2017年01月15日

入隊者の指導

こんにちは、MBホーネットです。

おくればせながら、皆様明けましておめでとうございます。
ここ東北の地では今年は穏やかな年明けでした。
年末の慌しさも通り過ぎ、ゆったりした年初めを過ごしております。

つい先日、とある有料フィールドに遊びに行きました。
気温は低めでしたが、風も無く穏やかな今年最初のゲーム初めでした。
当日に女性二人を含む初心者メンバー五人が訪れており、管理人さんの依頼でタロンメンバー四人で初心者達の面倒を見る事になりました。
対して敵チームは10名です。
さて、普通であれば全くの勝ち目の無い状況です。
初心者達の教育を管理人さんに依頼された時「うちは厳しいけど、自分のやり方でかまわないですか?」という言葉に「タロンのやり方でかまわない。厳しくサバゲを教えてやってください」とのお答えでした。
いさぎよい御返事に二つ返事で了承した以上、彼ら彼女の安全を管理し、ガンの取り扱いを最小の時間で教育しなければなりません。
同時に、初めてガンを握り、初めてフィールドに入り、初めて敵と戦う五人に、サバイバルゲームの厳しさと楽しさを体験してもらうことも自分の仕事の一つです。
更には打撃力の主軸となるタロンメンバー3人を率いて、フィールドを知り尽くした常連組を含めた敵10人と戦わなくてはならないのです・・・。
御名前すら知らぬ、本日初めて戦闘に参加する初心者をどれだけ短時間で「兵士」という存在に変化させる事ができるか。そして戦力の半分が全くの初心者を組み入れた作戦が実際にどれだけ通用する物なのか?自分も始めての事なので、実験的な意味合いも含めてとりあえずやってみる事にしました。
まずはメンバーに自分の事は当てにするな。自分が五名の初心者を連れて行くから、君たちは攻撃だけを考えてくれ。
こんな具合に指示を出し、チョークリーダーと簡単な打ち合わせをしてゲーム開始です。
基本的なガンの取り扱いと安全管理を説明して、スタート!ゲーム開始です。
全員を所定の位置まで走らせ、敵と接触したらかまわずに前進して早々とヒットされます。
ここからが勝負です。
ヒットコールを宣言した後に、後ろで固まっている皆さんに移動の仕方を教え、敵の方向を指示し、バリケードの有効な使い方を目の前で見せます。
たった15分のゲーム時間でレクチャーできる事はごくわずかです。
しかし教える事無くゲームに参加させても、何の経験値も得る事はできず、何がなんだか分からないうちにヒットされてしまう事でしょう。
そんな事を何度繰り返してもなんの意味もなく、また逆にあれこれと沢山の事を教えようとするのも無駄な事になります。
要点を絞り、基礎的な事のみを理解してもらえればそれでいいのです。

これを午前中のゲームで二回実施して一回は何とか攻撃を押さえきって勝利、二回目は突破されてしまい、負けとなりましたが、まぁ上等と言えます。
午後にはもう1人のチョークリーダーが到着し、チームの右手と左手がそろい、総勢五人。ここからが勝負です。
いつものように、2人のリーダーに部下をつけ担当区域に配置します。
自分は役目は五人の皆さんと守備位置を守り抜き、状況によっては不利な戦闘区域を援護する事です。
自分が彼らに期待する事はとにかく撃ってくれる事だけです。

そしてゲームスタートです。
午後いっぱいをあえぎながら戦い抜き、最後の瞬間まで気を抜くことができない苦しい戦いが続きました。
何度も人数の差に押しつぶされそうになりながらも、与えられた指示を最後までまっとうし続けてくれたメンバーの意地と実力が結果となり、負けは午前中の一度だけ、引き分けが2回、後はすべて勝利という満足すべき結果となりました。
いつもの3倍は走り、いつもの3倍は撃ったと思います。
最後のゲームではマサダがバッテリー切れを起してしまったくらいですから。

また自分のアバウトすぎる指示に素直に従ってくれた五人の皆さんも、大いに勝利に貢献してくださいました。
この場を借りてお礼申し上げます。
懲りずにまたフィールドに遊びに来ていただければ幸いです。


