰しています。

大分寒くなってきましたね。
ここ東北の地では紅葉の時期が過ぎ去り、いよいよ本格的な冬支度に入っております。
つい先日も八戸市の郊外では雪が路面を覆い、まだ夏のタイヤで走っている自分も、冬に向けての覚悟が必要となってまいりました。
大嫌いな冬が訪れる最初のオープニングセレモニーは、車のタイヤ交換から始まります。
ごつくてメチャメチャ重たいタイヤを、スペアも含めて5本も交換するのはおもいっきり腰にきますね。
またタイヤを交換することによって、趣味の山ツーリングもシーズン終了を迎えるわけです。
本格的に雪が積もらないうちはちょっとした林道程度なら入れない事も無いのですが、スタッドレスタイヤは泥道や荒れた山道を走れるようには出来ていないので、スタックしたり最悪タイヤが裂けてしまう可能性もあります。
いかに高性能な車でもタイヤの性能以上には走ることは出来ないので、ちょっと興味を惹かれるような山道を見かけてもジリジリした思いをかみ締めながら虚しく通り過ぎなければなれません。
雪が積もったとしても現在のスタッドレスタイヤはアイスバーン性能に重点をおいた設計になっているようなので、意外と積雪には弱いですね。
むしろ普段履いているダンロップのマッドタイヤの方が雪に食いつきます。
20~30センチ程度の積雪等ものともせずにガンガン走ってくれます。
もちろんアイスバーンでは滑りまくりでしょうから、雪より凍結路面のほうがずっと多い八戸ではスタッドレスタイヤは必須という事になります。
同時にサバゲシーズンも終了です。
今年も無事にシーズンが終わり一息ついたところです。
今年は回数はそう多くないものの、青森やら岩手やらと遠征し、楽しい一年でありました。
また、これといった事故などなくシーズンを終えることができました。
来年度まで、しばしの間充電期間ですね。


六発しか撃てないリボルバーなんて、使っている人がいるの?
ちょっとネットで暇つぶしにあちこち検索していたらこのような書き込みがありましたので、この機会にオートマチックとリボルバーのどちらが優れているか、考えてみましょう。
今回のテーマは、

オートマチックvsリボルバーです。

いきなり本題の答えを言ってしまいますが、実は世界中で沢山のユーザーが愛用しております。
確かにオート全盛の現代では、リボルバーなど古臭い前世紀のガンのように見受けられるかも知れませんね。
但しそれはミリタリーやローエンフォースメント等、対人戦闘を目的とした、ごく一部に限っての話となります。
ちょっと長くなりますが詳しく説明します。
まず、サバゲユーザーが爆発的に増えている現状では、日本で読まれる記事は当然の通りミリタリー関係であり、ガン専門誌やネット動画などの情報も9割がその情報です。
それ以外の情報はここ日本では殆ど紹介されていので、リボルバーの記事に触れる機会などまずありません。
人気の有る分野だけの、片寄った情報を与えられているわけです。
逆にガン大国アメリカでは、ミリタリー関係の情報などは人気の有る分野ではありますが、マーケットの一部でしかありません。
ガンマーケットを占める割合のほとんどが、ハンティング、スポーツ射撃、収集趣味、護身用です。
つまりガンというモノが生活に密着している社界なので、生活や趣味のために当たり前のように存在している道具であるからです。

道具と言うモノは、ある用途または必要であるという要求が高まって造られるわけです。
そして様々な研究開発が繰り返され、用途別に枝分かれ、そして進化していきます。
結果、多弾数、発射サイクルの早いオートマチックハンドガンは、銃撃戦で相手を圧倒する最適のハンドガンとして進化し続け、現在に至っています。
ではリボルバーはどのように進化しているのか?
オートマチックハンドガンの陰に隠れて目立たないだけで、着実に進化の道をたどっています。
ただ、おかしな言い方かも知れませんが、オートマチックとは全く逆のコンセプトでの進化を続けているように自分には見受けられます。
リボルバーがオートマチックより劣っている最大の問題は装弾数の少なさが挙げられます。
現在の主流である9ミリオートは15発以上の装弾数が当たり前で、馴れた人間なら数秒でリロードが可能です。
対してリボルバーでは多くても8発前後であり、それ以上の装弾数を求めれば必然的に口径が小さくなってしまいます。
リロードするにも手間がかかり、クリップやスピードローダーを使ったとしても結局オートの装弾数には到底及ばず、火力では勝負になりません。
但し、リボルバーがオートに劣っている最大の問題はこれだけであり、逆に勝っている点が沢山あります。

まずはこの装弾の問題ですが、見方を変えればオートのように複雑な操作は一切必要ありません。
シリンダーに弾をつめれば後はトリガーをひくだけで確実に発射され、オートのようにスライドを引けとかセフティを外せなどというややこしい操作など無用です。
つまり護身用として利用するなら、訓練時間はオートより遥かに短くて済む上に、ダブルアクションのリボルバーは暴発事故の危険性も少なくなります。
この点はセルフデフェンスという問題で考えれば、大変なアドバンテージであると考えます。
ある日突然に、ベッドルームで深夜強盗に襲われる。あるいはパーティの帰りなど、アルコールの入った状態で暴漢に襲われるような不利な状況であっても、犯人にガンを向けトリガーを引くだけで発砲可能であり、不意を衝かれるような攻撃に対して有効な機構を持っています。
この場合装弾数など問題にはならず、いかに早く犯人に有効弾を撃ちこめるかが生死を分ける事になります。
実際に6メーター以内ならハンドガンよりナイフの方が早い事を証明している実験等を、動画サイトで多数見受けることが出来ます。
また銃撃戦のほとんどが1~15メーター以内で行われ、最も多いのが6メーター以内であるという統計が何十年も前から出ています。
なんの予備動作も必要とせず、ホルスターからのクイックドローを考えるなら、リボルバーの方が圧倒的に有効なのです。
いくら犯罪の多いアメリカとはいえ、私生活に十分な注意を払っていれば、ガン犯罪に巻き込まれる事等そうそうあることではありません。
一生のうち一度あるかないかの状況の為に、チャンバーに装弾したオートを日常生活の中で携行し続けるのは精神的なストレスが大きく、何かの拍子にセーフティが外れてしまう危険性も否定できません。
またメンテナンスという面からみても、オートマチックはそれなりに気を使わなくてはなりません。
長時間の装弾状態によるマガジンスプリングのヘタリや、汗、湿気によるマガジンやスライド、バレルなどの内部パーツ類の錆びなどが当然出てきますので、定期的なメンテは当然必要となります。
特にマガジンスプリングのヘタリやマガジン本体の錆び付きは装弾不良を引き起こしますので、特に気を使わなくてはなりません。
アフガニスタンに駐留している米軍兵士は任務から帰還した時点で、直ぐにマガジンから弾を抜き、マガジン内に入り込んだ細かい砂を払い落とし、常にマガジンスプリングのテンションに気をくばっている。という記事を読んだことがあります。
マガジンのメンテナンスはオートマチック生命線とも言える訳です。
当然リボルバーもメンテナンスは必要なのですが、多数のステンレスモデルが市場に出回っていますので、オートほど気を使う必要はありません。
たまにハンマーやトリガー周りのパーツにガンオイルをスプレーしてやる程度で、十分に性能を維持できるわけです。