今回はチームに入隊してきた初心者の教育について幾つか簡単にお話しましょう。

自分の経験から言って一番難しいのは入隊者の教育です。
経験も年齢も装備も知識も体力も、果ては性別まで見事にバラバラな入隊者を、チームという集団に組み込んでいく訳ですから、そう簡単な事ではありません。
相手によって微妙にやり方は違いますが、基本的に最初は全員均等な教育を施します。しかし、いずれ時間が経つにつれ、徐々に個別な指導が必要となってきます。
その状況に行き着くまでに教育内容の一貫性を保つため、最初からチームのカラーをしっかりと理解してもらう必要があります。
例えば、みんなでサバイバルゲームを楽しみましょう。というチームカラーならばさほどの苦労は必要ないかと思います。
基本的なガンの取り扱いとサバゲのマナーさえしっかりと理解させれば大丈夫でしょう。
あとは怪我人を出さないように気をくばり、チーム内に不和を生じさせないようにしていれば、楽しいサバゲライフを過ごせるのではないでしょうか。
問題となってくるのはそれ以上を求めようとするチームの場合です。
以前のブログでも書きましたが、勝敗はあらゆるゲームの源であり、サバイバルゲームも最終的には勝敗を競うゲームです。
ただし、その勝敗に望むスタイルも個人からチームに至るまで様々であり、求める楽しさもまた様々です。
チーム自体の力量を考えて無理の無いチームカラーを目標とするべきでしょう。

何はともあれ、これから初心者の面倒を見ていく指導者となる者には、正しい知識と豊富な経験が必要なのは言うまでもありません。
必然的にしっかりとサバゲを楽しんでいる歴史あるチームのインストラクターは初心者の育成に実績があり、結成間もないチームはこれから試行錯誤を繰り返して実績を作っていかなくてはならないという理屈になってきます。
また古くからあるチームとは言え、勝敗を念頭において運営しているチームでないと、指導者も育たず、メンバーの戦闘スキルも向上していくことは難しくなっていきます。
強いチームを造りたいと考えるなら、しっかりとした未来像を常に意識し、チームメンバーとの相互理解も必要です。
この辺りの事は経験豊富な古参が後輩たちにしっかりと教え伝えていくべき事であり、ネット情報やサバゲ関連の書籍からは決して得る事ができない貴重な知識が山のようにあるはずです。
初心者の教育とは、すなわちこの知識経験の伝授と自分は考えています。

前置きが長くなりました、話を進めましょう。
タロンでは初めてガンに触る初心者も、サバゲ経験のある者も最初は全く同じ扱いをします。
まず、手にするガンは玩具なのだ。という考えを根底から覆す事から始めるからです。
甘い認識で起こる暴発事故から引き起こされる一連の刑事民事の責任問題、最悪傷害事件として扱われ、それに伴う多額の賠償問題。
加害者となる自分と、被害者の人生と生活に取り返しのつかないダメージを与えてしまう恐ろしい一面を、しっかりと認識させます。
この問題を理解できない者をブラックタロンは必要としません。
そしてチームに籍をおいて活動する以上、ガンの安全管理は常に意識してもらうこととなるのです。

続いて教えていく事は、正しいガンの選択方法と装備の必要性となります。
各自好みや趣味に合ったガンは色々とあるわけで、特に強制はしません。
タロンではM4派とAK派に大別されますが、その隙間に自分のようにマグプルがあったりクレイタックがあったりします。
ただし、全てに共通している事は、遜色なくサバゲやシューティングに使う事ができるガンである事でしょうか。
先進国で最もガンに無知な民族はおそらく日本人でしょう。
そのためか、同じ日本人が造ったアニメやコミックの内容を鵜呑みにしてしまったような、おかしな知識でガンを見ている者が非常に多く、これは初心者に限りません。
特殊部隊とか、スナイパーとか、プロといった言葉を日本人は大好きなようです。
それは何もしらない素人が自分のイメージだけで想像してあこがれているものであり、その方面の趣味性の強いサバゲには当然のように出てきます。
SALsやデルタ、デブグル、レンジャーなどの言葉が各専門誌の紙面を飾り、詳細な装備内容や様々にデコレートされたガンが紹介されています。
どのような装備を目指しても結構ですが、余り特殊性に走ったガンなどはその操作も独特である事が多く、自分の目から見れば弊害の方が多いように思えます。
よく初心者の購入希望に上がってくるガンの一つにFN社のP90があります。
これはマルイも出しているモデルなので性能的には問題ないのですが、それは実射性能だけの話であり、サバゲという戦場で実際に運用していくにはそれなりの割り切りとスキルが必要です。
まずガン単体で評価してみると、優秀なガンの一つと言えるでしょう。
非常に軽く腕力の無い者や女性でも取り回しやすいガンです。反面軽すぎて精密な射撃には安定性を欠きます。
またマガジンがガンの上面にはめ込む構造なので、素早いマグチェンはかなり難しくなります。
ブルパッブ構造なので非常にコンパクトで最前列に参加するアタッカー向けですが、コンパクト過ぎて射撃姿勢の自由度が無く、自分が構えると姿勢が窮屈で首や肩に無理が掛かります。
ガンの形状も独特なため、左右のスイッチが難しくグリップも滑りやすいため、それなりの練習が必要です。
マガジンが他のモデルと全く互換性が無いために、戦闘中に弾切れを起してしまった際にメンバーからマグを借りる事もできません。
装備という面から考えると、独特のマガジン形状のため一部のガンのマガジン意外はポーチに入らないので、プレキャリを一つP90専用の装備とするしかなくなります。
マグポーチ自体の種類も少なく選べないうえ、細長いマグはプレキャリ、チェストリグに装着する場合に自由度にかなりの制限が掛かってしまいます。
またガンの形状や操作性も特殊なので、他のガンに変えた時にかなりの違和感と操作の戸惑いを感じるでしょう。
とまあ、こんな具合ですが、何も使うなと言っている訳ではありません。
初心者向きではないガンなので、ある程度経験を積んでから考えればいいという事なのです。
このあたりの事情などをよく説明し、なるべく汎用性の高いガンで初めてもらうように理解を求めます。
予備ガンも含め、例えば2丁ともM4であれば装備からマグ、パーツに至るまで全てに互換性があり、どちらのガンを手にしても違和感無く使えるために、装備面の経済性やガンのスキル向上の面から考えても問題なく運用していけるわけです。