  
次に有効と言えるのは、マグナム弾のように強力な弾を撃てるリボルバーが数多く存在し、また複数の種類の弾を撃てるという点ですね。
定められた弾しか使えないオートマチック、とは対照的に、リボルバーは色々な弾を選ぶ事も出来ます。
例えば最もポピュラーな357マグナムリボルバーを例に取ってみましょう。
マグナム弾以外にも38スペシャル、38スペシャルプラスP、クリップを使えばオート用の9ミリパラ、380ACP等ジャミングに無縁なリボルバーはシリンダーに納められるサイズの弾であれば殆どの種類を撃つことが可能です。
また、ちょっと変わったリボルバーには41口径の弾と共に410ゲージの散弾を撃つ事も可能なガンも存在します。
この事は、ハンター達がサイドアームとして、また渓流釣りをやアウトドアを趣味とする人たちがトレイルガンとして愛用している事実からも伺ます。
オートと違って日常生活に携行するには、リボルバーは非常に使い勝手がいいのです。
例えば射撃の練習やプリンキングで遊ぶなら、反動の少ない38スペシャルの軽量弾を。
毒蛇の多い土地なら、最初の2発はスネイクショッと呼ばれるハンドガン用の散弾を装弾しておく。
普段は対人用に38スペシャルプラスPを装弾しているのだが、明日は鹿狩りに山に入るので357マグナムの重量弾を持っていこう。など、ガンが日常生活に密着しているアメリカ人にとって、一丁で何役もこなせるリボルバーは便利な道具であるわけです。
逆にオートマチックは弾を選ぶガンであり、9ミリパラなら9パラのみ、45ACPなら45APC以外の弾を装弾することは出来ません。
自分で弾をリロードするならパウダーの量を多少調整してパワーを上げたりすることは可能ですが、ガンのフレームに負担がかかる事となり、また無闇にパワーを上げると精度にも影響が出ます。
逆にパワーを落とすとジャムを乱発することとなり、使い物にならなくなります。
普通に市販しているアモですらガンの破損事故を嫌い、パウダーを減らしているためにジャムを起しやすいメーカーの弾もあるくらいです。
オートは弾に対しては神経質なガンであるとも言えます。

その点、構造上シンプルなリボルバーは弾を選びません。
マグナムリボルバーであれば、人間が射撃できる限界まで弾のパワーを上げる事も可能であり、現在はオートで追従不可能な領域にまで踏み込んでいます。
9ミリや45ACPの連射がオートの御家芸ならば、357Mag、44Mag、そして使いこなせる人間が限られてくる460ルガー、454カスール、500ラインバー、そして最強のコマーシャルアモ、500スミス&ウェッソンなど、マグナム弾の多彩さはリボルバーの独壇場と言えますね。
その破壊力と共に強烈な反動が伴うわけですが、アラスカのように熊を始め大型の肉食獣の天国のような国では、ハンターやガイド達がセルフデフェンスの為に当たり前に所持しております。
昔、自分の友人がトーラス社製のライジンングブルという大型のハンドガンを撃った時の感想を聞いたことがありますが、「とんでもない反動だ、手がバラバラになりそうだった」と言うような話をしておりました。
その彼は、観光のついでにちょっと撃ってみる。というレベルではなく、アメリカ中西部などのガンフェスティバルに足を運び、キャリバー50から各種ライトマシンガン、果てはミニガンから大戦中の対戦車砲まで、撃てる物なら何でも撃ってくるといったツワモノです。
熟練の経験者がそんなことを言い出すようなガンですから、とうてい素人には扱いきれるような代物ではない事は確かでしょう。


使用している弾は454カスール弾、近距離であればヒグマですら致命傷を与えることができる、最強の口径の一つです。
ただし、その手がバラバラになりそうな反動を押さえ込んで連射し、動き回る肉食獣のバイタルパートを正確に破壊しなくてはならないのです。
更に四足動物は、内臓が見かけ上人間とは全く違う位置にあり、またヒグマの巨大な前足が邪魔をして、心臓や肺、横隔膜などの中枢部に銃弾を直撃させるのは至難の業となります。
熊が気が付かない遠距離からライフル弾を当てるのとは、全く違った技術が必要となるのです。


ちなみに熊の王国である、アラスカでのヒグマの平均体重は400キロにも及び、コディアックヒグマと呼ばれる大型種となると800キロ以上にも達するようです。
後ろ足で立ち上がれば体長は3メートルに届く、まさにモンスターです。
何かの拍子に熊の怒りが爆発し、体中にアドレナリンがみなぎった状態では44マグナム弾ですら殆ど無意味です。
ましてや9ミリや45ACPなど怒りの炎に油を注ぐだけのことであり、最後の一発は自分に向ける事になります。

何か虫の居所が悪く、機嫌が悪いコディアックヒグマとブッシュの中でバッタリと遭遇してしまった場合、至近ではライフルのボルトを操作して構える余裕などありません。
おそらく自分だけではなく、熊も目の前にいきなり現れた人間に驚くことでしょう。
こちらにピタリと視線を向け、怒りの咆哮を上げる圧倒的な巨体を前に、全身の毛が逆立ち、絶叫を上げながら回れ右をして逃げ出したくなるはずです。
しかし、この一瞬を無駄には出来ません。
文字通り、己の生死を分ける一瞬なのです。
一挙動で2キロにも及ぶ巨大なハンドガンを抜き放ち、巨体の中枢部に向けてトリガーを引き絞るだけです。
もしかしたら両手でガンをハンドルする余裕すらないかもしれません。
こんな絶望的な状況下ではスライドを操作するとか、セーフティレバーに指を伸ばすとか考えている余裕など微塵も無いのです。
シリンダー内の全弾を撃ちつくし、熊が倒れるか逃げ去ってくれればこちらの勝ち、ひるんだ様子も無く飛びかかってこられたら、間違いなくあなたの人生はそこで終わりです。
有る意味究極のCQBと言えるでしょう。
大型肉食獣相手のCQBなど、どこのコンバットスクールでも教えてはいないでしょうし、人間相手の生温いコンバットとは比べ物にならないと自分は考えます。
相手が人間なら、相手の説得を試みるとか、何かのアクション映画のように一瞬の隙を付いてハンドガンを弾き飛ばすとか、素晴らしい反射神経で銃弾をかいくぐって敵を倒すとか・・・それなりに考えも及ぶのでしょうが、熊に限らず、怒り狂った大型の肉食獣相手では何一つ通用しません。
内臓を引きずり出されて、生きたままむさぼり食われる前に、最後の一発を自分の頭に撃ちこむ余裕があれば、大変な幸運であると言えるでしょう。

このような状況を想定した場合、皆さんはオートマチックとリボルバーのどちらを手に取りますか?


トレイルガン

トレイル(Trail)とは山中の小道といった意味があります。
つまり自然の中に分け入って行く時に携行するガンを指してこのように呼びます。
特にこれがトレイルガンだ。と言うような規定はありません。
自分が携行できる重量と自然環境を想定してガンをセレクトすることになります。
危険な肉食獣と遭遇する可能性の高い環境では当然大口径のガンを携行する事となり、逆に設備の整ったキャンプ場に遊びに行く程度なら22口径のガンでも事足りるでしょう。
車両での移動がメインであるなら、ショットガンやライフルも携行可能となるわけです。

とは言ってもこれはアメリカや海外でのお話です。
ここ日本では、このような理由でガンを携行することは法律上一切許されてはいません。
自分のように山中や人気の無い森林などにポツリと1人でいるような人間には、ちょっと勘弁して欲しい法律でもあります。

例えば、八甲田山の山中などで何か問題がおきて110番に連絡できたとして、携帯のGPS機能が使えれば位置を知らせることは何とかはなりますが、到着までに数時間を要するようでは、あまり意味がありません。
日本では人間に危害を及ぼす大型の獣は熊とイノシシくらいしか生存していませんが、毎年のように山菜取りや山登りの人間が獣害に遭遇する事件が報道されています。
つい最近、平成28年には青森県と秋田県の県境で山菜取りに入った男女4人が死亡、3人が重症と言う、複数のツキノワグマによる凄惨な獣害事件が起きております。
そのうち1頭は射殺されましたが、襲撃に加わった熊たちは生存していると現在も想定されているのに、いまだ山菜取り、たけのこ取りという理由で当たり前のように多数の人間が山に入っています。
先週自分はその近辺、秋田と青森の堺を移動していましたが、未だ規制線が張られ、熊の注意を喚起する看板等が多数見受けられました。
冬に向けて道路を整備しているの工事業者の現場事務所なども幾つか見かけました。
こんな所で作業をする業者の方々のご家族などは、心中穏やかではないでしょう。