次にBDUやプレキャリといった戦闘装備ですが、初心者はガンにばかり目が行って装備面がおろそかになりがちです。
いくら高価なガンを手に入れても、予備マグやマグポーチも無い様では満足な戦果など到底出せません。
この問題は口で説明しても中々実感として分かりづらい事なので、トレーニングの時などに実際に様々な使い方を見せたりして説明し、予算と相談した上で操作性に問題ない装備を購入してもらう事になります。
たまに体験入隊時の申し込み時に、ガンも装備もすぐに買う予定です。という内容を書き込んでくる方もいらっしゃいますが、初心者が考えるサバゲと実際のサバゲとは現状がかけ離れている事も多く、雑誌等に掲載されている物をそのまま購入してしまうと色々と問題があったりして、後から買い直してしまうことも珍しくありません。
あせることなど何も無いのです。
入隊していただいた時点で同時に様々なアドバイスも受けられるからです。
但し、それなりの予算が必要である事は、十分に事前説明をしましょう。
もう一つ重要なのがBDUです。
これは戦闘において欠かせぬ装備であり、チームが使用しているフィールドや、よく利用する有料フィールド等の植生にマッチしたBDUを選ぶように助言してください。
様々なBDUが市販されていますので、それほど悩む事もありませんが、確実な戦果を求めるならブラック系統のBDUだけは除外させるべきです。
スワット装備などをアウトフィールドで身につけているゲーマーを見かけますが、あのような色彩は自然界には存在しないので、ブッシュの中に身を隠していても簡単に発見されてしまいます。
このようなBDUは建物等のインドアフィールドや市街戦フィールドで装備してください。
これは蛇足ですが、たまに見かけるゾンビゲーマーになぜなのか黒系統の装備を身に着けている者が多く、また黒い装備に白いBB弾が当たるわけですから、着弾をはっきりと視認できるわけです。
まぁ、この事は老眼気味の自分の見間違いであって欲しいものです。
さて、話を戻しましょう。
以上の事を理解していただき、これから始めていくトレーニングやフィールドでの行動に差し支えない装備を整えさせます。