ちょっと変わった事件では、八幡平にあった熊牧場と呼ばれる施設から6頭ものヒグマが脱走し、餌やリに訪れた飼育員の女性二人が亡くなるという悲惨な事件がありました。
熊や施設の管理がずさんであった為に起こった事件で、飼育場の塀付近にたまった雪山を熊が乗り越えて脱走してしまった事が原因で起こった事件であり、この事件をテレビで見たときには、なんとも言えない複雑な心境であった事を覚えています。
結局は脱走した6頭が射殺され、熊牧場は閉鎖されて残った熊たちは他の施設への移送が決まったと聞いています。
どちらの現場も自分が良く行く付近であり、熊牧場などは真ん前を何度も通ったことがあります。
この事件は平成24年と比較的最近のことです。
このような獣害事件に興味があるならちょっと調べてみてください。
大の大人ですら身震いするような、凄惨な事件が複数出てきます。
自然の驚異に対して、人間の力など全く無力であることがお分かりいただけるかと思います。
この事件が示唆するものは、危険な野生動物が存在しない都市圏でも獣害事件が発生しうる事を示しています。
今年連続で上陸している、大型の台風や集中的な大雨などで動物園等の施設が損傷を受けるようなことがあれば、同様の事件が発生する可能性は十分に考えられます。
大災害の真っ只中で、逃げ出した大型肉食獣を追跡捕獲するなど到底不可能です。
このような特異な例に限らず、山からあふれ出した野生動物が人間を恐れる事無く街中のゴミを漁ったり、畑を荒らす被害が続出していることは皆様も耳にした事があるはずです。
いつか・・・いつかは街のど真中で人間が熊に襲われるような獣害事件が発生するのでは・・・というのは考えすぎでしょうか?
それと、残念な事ではありますが、自然の中ですら、最大の脅威は人間そのものなのです。
ありえないような場所での人間との遭遇。
それは最大限に警戒すべき状況だと自分は考えます。
登山や山菜取りには到底見えないような格好で深い山中に1人でいる人間。
自分も幾度か見かけたことがありますが、こちらをじーっと見つめる者、あるいは全く目を合わせようとせず、無表情のまま地面を見つめている者。
いずれにせよ、到底友好的な雰囲気ではありませんでした。
山の中では遭遇したくないモノのトップが、得体の知れない「人間」です。



実は今日(11月初冬)、ほんの数時間前に十和田湖周辺の山奥に入り込んでいました。
16時過ぎの夕方でしたが、たまたま以前目をつけていた林道の入り口がある事に気が付き、よせばいいのに、そちらに向けてハンドルを切ってしまいました。
林道ですから通常のマップには道は表示されません。
どのくらい深いのか、どこに抜けるのか全く不明です。
グーグルマップでちょっと検索しましたが、情報は出てきません。
まいったなぁ・・・・
なんて考えつつも戻ろうとはしないのだから困ったモノです。

オートマチックvsリボルバー




途中に閉鎖の看板もなく、道も比較的整備されていたので渓流沿いの未舗装路を進みましたが、途中でロープが張られ進入禁止の看板がぶら下がっていたので、しかたなく来た道を引き返し、途中の分岐路を行くかちょっと悩みました。
渓流のうえに、ようやく車一台分の細い橋が架かっており、その橋がジープの1.5t強の車重に耐えられるのか不明なのです。

確かに車が走った形跡はありますが、タイヤ痕から推測するに軽トラの可能性が高く、また橋の手前がどろどろのヌタ場でオマケに30センチくらい冠水しているので、進路をずらされると橋から落ちます。
スタックする可能性に目をつぶり、冠水路のど真中でジープを止めてから、慎重にタイヤ位置を合わせ、橋にいらぬ衝撃を与えないようにゆっくりと走り抜けます。
そろそろ暗くなってきた森を抜け急な登りを慎重に進めます、右手は50メーターほど切り立った断崖で落っこちたら粉々になります。
ガードレールなんて物は無く、路肩の強度もまったく保証できません。
ここしばらく大雨が降り続いていたので、もろくなっている事は確かでしょう。
左側も岩山の急な斜面で、何かが落ちてくるには絶好の地形となっています。
じんわりと嫌な汗が背中ににじんできます。
早く、早く!とせかす心臓をなだめ、トランスファーをスーパーローに切り替え、2速アイドリングでジリジリと前に進みます。
体感的には人が歩く速度と変わりません。
それでもようやく道が下り始め、数分走るとちょっとした空き地で道は途切れて、その先には人口の滝が出来ていました。


オートマチックvsリボルバー




小さなテント一つくらいは張れる程度の中洲と、周辺には殆ど人の手が入っていない自然のままのロケーションにしばらく見入った後、滝の音に耳を傾けつつ、コーヒーを飲みながら一息ついていました。
長距離の運転に疲れた身体には、冷たい外気が気持ちいいのです。
ガサッ
左手の斜面から聞こえた、何かが動いたような音に思わず我に返ります。
「そう言えば、この辺りはマズイ所だな・・・」
とある可能性に考えが行き着き、疲労で半分霧がかかっていたような思考が一瞬でクリアになりました。
夕方というのは動物たちが水を飲みに沢に下りてくる時間帯なのです。
一挙動で車に引き揚げ、ヤブこぎ用のナタを手元に引き寄せ、双眼鏡で付近の様子を慎重に探ります。
サバゲで鍛えられたブッシュの中の敵を見通す目と、ハンターだった父に連れ添った経験だけが頼りです。
5分ほども周囲を探った後、表に放り出してあった椅子とコーヒーを車に放り込み、最後に周辺を見渡します。


オートマチックvsリボルバー




フラッシュの反射で腕時計の時間は確認できませんが、すっかり薄暗くなっていることはお分かりいただけるかと思います。
あと30分しないうちに、ここは人口の明かりなど一つとして存在しない真の闇に包まれます。
おそらく、周囲7~8キロ四方には人家など存在しないでしょう。
何か命に係るような問題がおきても、誰かに助けを求める事は一切出来ないのです。
たとえ熊に襲われようが、橋から車が転落し、移動手段の無いまま山に取り残されようが、全て自分の責任において対処しなくてはなりません。
こんな状況に追い込まれたとき、自分の身を守る手段が「無い」というのは心細いというだけではなく、生存方法の選択に大きな制限がかかる事になります。
もちろん、殆ど1人で行動している自分は、考えられるだけの装備を車に積んで移動しています。
ジープは元々軍用のトラックなので、いかに荒野の中を走り回ってもなんという事もない車です。
更には20リッターの予備燃料と2日分程度の食料と水、季節に合わせた車中泊セット、ロードマップにレンザテックコンパス、複数のワイヤーとロープ、ハンドウインチ等、何があっても困らないだけの装備だと考えています・・・
しかし、ここには「ガン」だけは無いのです。
もしここに一丁の12ゲージショットガンがあったなら、あるいはマグナムリボルバーがあったなら、自分の考える選択肢は大きく変わってくるでしょう。
たとえ途中の川が増水して橋を通れないとしても、何一つ問題ありません。
先程の場所に戻り、さっさと野営の準備をするだけです。
ロープと空き缶を使った警戒線を周囲に張って、不意の侵入者を防ぎます。
後は小さな焚き火を造り、その明かりの中でウインナーと卵を焼いて晩飯を腹いっぱい食べ、軽く炙ったサラミソーセージ片手に星空を眺めながらバーボンを美味しくいただきます。
そんな時、自分の脇に立てかけてあるレミントンのショットガンと腰のスミス&ウェッソンのリボルバーがどれだけ頼もしく感じるか、皆さんにも想像が出来るのではないでしょうか。
辺りを見回しても何一つ見えない真っ暗闇の中でも、この2丁のガンが持っている圧倒的な制圧力は、何者をも恐れることの無い安心感をもたらしてくれるはずです。
大あくびが出てきたら軽く周囲を片付け、身を軽くしてからジープの荷台に敷いた柔らかなエアマットに身を横たえるだけです。
357マグナムリボルバーを枕の下に突っ込んでからランタンの灯りを落とし、意識を緊張から切り離します。