次の段階から実際のサバゲや射撃に対しての教育となっていくわけですが、自分はまず入隊者たちに「いままで覚えた知識や技術はすべて忘れてください」という事をお話します。
多かれ少なかれ皆驚くかと思いますが、先に述べたとおり間違いであったり無意味な知識をすべて削除してもらわなくては、今後の教育に差し支えるからです。
その代わり常に正確な情報知識を入隊者に提供しなければなりません。
当たり前の事ですが、初心者というものは常に色々な事を知りたがります。またそうでなければチームとしても困りますよね。
「ネットの動画で見たのですけど・・・」「サバゲの専門誌の記事なんですけど・・・」「海外のサバゲ情報なんですけど・・・」
このような質問は当たり前のようにされますので、過不足無く正確に答える必要があります。
ただ注意すべきは過不足無く答えるという事です。
知識という物は技術と同じ様に、必要なものを必要なだけ与えるべき。と自分は考えます。
例えば、初心者ほどガンにスコープを乗せたがる傾向が強くなりますが、初心者に「ガンにスコープを乗せると何か変わるのですか?」というような意地悪な質問をたまにする事があります。
大概は、ちょっと考えてから「弾が当たるようになる」という答えが返ってきます。
その答えを耳にした自分は、ちょっと微笑みながら「逆です、当たらなくなってしまいます。意味が無いので外してください」
そう言われ、せっかく買ったばかりのスコープを渋々外してトレーニングに望むわけですが、この時点でくどくどとガンとスコープの理屈を説明するような必要性は全くありません。
それ以前にノーマルサイトの照準調整のやり方、ホップ調整の理屈、射撃姿勢の造り方、素早いマガジンチェンジなど、覚えてもらうべき事は沢山ある訳で、一丁のガンを問題なく運用できるようになるにはそれなりの時間と知識技術が必要であり、スコープがどうしたなどという話は遥か先のことなのです。
更に面倒な事ですが、教える側の人間にも同じ事が言えます。
自分の使っているガンを完全に運用できる事が前提条件であり、それに対するあらゆる質問に答え、また自分が教えている事を初心者たちの目の前で実践できなくてはインストラクターは務まりません。
当然ですが、質問の答えがあやふやな者や、口にした事を実際にできない者の話など、誰もまともに聞こうとはしなくなります。
インストラクターを務める者は、常に技術と知識を高める努力を惜しまない事です。
次に入隊者たちの性格や練習量に対する習熟度を見極めていく能力も必要となってきます。
何ができて何が苦手なのか。教えられた事を実践しようとしているか。フィールドでの動き方は。アタッカーとライフルマン、どちらに向いているか・・・?
などの事情を各自の性格や状況の判断能力などと合わせて考え。今後の個別指導のプランを練っていく必要もいずれ出てきます。
これらの事はチームリーダー、又はインストラクターだけで判断せず、サブリーダーや他の古参メンバーとも話し合って、慎重にプランを進めていってください。
非常に難しい仕事であることは賢明な皆さんには十分お分かりかと思います。
しかし、無理やあせりは禁物です。
人間という生き物は、その能力にこれすべて個人差があるのは当然であり、高い能力や技術を習得していくには常に努力と向上心を忘れぬ事と、それを手助けしてくれる環境を整える事にあるのです。
せっかくあなたのチームに入隊してきた仲間なのですから、サバゲに対するあらゆる支援を与えるべきでょう。
このように考えていけばメンバー達がお互い気をくばるようになり、同時に連携の強度にも繋がって行きます。
また、それができてこそのチームといえるのであります。

一人前の兵士に育つには通常5年程必要と考えて自分はメンバーを育てるようにしています。
その時間が長いと考えるか短いと考えるか?
それはチーム全体で考えるべき問題であり、指導してきた事が正解か間違いであったかは、いずれチームが残してきた実績が物語ってくれる事となるでしょう。



最近ネットやサバゲ雑誌を見ていると見慣れぬ言葉を見かける事が多くなりました。
ウェブドミネーター・・・?
某アニメの公安組織が使っていたあの強烈なガンの事か?
クイックピーク・・・??
新規参入のアウトドアメーカーか?

なんなのだ、いったい・・・???
そのたびに調べてみるのですが、初めて見る色々と便利な道具がネットショップに並んでいたり、フィールドでのテクニックを動画で紹介してたりしますね。
ちょっと驚いたのはこのクイックピークというテクニックを説明している動画を見たときでした。
簡単に説明すると、進行方向の状況を確認したり、バリケード越しに敵と対峙するときのテクニックの一つで、ヒョイヒョイとバリケードの影から顔を出して撃たれない様に前方を確認したり攻撃に繋げていく方法を指してそう呼ぶようです。
我々古参から言わせれば大昔にすでに目にしていた方法で、もう10年以上見る事も無かったので、すでに滅んでしまったテクニックかと思っていました。
それがなぜか最近になって有料フィールドでチラホラと見かける事が多くなり、「へぇー、懐かしいな」なんて考えながらサバゲしてました。
いったい誰が教えてるのかな?なんて疑問を感じていたのですが、まさかネットで紹介されているとは思いもしませんでした。
こう言っては問題ありなのかも知れませんが、あまり意味のあるテクニックではありません。
当時すでにこのクイックピークと呼ばれるモノに対処する方法を自己流ながら確立していたために、今更フィールドで見せられても、大した苦労も無く排除してしまいます。
この技術が広まらなかった理由はこの辺りにあるように自分は思うのですが、新たな方法論と共に現代によみがえってくるのですから不思議なものです。

東北地方や北海道はここ数日強烈な寒波に居座られて、大変な状況になっております。
早く冬が終わって欲しい。
心よりそう思います。

では、また。












































Posted by TALON  at 14:04 │Comments(0)

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