オートマチックvsリボルバー




上の画像は、スミス&ウェッソンのM327PCと言う357マグナムリボルバーです。
携行性に優れた2インチバレル、M29用のNフレームに8発の357マグナム弾を装填できる大型のシリンダーを組み合わせたモデルです。
まるでブルドックの顔のような寸詰まりの、愛嬌のあるガンですが、強力なマグナム弾を8発も装弾できるわけですから、158グレイン以上の重量弾と組み合わせれば、中型の野生動物相手にも十分なストッピングパワーを発揮できるでしょう。
ただし、グリップが小さくてマグナム弾の反動に耐えられそうにないのでアメリカのボーグ社製ラバーグリップに交換してあります。
実に良く手に馴染むので、ドロースピードも上がり、命中率の向上も期待できます。


オートマチックvsリボルバー




次の画像は皆さんもフィールドで見たことがあるかもしれません。
最もトラディッショナルな、レミントンM870スライドアクションの12ゲージショットガンです。
マガジンチューブを延長して6+1=7発の装弾数とストックに5発のレディシェルをキープできるような仕様にチューンしてあります。
有事のさい、とっさにガンだけを握って飛び出したような状況でも12発以上の弾を携行できるので、大体の事には対処可能でしょう。
更には増えた装弾数でフロントヘビーに崩れるバランスを緩和する効果もあります。
また、シングルポイントのスリングが使えるように、ストックにスリングアダプターを取り付けてあるので、対人戦闘にも対応可能です。

自分的にはこの組み合わせがトレイルガンとして理想的な形態ではないかと考えます。
肉食獣を寄せ付けず、狩猟から不審者の襲撃にまで幅広く対応できるうえ、弾もパーツもどこででも手に入ります。

また、このようなトレイルガンには、長物のガンもオートよりもポンプやレバーアクションのような一世代前のガンのほうをお勧めします。
例えばM4やAKのような連射性に優れたアサルトライフルでも、チャンバーが空の状態では、装弾するためにはどうしても射撃姿勢を崩さなくてはなりません。
その点ポンプやレバーの場合、作業中に異変を感じた時など、ガンを手に取り、照準した状態から一挙動でローディングが可能です。
これは、常にチャンバーを空の状態で携行できるという安全上の大きな利点の一つです。

自分もこの2丁を手に、自由に気の向くまま野山をトレッキングしてみたいものです。
まぁ、夢で終わるのでしょうね。


今年も早いもので、あとひと月ほどで令和という新年号1年目が終わります。
今年は台風や大雨など気象災害の多い年でありました。
秋や春といった季節が短くなり、暑いか寒いかといった季節の極端化が進んでいるようです。
様々な地球環境の異変が確実に進んでいる証拠なのでしょう。
このような異変を引き起こしている張本人である人類が根本的に考え方を改めない限り、いずれ地球人類に致命的な変動が訪れるのでしょうね。
皆様も災害に対する備えだけは怠らないでください。

では、また。

































  
  
  
  
  
  

  










Posted by TALON  at 00:44 │Comments(0)

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